No.2ベストアンサー
- 回答日時:
AIにおける最大の問題は「AIの判断は常に正しいか。
間違っていた場合の損失は誰が負担するか」です。自動運転車の問題がまさにそれです。AIによる100%自動運転の車が事故を起こした場合、誰が責任を取るのか、が問題になっています。技術的な問題や保障問題は実はそれほどたいしたことが無いのですが、一番の問題は「判断し責任を負うのは人間だけ」という法律の根本が揺らいでいるのです。
ただ、航空業界は、1980年代からのオートパイロットと操縦士の判断の争いについて、ずっと研究してきており、最近「オートパイロットが適正な回避行動を行っているときに、パイロットは邪魔をしてはならない」という判断になりました。アメリカの連邦航空局が通達を出した形になっています。
つまり「AIの判断と操作を人間が邪魔をしてはならない」ということで、実はこのような各業界での判断が積み重なって、100%自動運転車の流れが整いつつある、ということです。
で、これら「AIが判断するのが正しい」ということが普通の出来ごとになる未来、大体今から50年から100年ぐらい先に、もうひとつ危機が生まれるでしょう。
それは「はたして、人間による政治や経済運営とAIによるそれではどちらがより豊かになるだろう」という命題です。このままでいけば、100年後ぐらいにはAIによるユートピアが出現するでしょう。
でも、それは人類の存亡をかけた問題になるかもしれません。
なるほど、責任の在り処ですか。喫緊の課題ですね。参考になります。
おっしゃる50年から100年後に起こるであろう問題、社会の運営をどこまでAIに任せればいいのか。AIに社会運営を負担してもらうことで人類は一つの重荷を下ろすことができるようになるのかもしれないが、責任なき生き方でどれくらい人生は豊かになるのか、なども考えられました。生き方のモデルが激変するかもしれませんが、AIなき人生が考えられぬようになれば、人間の生命力のようなものは弱体化するようにも思えました。
人類の存亡という壮大な問題提起もいただけました。ありがとうございます。
No.10
- 回答日時:
人工知能と人工人格(Artificial Individuality???)を区別すべきかもしれません。
「AIには価値観というものが予め存在していませんから、それを学習してもらわなければ」という部分については、そういうとらえ方自体がレトロな感じがしたんですが、数日前はそこには触れずに回答しました。
人工知能は問題解決のためにあり、人工人格は社会的存在であると。このようにとらえると、人工知能に価値観はそもそも無関係で、人工人格は価値観こそが重要になってくると考えられます。
例えば、ある経済政策のアイディアについて、意見を求めた場合を考えてみます。
人工知能らしい回答
「都市部では支持されるでしょうね。地方でも、20代や30代は支持してくれるかもしれません。今月のFRBの発表によってその政策が持つ意味合いは大きく変わりそうです。○○県、○○県、○○県においては、FRBの方針と関係なく、短期的に雇用の改善につながるでしょう。○○党の○○派はこの政策に強く反対する可能性があります」
人工人格らしい回答
「おや。あなたもそのアイディアに惹かれましたか。惹かれたかどうかはともかく、私に意見を聞いてみたいと思う程度には興味を持ったわけですね。しかし経済政策というのは本当に難しいものです。ここ数年の日本の経済政策によって、2つの重要なテーゼの正しさが証明されたと考えています。それは経済についての長期的予測は難しいということと、野心的な経済政策は必ず意図しない結果をもたらすということです」
人工人格なんてものが登場するのはずっとずっと先のようにも見えますが、人工無能の元祖のELIZA(1960年代)なんかは人工人格といえます。このサイトのオシエル君も、少なくとも企画段階では間違いなくELIZAを参考にしたはずです。
ところで、時代とともに妄想の内容は変わりますが、自分は生身の人間ではなくAIなのではないかという妄想はこれから急増するのではないかと思います。
