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純粋に法律上の質問です。
Aが故意に(暴力や毒物を用いて)、妊娠しているBの胎児を殺害(流産させる)したとします。
Aは未だ生まれていない胎児に対する殺人罪で起訴されますか?
されないとするとどういう罪になるでしょう。

また胎児は12週(4ヶ月)以上になると、中絶・死産した場合は「死体」として埋葬・火葬する義務があるそうです。
すると胎児が12週以下の場合は殺人罪は適用されず、それ以上の場合のみ適用されるのでしょうか。
それとも一般に堕胎ができない22週間以上の場合にのみ殺人罪が適用されるのでしょうか?

よろしくお願いします。

A 回答 (4件)

補充しておきます。



刑法においては、学説・判例上、いわゆる「一部露出説」が通説と言われます。従って、完全に胎内にいる胎児に対しての殺人罪ということはありません。ただし、毒物に関しては、最高裁で水俣病裁判に関して、「正常な子を出産する母体の生理的機能を害した」として業務上過失傷害罪が認められており、学説は総じてこれに批判的ですが、注意が必要です。

また、胎児の埋葬・火葬に関してですが、これは「墓地、埋葬等に関する法律」第2条1項括弧書きによるものです。この法律は刑法ではありませんので、この法律で「死体」であっても、刑法の解釈には影響を与えません。
むろん、この法律にある処罰規定については刑法総則の適用がありますが、殺人罪・堕胎罪などは各則の話ですので、ここでは関係ありません。

なお、民法においては721条その他で「既ニ生マレタルモノト看做ス」という「みなし規定」がありますから、不法行為に基づく損害賠償請求は可能となります。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。
「一部露出説」について質問です。
例えば暴君松平忠直のように妊婦の腹を割いた場合を想定します。
この場合一部露出しますし、妊婦が臨月であった場合は、胎児が自律呼吸する場合もあるかと思います。
この場合は出生してから殺害されたとみなされるのでしょうか?

お礼日時:2004/09/10 13:51

>「一部露出説」について質問です。


例えば暴君松平忠直のように妊婦の腹を割いた場合を想定します。
この場合一部露出しますし、妊婦が臨月であった場合は、胎児が自律呼吸する場合もあるかと思います。
この場合は出生してから殺害されたとみなされるのでしょうか?

これは、妊婦を斬った時に同時に胎児まで傷をつけてしまいその後その傷が原因で死んでしまった、ということですよね。

とすると、判例ベースに考えれば胎児に関しては現行刑法上は不可罰になると思います。
まず、殺人罪にあたるかですが、これは行為の対象が人でなければだめです。
しかし、ご存知のとおり胎児は刑法上人ではありません。
この事例の場合は出生して別個独立の客体となったとはいえないため母体の一部が死んだと考えるのです。
そもそも、一部露出説が一部露出にこだわるのは胎児の体が一部でも露出すればそこに直接的な侵害行為を行うことができるからであるとして一部露出後の行為を問題にしているのです。
しかし、この場合は露出前の行為が原因なので胎児のまま(=母体の一部のまま)で死んだ、と考えるわけです。

では不同意堕胎罪はどうか?ですがこの事例では堕胎罪の構成要件である「堕胎をさせた」とはいえませんのでこの罪でも問えません。

まー結局は、胎児に関する殺人罪が認められても観念的競合で科刑上はおそらく母親に対しての殺人罪一罪になるので結果としては変わらないのですけどね。
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この回答へのお礼

大変よくわかりました。
ありがとうございます。

お礼日時:2004/09/11 14:52

母体から出るまで、法律上は「人」と認めておらず、殺人罪は適応されません。



胎児を殺害した場合「堕胎の罪」(刑法第二編 第二十九章)になります。
http://www.annie.ne.jp/~schim/ultima_ratio/joubu …

>Aが故意に(暴力や毒物を用いて)、妊娠しているBの胎児を殺害
この場合第二百十五条が適応され、「六月以上七年以下の懲役」に処されます。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。
不同意堕胎となるのですね。

お礼日時:2004/09/10 13:46

>Aは未だ生まれていない胎児に対する殺人罪で起訴されますか?


出生していない胎児は、日本の法律では人ではありません。胎児を死亡させても殺人罪(さつじんのつみ)を負うことはありません。

>Aが故意に(暴力や毒物を用いて)、妊娠しているBの胎児を殺害(流産させる)したとします。
>どういう罪になるでしょう。
Bに対する傷害罪(しょうがいのつみ)を問われます。
量刑は裁判に委ねられます。

>すると胎児が12週以下の場合は殺人罪は適用されず、それ以上の場合のみ適用されるのでしょうか。
>それとも一般に堕胎ができない22週間以上の場合にのみ殺人罪が適用されるのでしょうか?
出生していない胎児を死亡させても殺人罪(さつじんのつみ)が適用されることはありません。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。
Bに対する傷害罪のみが適用されるわけですね。

お礼日時:2004/09/10 13:43

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