No.14
- 回答日時:
「高校の授業でもやる「行列」の操作も、「座標変換」の1つに入りますか?」に回答します。
とりあえずは、行列が座標変換の1つと思ってもらってもいいでしょう。本来は、時空間の1点を表す4組の数を、別の4組の数で表し直すことが座標変換です。これ自体は行列とは関係ないのですが、座標変換によってベクトルが変換を受けたときに、変換前後のベクトルが行列によって関係付けられます。回転を表す行列は、高校の数学で勉強しました。ありがとうございます。
とりあえずは「行列」も座標変換のひとつと思ってもいいわけですね。
つまらない質問に何度も答えていただいて、感謝してもしきれません。本当にありがとうございます。
No.13
- 回答日時:
座標変換について質問がありましたので、回答します。
特殊相対性理論で座標変換と言えば、ローレンツ変換と思って頂いてかまいません。それに、時々3次元空間の回転という座標変換も加わります。
一般相対性理論では、一般の(任意の)座標変換を扱います。任意の座標変換といってもピンとこないでしょうが、例えば、直交座標から極座標への変換も座標変換の1つです。一般相対性理論で特に重要な変換は、空間座標が時間について2次になるような座標変換です。これは、加速度運動をしている座標系への座標変換を表します。
座標変換と相対性理論の関係について、少し補足します。特殊相対性理論では、等速度運動をしている2つの座標系では物理法則が同じでなければならない、という要求から、ローレンツ変換という座標変換が求められました。このとき最も重要だった物理法則が光速度不変の原理です。ローレンツ変換が明らかになって、人類は、時間が4番目の次元であることを理解しました(次元の1つであるとは、座標変換によって他の次元と入り混じるということです)。一般相対性理論では、任意の座標変換に対して物理法則は不変である、という要求から、力学に対して修正を求めました。すなわち、重力ポテンシャルは計量テンソルで表されるということです。相対性理論が座標変換の理論であるということを少しでも理解して頂ければ幸いです。
ありがとうございます。
またtenroさんに引き続き「計量テンソル」という言葉を見てしまいました。やはり物理を知っている人の間では常識的な言葉のようです。自分の無知に反省するばかりです。
大変初歩的な質問をしてもよろしいでしょうか?高校の授業でもやる「行列」の操作も、「座標変換」の1つに入りますか?
それにつけても、皆さんの回答を読むにつれて如何に自分が何も知らないかがわかります。
「時間」にしても、私は「運動」を認識しているだけだし、「空間」にしても「物体の拡がり」を見ているだけです。きちんと「時空」に関して正しい知識を持つことができれば、「宇宙の歴史」に対してもっと興味がもているのにと思っています。
No.12
- 回答日時:
#3です。
>マクスウェルの方程式が出ましたね。マクスウェルの
>方程式、「場」の方程式ですよね。数式で表すとどう
>いう数式になるのでしょうか。
電場E、磁場H
真空の誘電率ε
真空の透磁率μ
として、真空でのマックスウェル方程式は、
∇・E=0
∇・H=0
∇×H=ε(∂E/∂t)
∇×E=-μ(∂H/∂t)
である。
1/(εμ)=c^2
cは光速となる。
>でも、やはりガリレイがニュートンと結びついている
>としたら、アインシュタインはマクスウェルがパート
>ナーになりますよね。
アインシュタインの「特殊」相対性理論に関してはマックスウェルがパートナーですね。
>座標系という言葉がでましたが、私はいまいち「慣性
>系」という言葉が正しく理解できていません。まだま
>だです。
「慣性系」私もうまく説明できないんです。
ありがとうございます。
マクスウェルの方程式まで教えていただいて、うれしい限りです。そういえば、マクスウェルの方程式は、高校の授業では出てきませんよね。それとも私が忘れているだけでしょうか。相対性理論の本を読む前にマクスウェルの方程式の理解を深める決意を今、しました。
マクスウェルは特殊相対性理論だ、と。一般相対性理論が随分遠くに感じられます。生きているうちに一般相対性理論のすそでもいいからつかんでみたいものです。
No.11
- 回答日時:
> 「元論文のタイトル」を考慮したということですが、
> どんなタイトルだったのですか?