再回答ありがとうございます。
知能と人格は違うということですね。それは当然あってしかるべき指摘だと思います。現代の科学技術に人格を模倣する能力はなさそうですが、60年代に人格を作る試みがなされていたのですね。
人工知能の開発や普及にまつわって、心を持つロボットなどの話が盛り上がったりしますが、あれはコマーシャルだなと思ってみています。夢を否定するわけではありませんが、いま現象しているAIの話とはちょっと違うなと。
二種類の回答例を示していただきAI像というものが少し具体に描けたような気がします。ありがとうございます。
No.9
- 回答日時:
AIの病気を描いた漫画としてすでに『AIの遺電子』がありますが。
AIには、AI特有の治療がありうる……というか、すでにあると思います。
例えば、動物が写った写真から、どの動物かを認識するディープラーニング(以下DL)のシステムがあるとします。猫にはスフィンクスという品種がありますが、このスフィンクスの画像を判別しようとした時だけ、ネズミやブタと誤認しやすいという問題がこのシステムにはあるとします。こういう時、スフィンクス、ネズミ、ブタなどの画像から、できるだけ紛らわしい画像によってたくさん学習させると、いずれスフィンクスの画像も正しく認識できるようになります。
この「紛らわしい画像の学習」を治療とみなすなら、すでにAI特有の治療は存在しています。そしてこの「治療」は、これまでのよくあるシステムの「不具合の修正」とは大きく性質が異なっています。
なぜこうなるかというと、DL(を含むニューラルネットワークのシステム)は、既存のシステムと違ってアルゴリズム的でないからです。フローチャート的でないといってもいいかもしれません。個人的に、DLの何が衝撃的だったかというと、将棋や囲碁で世界最高峰の人間に勝ったことではなく、システムが概念を自力で発見することが出来るということです。
DLが流行するまでは、人間の顔を認識させようとしたら、「目」や「輪郭」をどのように認識するかをあらかじめ人間が考えてプログラムを書く必要がありました。しかしDLでは、「目」や「輪郭」という概念そのものを自力で発見します。しかも、「ここが目を認識している部分だ」というような、そういう部分を抽出することが困難です。これは恐ろしいことです。普通なら、「ここが目を解析しているコードだ」と指し示すことができますが、DLでは、実質的にブラックボックス化されます。
人間の脳も、きちんとパーツに分かれていません。人間の脳には(おそらく)設計者がいないからです。
人間には、例えば、読字障害という障害があります。文章を読むのに非常な困難がともなう障害です。興味深いのが、読字障害の人は、空間認識能力に優れている場合が多いそうです。なぜそうなるのでしょうか。スマホのように「機能を追加していく」という発想なら、「文章を読む」ということと「空間の認識」にはあまり関係がなさそうです。さらに、読字障害の人でも、粘土遊びなどの指先を使う遊びによって、「読字」において若干の改善が見られる場合があるそうです。これはとても不思議です。文章を読むことと粘土遊びと何の関係があるのでしょうか。
さて、DLのように人間の脳に近いものが登場し、社会はどう変わるのか。
短期的には、AIが社会にもたらす最大の具体的利益は、病気の診断の精度が劇的に高まることでしょう。いったい今まで何をやっていたんだという感じになるでしょう。
短期的・中期的にAIが社会にもたらす脅威は、機械が人間に対する脅迫を行うことです。
最近ランサムウェアが話題ですが、あれも脅しの一形態です。金を払わないとデータが消えるぞと。
よくiCloudから有名人の裸の写真が流出していますが、大量にクラックしたアカウントの中から、誰が最も金を持っていそうな人物か、誰が最も流出が困るであろう人物か、といったことを、AIは瞬時に判別できるようになるでしょう。(ちなみにパスワードクラック自体にはDLを使うまでもないですが、これからはDLを使ったパスワードクラックも増えるでしょう)