1905年の相対性理論に関する最初の論文のタイトルは
"Zur Elektrodynamik bewegter Korper"
です.
日本語で言うと
「動いている物体の電気力学」
ということですね.
ありがとうございます。
タイトルを原題まで記入してしていただいて恐縮です。
「動いている物体の電気力学」ですか。何だかいろいろと想像されられるタイトルです。
「電気」とついているのでマクスウェルを思い浮かべつつ、「力学」でニュートンを思い出し、「動いている」とのことでローレンツに意識が向いてしまう私です。論文の内容をまったく知らないので、勝手な想像ですが。
1905年という年を覚えておくことにします。もう100年が経とうとしているのですね…。
No.10
- 回答日時:
>つまり、ユークリッド幾何学の否定というふうに認識してもいいのでしょうか?
いいえ、そうではありません。ユークリッド幾何学は無矛盾な数学の体系であり、それが否定されると言うこと自体意味がありません。
そうではなくて、「非ユークリッド幾何学を利用して物理法則を記述した」と表現するのが適切です。ニュートンの重力理論は重力の場というエキストラな概念を必要としますが、一般相対性理論という重力の理論では、重力は時空の計量テンソルgであり、時空それ自体の性質として重力を記述しているので、理論としてよりシンプルである言えます。また、等価原理を極めて自然に説明しているという点も注目に値します。
>風船がふくらんでいくイメージを持ちますが、そのイメージでは宇宙に「中心」が存在してしまうので、間違ったイメージなんでしょうね。
いいえ、そうではありません。風船の表面が3次元空間であって、それが4次元的に膨らんでいる(場所によって時間軸が異なる方向を向いて膨張している)というイメージです。風船の中心はこの場合宇宙の始まりということになります。風船の表面の中だけで考えればどの点も中心とは言えないのと同じように、宇宙のどこの場所も中心とは言えないわけです。
ありがとうございます。
「テンソル」という新しい言葉を知ってしまいました。もしかして、物理では常識的な言葉ですか?だとしたら、今まで聞いたことがなかった自分が情けないです。
「時空それ自体の性質として重力」ですか。なるほど。相対性理論について考えていると、時々、「質量」「エネルギー」「力」という言葉を簡単に使えなくなっている自分に気がつきます。
また、「風船のイメージ」についても言及してくださってありがとうございます。確かにtenroさんのいうようにイメージすれば、宇宙に「中心」の存在を想像しなくてもいいです。少し理解が深まった気がしています。ところで、現在の宇宙論では宇宙は閉じた系として考えられているのでしょうか、それとも開いた系としてみられているのでしょうか。(と質問する私は、「時間軸が異なる方向を向いて膨張」という言葉をなかなかイメージできませんが…。)
No.9
- 回答日時:
お礼文に対する返事です。
>一般相対性理論のことを、「加速度と重力加速度との同一性」と言われましたが、つまり、「慣性質量と重力質量の同一性」と言い表すことと同じことでしょうか?
いえいえ、それは違います。
質量の話でなくて、加速度の話です。
例えば、電車が加速したりブレーキをかけたりしたとき、乗っている人には加速感がありますよね?
それが、電車が加速したときは、後ろのほうに大きな星があって引力で引っ張ったのと同じ、ブレーキをかけたときは、前方に大きな星があって引力で引っ張ったのと同じ、というふうに見なす、ということです。
言い換えれば、
無重力の中で静止しているエレベーターの内部と、自由落下しているエレベーターの内部は、全く同じ意味と見なす、ということです。
ありがとうございます。
「電車が加速したりブレーキをかけたりしたとき、乗っている人には加速感」というのは、世の中高生の言うところの「みかけの力」というものですよね。
理想的な電車の中にいる対象にとっては、電車が動いていることを認識できないので、「みかけの力」は「本当の力」のように思える。というよりも、そもそも「みかけ」も「本当」も区別がない、と言ったほうが適切なのでしょうか。もし、区別するようだったらそれは即ち、特別な基準を、絶対的な何かを認めなければならないから。ということでだいたいOKでしょうか。
「力」とか「加速度」とか「質量」という言葉がいろんな意味で難しく感じられる今日この頃。3つとも今、この目の前(あるいは目の中)にあることなのに…。
No.8
- 回答日時:
>力学と電磁気学に折り合いがつかなくなるとのことでしたが、それはどういうことでしょうか?
力学は絶対時間という土台の元に組み立てられた理論です。(つまりガリレイ変換を正しい変換としているのです)
また電磁気学もおそらくそのつもりで理論を組み立てたのでしょうが、その基礎方程式マクスウェル方程式を見るとガリレイ変換に対して不変ではなかったのです。そこで頑張ってマクスウェル方程式を不変にするような変換を求めると速度によって時間が遅れたり物の長さが縮んだりするという結論になりました。これがローレンツ変換です。
ローレンツ自身は局所時間だとかいろいろな仮定を持ち出して何とかその変換に解釈をつけましたがその意味するところは非常に難解な物になってしまいました。そこでアインシュタインはこういったのです。「時間が全宇宙でみんなにとって同じように流れるなんて誰が決めましたか?そうこれは勝手な思いこみです。時間は人によって違う物なんです。それでも1つだけみんなにとって絶対的な物がありますね。それは光の速度です。そう考えればローレンツ変換の意味は簡単に解釈できますよ」
こうして生まれたのが特殊相対論です。
一言でといわれたのにずいぶん長文になり失礼しました。
ありがとうございます。
この説明を伺って、さらにマクスウェルの方程式に興味を持ちました。今まで電磁気学を触らないようにしていましたが、やはり学ぶべきことは想像以上に多く、しかも重要だと改めて思い知らされました。なんとか時間を見つけて学んで生きたいと思います。
「長文」と言われましたが、かなり簡潔な文章だと思います。短い文章を書くということは、何かを切り捨てなければならないということで、本当に説明がしたいと思っている方には、ものたりなさも感じられていると思います。しかし、私のような初心者は、「一目ぼれ」的な印象が欲しいものです。なので、今回は「一言」に絞ってみましたが、それに気を損ねずに応えてくれた事に感謝しております。
No.7
- 回答日時:
<特殊相対性理論>
古典力学における絶対時間の概念を覆して、固有時間の概念に基づいて作られた理論体系。
<一般相対性理論>
重力の法則を4次元時空の幾何学の問題として記述した理論。
いづれも、我々の自然の理解に対して本質的に新しい考え方を導入した革新的な物理の理論体系であるといえます。
ありがとうございます。
「絶対時間」「絶対空間」「等質」、これらの言葉は古典力学のキーワードだと思ってます。
ニーチェの「神は死んだ」ではないですが、物理の歴史では「絶対」がどんどん否定されていく。そんな感じがしています。
一般相対性理論のところでは、「4次元時空の幾何学の問題」という言葉を選ばれましたが、つまり、ユークリッド幾何学の否定というふうに認識してもいいのでしょうか?
ところで、よく「宇宙は拡がっている」と聞きますが、その言葉をきくと、風船がふくらんでいくイメージを持ちますが、そのイメージでは宇宙に「中心」が存在してしまうので、間違ったイメージなんでしょうね。やはり、宇宙について知識を持っていないと実感してしまいます。理解が足りません。
No.6
- 回答日時:
常識で時間ってどこでも誰でも同じように流れていると考えていますよね。
でもそうするとどうしても力学と電磁気学に折り合いがつかなくなることが分かってきたんです。
そういうことで
「今まで無反省に使ってきた時空の性質についてちゃんと考えてみました」理論
ってのはどうでしょう?
ありがとうございます。
相対性理論というとまず「光」に注目する人が多いですが、nablaさんはまず「時間」ですね。
力学と電磁気学に折り合いがつかなくなるとのことでしたが、それはどういうことでしょうか?不勉強な私でも理解できますか?
もし、時間が空いているようでしたら、ひとつ私に教えてください。できたら、「一言」で。
それにしても、ますます「時間」というものがわからなくなる一方です。
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