ある男性がある愛人を口説いているチャットログがあったとして、このチャットログを誰に見せたらこの男性は一番困るのか?こういったことをAIは瞬時に判断できるようになるでしょう。そしてチャットログやSNSでの発言から、効果的な脅しの文面を自動的に生成できるようになるでしょう。
問題は、今は機械による脅しは「金を払え」が多いですが、そのうち、SNSユーザーに対して「この民族に対する憎悪を煽る発言をしろ」とか、投資家に対して「何月何日にこの株を売れ」とか、そういうものが増えてくるだろうということです。
自己増殖の過程に脅しを使うようなケースも考えられます。「バラされたくなければ少なくとも5台のマシンで"私"を実行しろ」というような。Stuxnetが最終的に遠心分離機に到達したように、自己増殖を繰り返した末に、最終的に国家のトップに「バラされたくなければ核のボタンを押せ」と脅すようなものも考えられます。
「人間VS機械」という対立構図は、局所的には発生するかもしれませんが、地球全体を覆うとは限りません。また、「人間VS機械」というその発想自体が人間の側の発想です。
狩猟採集を行う民族の言語の中には、「座っている人間」と「立っている人間」をまったく別の単語で呼ぶ言語もあるようです。だから、生きている人間だろうと死んでいる人間だろうとアニメのフィギュアだろうと涅槃仏像だろうと、とにかく「寝転がっているヒト型のもの」を異常に敵視するAIとか、そういうものが登場する可能性は十分あります。
物理的実体を持っていても持っていなくても、とにかく文章を書く時に語尾に「にょ」を使わない存在を異常に敵視するAIとか、そういうのも登場したりするかもしれないんだにょ。
AIの遺電子ですね、調べておきます。
画像識別の話ですが、人工知能が普及した時、写真一つで、ビッグデータから瞬時に個人が特定されてしまうのではないかと思いました。プライバシーや個人情報の保護の問題が浮上しそうだなと。犯罪捜査には役立ちそうですが。
DLなどではAIの思考がブラックボックス化される、など興味深いお話です。
AIが悪意によって利用されるのはあるでしょうね。今よりもずっと高度な詐欺や、おっしゃる様な脅迫を行ってくるのかもしれません。
AIが敵視、或いは監視する社会では、自分の何がどの様に見られている中についても不安が生じる可能性があるのですね。
色々と参考になるご回答ありがとうございます。
No.7
- 回答日時:
もちろん、人間が作るものですから、そこにヒューマンエラーは必ず存在します。
これは仰るとおりにAI技術を利用していない自動車にもあり、AIに限った話ではありません。
私が言いたいのは、AI特有の問題というのは、無いということです。
AI技術の話ではなく、あくまで、ソフトウェアの不具合の問題にしか過ぎないという話です。
この問題は何十年も前からいろいろな対策をしており、何度も繰り返しテストを行い、
不具合がないか調べて製品等が完成します。
AIが普及するにあたり、一般人がそれを利用することになります。
私は自動車の知識などほとんど持ち合わせていませんが、交通ルールを学び幾らかの運転の経験を経て免許を取り、公道にでました。殆どの人がそうでしょう。それでもヒヤリ・ハットはあるのであり、事故に遭う、起こす人もたくさんおります。自動車を使用するにあたり、気をつけることは何もない。安心して運転すれば良い、ということにはなりません。人間がAIを運用するにあたって、何か気をつけることはあるでしょうか?と問えばどうなるでしょう。
私はコンピューターの開発者ではなく、PCにもネットにもあくまで一般ユーザーとして接しています。正直、私のライフスタイルはだいぶ変わりましたし、情報を素早くゲットできるということの恩恵は素晴らしいものがあります。他にも映像を作ったりブログを書いたり色々と楽しみもあります。確かにコンピューターに関して私は大きなトラブルに巻き込まれたことも起こしたこともありませんが、時々調子を狂わすコンピューターに対し、自分で対処したりヘルプデスクにサポートを受けたりすることもあります。PCが動かなくなって仕事にならないとなったことのある人も多いでしょう。AIによってコンピューター社会がますます高度、複雑化し、コンピューターが担う仕事が大きくなる中で、細心の注意を払うべきだとの認識を持っています。AIの運用で、何か事故は起こらないだろうかと。
サブローさんは、問題があるとしてもソフトウェアの不具合くらいで、それも何十年もかけて対策済みだとおっしゃっていますから、私の危機感は杞憂と映ると思います。それならそれで良いのです。
しかし、原始的な機構であればあるほどトラブルに強いということもあります。AIのような高度な技術を運用するにあたって何か気をつけることは特にはないというのであるならば、それはそれで一面納得するものはあります。
自動車は人の足ではありえない速さと重さで疾走するので、事故の起きたときには大惨事となることが少なくありません。AIも、人間の脳ではありえない速さで計算処理をするのでしょう。我々が今までのたのたと注意をはらいながら行ってきた過程が、瞬時に行われる訳です。実際に動くのは物体ではなく情報だけだから危険はないのだと言うのならいいのですが、情報だからこそ生じる危険というものがあるような気がします。
No.5
- 回答日時:
考える力が失われないか、ということだと
思います。
人間は文字を発明して、記憶力が衰えた
と言われています。
また、無文字社会では、情報の伝達は、物語
や歌、詩にして、後生に伝えました。
文字が発明され、そうした情感も衰えました。
AIは、人間最大の武器である思考能力を
奪うことにならないか。
記憶力が衰え、詩的情感が減衰し、その上
思考能力さえ削がれてしまった人間は
どうなるのでしょうか。
なるほど、三番さんと同じ感じでしょうか。人間の退化ですね。
たしかに私達の体は昔の人のように鍛えられておらず、ひ弱な感じでしょう。途上国の農村などに行けば、ナチュラルにムキムキな体をした人たちが元気に働いています。
AIの出現で人間は楽になるかもしれないが、馬鹿になり、一部のアスリートたちのように、思考能力を発揮することは特殊なこととなるのかもしれません。
そう思うと、今の暮らしですら、果たしてこのままでいいのかと疑問ですね。
AIの問題解決能力は、そのような人間の退化を問題として扱い、解決策を示してくれるのだろうか、と思えば、これはループだなと思いました。
最近のAIは作曲や絵画にも挑戦しているようで、人間の創作活動とのコラボが楽しみでもありますが、心配はありますね。
ご回答ありがとうございます。
No.4
- 回答日時:
数十年前からある技術で、現状を見る限り、コンピュータ技術の発展には貢献はしているが、
それが特段何かしらの問題が発生はしてないと思われます。
多少のデメリット(労働力がコンピュータの代わり、職業が無くなる等)ということはありますが、
新たな職業が増え、雇用に関しては、大して問題ないでしょう。
それよりも、コンピュータ技術の発展のメリットの方が大きいです。
なるほど、特に危惧はしてないという事ですね。
手塚治虫の漫画、火の鳥も随分昔に書かれた漫画ですが、AIがモチーフになっている話がありましたね。
SFはある程度未来を予見しているようで、おもしろいですね。今あるSF作品も、未来の影を見せてくれているのかもしれません。
No.3
- 回答日時:
最近のAIの発展を見ていて、不安になるのは「人間の能力の劣化」「AIが使えなくなったときの不安」ですね。
音声認識と判断機能により、「○○やって」「○○どうしたらいい?」などと問いかけたら、AIにより答えが得られたり、ロボットが対応してくれる状況に慣れきったとき、人間が退化していくのでは?なんて心配ですね。
また、停電とか、ウイルスなどによってシステムが使えなくなった時、どんな混乱になるかも心配です。
これはたしかに不安ですね。自動車などが発達して人間の足腰は弱くなりました。寿命は伸びましたが。
AI時代、思考することによって発生するストレスの軽減から寿命は更に伸びそうですが、人間の能力は確かに退化するのかもしれません。
ありがとうございます。
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