色に関する幅広い知識や技能を問う色彩検定試験。
その最上位となる1級は、2級・3級と比べて何が違うのか?
そして取得することでどのようなメリットがあるの?
そんな疑問を解決するために、2級を保持する小林かおりさんが再びインタビュアーに!
色彩検定1級取得の魅力を探るために、3名の色彩検定1級取得者にお話を伺いました。
インタビュアー
小林 かおりさん
色彩検定2級取得。色彩理論を活かしてアクセサリー作家として活躍中。1級の取得を検討しており、取得することでどう人生が変わるのか興味がある。
色彩検定1級取得者
白井 佑果さん
イメージコンサルタント。アパレル業からイメージコンサルタントへ転身。パーソナルブランディングを中心に、人の印象管理をサポート。
色彩検定1級取得者
RENTANさん
ネイリスト。オーナーネイリストとしてサロンやイベントなど国内外で活躍。ネイリスト向けのセミナーを開催するなどアクティブに活動。
色彩検定1級取得者
岸 里砂さん
WEBデザイナー・イラストレーター。外資系メーカーからWEBデザイナーへ転身。ホームページのデザインのほか、企業ロゴやイラストも手掛ける。
MY STORY
白井さんはどうして
色彩検定1級を取得されたのですか?
私はもともとアパレルで洋服の商品企画をしていました。イメージコンサルタントとして独立するにあたり、色の知識をしっかりと勉強したいと思い、まず色彩検定2級を取得しました。2級の知識でも実務に活かせる内容でしたが、論理的な色の知識を深めたいと思い、プロフェッショナル向けの1級の取得を目指しました。
イメージコンサルタントのお仕事で、
色はどのように関わってくるのでしょう?
お客様の職業やライフスタイルに相応しい服装、見せたいイメージ、ヘアスタイル、立居振る舞い、メイクアップなどをトータルでパーソナルブランディングをすることがイメージコンサルタントの仕事です。どのような印象を与える装いをしたらよいか、ということを考えるのですが、その中で非言語コミュニケーションツールでもある「色」の持つ役割は重要になってきます。
MY REASON
具体的にはどのようなシーンで
役立っていますか?
いろいろなシーンで役立っていますが、特にパーソナルカラーの提案時に活かされています。個人の元々もつ身体の色素などと調和して素敵に見せてくれる色をメイクなどに反映することで、その人の良さを引き立たせて好印象を与えることができます。
メイクアップの
ご提案もされるということですね?
そうですね。例えば親しみやすさを出したかったら黄みがかったピンク、フェミニンさやロマンティックさを出したかったら青みのピンク、洗練されたお仕事モードにはブラウン系など、イメージと実用性を兼ねたご提案もしています。
色彩検定1級の深い知識が
実践に活かされていますね。
では最後に、白井さんにとって色の魅力とは?
色のイメージや効果をお伝えする際にふわっとした感覚ではなく、論理的にわかりやすい言葉にしてお伝えすることができるようになりました。1級の知識のおかげで説得力が増し、お客様により信頼していただけるようになったと実感しています。あと、色を学んで気づいたのは「私は色が好き」だということ。仕事に活かすための知識ですが、今でも楽しみながら色を学んでいます。
MY WORK
MY STORY
RENTANさんが色彩検定1級を
必要だと感じて取得されたのですか?
実はネイリストになる前に取得しようと決めて受検しました。ネイルを学び始めている時に、ネイリストになったらきっと忙しくて資格取得のための時間を作れないと思い、ネイリストの検定と同時に色彩検定の1級と2級を受けました。出産したばかりだったのでこの先はもう時間がない、と。3級は専門学校時代に取得していたのですが、その内容を全く覚えてなくて。だから一から勉強し直しました。
すごいですね!頑張って取得された色彩検定1級はネイリストのお仕事に活かされていますか?
お客様が色のオーダーをされる時は、「明るい」や「鮮やか」など曖昧な表現を使われることが多いのですが、1級の知識があればお客様が欲しい色をお客様の言葉から的確に拾い上げることができます。また、色を混ぜてつくる際に、どの色とどの色をどれくらい組み合わせれば良いのかが理論的にわかるので、色を的確に判断する能力はネイリストにとって必要不可欠です。
ネイリストはみんな色に関する知識を持っているイメージがありますが、実際はどうなのでしょう?
色を理論的に語れるネイリストは少ないと思います。多くの方がセンスに頼っています。実感としては1級の知識を持っているかいないかで、お客様に対する満足度が変わってきます。ネイリストに限らず、デザイン系の仕事ならこの知識を持っているだけで、お客様の欲しい色を汲み取り、具体的に表現することができるので、ご要望に確実に応えられるようになります。
MY REASON
色の知識を今後はどのように活用されていくのか、ビジョンはありますか?
色彩検定の知識とネイルを結びつけることで、ネイリストにとって必要な色彩理論を広めていきたいです。すでに色彩を取り入れたネイル技術のセミナーを開催していますが、これからもっと必要になってくる知識だと思います。ネイルアートの見本はスマホなどインターネットで画像検索することが多いのですが、基本はRGBなんです。でも実際にはCMYKで表現するのですが、どうやっても無理な色があります。そうした根本を知らないとお客様に説明もできません。そうしたことも含めて学べる場を提供していきたいです。
これからのご活躍が楽しみですね!それでは、RENTANさんにとって色の魅力とはなんでしょう?
色の知識は、新しい世界を見ることができます。今まで赤と思っていた色が赤ではなかったと生まれて初めて気づきました。この色は赤ではなく「赤紫」という色だということがあり、今まで見えていた色が変わって見えてきます。また、生きていく上で必要な『仕事』を成功に導いてくれる知識です。知識や技術は無くなることのない自分にとっての財産です。
MY WORK
MY STORY
岸さんが色彩検定1級を取得した理由を
教えてください。
私は文系の大学卒業後に外資系メーカーに就職し、デザインに関係のない仕事をしていました。縁があってWEBデザイナーになりましたが、WEBデザイナーになってからはいつも配色に困っていました。配色ができるようになりたいと思い、当時の上司の勧めで色彩検定3級を受けました。そこから色の世界の深みにハマり、3級、2級と受検していました。2級を受けた後に、私は他のデザイナーと比べて経験も浅く、センスもない。自分のデザイナーとしての強みとして何か欲しいと考えた結果、色彩検定で得た色彩の知識をより深く理解するべく色彩検定1級を受けることにしました。
WEBデザイナーとしての強みに、
「色」を選ばれたのですね。
はい。1級を取得した頃は、社内の誰よりも色を理論的に語れるようになっていました。
MY REASON
お仕事では1級の知識が
どのように活かされていますか?
まずは配色です。色相やトーンを手掛かりにした配色技法を理解することでとても早く、いいデザインができるようになりました。それまでは一つ一つの色を当てて確認しながらやっていましたが、今では色彩検定で学んだ配色の概念が頭にあるのでパッとこういう色彩が合う、とわかるようになりました。他にも、企業や商品のロゴを作成する仕事がありますが、企業デザイン戦略の中で色彩は中核となるので、万人受けするための色彩の知識、その色の背景を理解しているので、色彩の観点からも説得力のあるデザインを提案できています。
岸さんにとって色の知識が武器になっていますね。色彩検定1級はどんな方に薦めたいですか?
デザイナーなど色彩に関わる仕事をしている方はもちろんですが、色彩検定1級の知識になると、クライアントに直接提案する機会のある方は特におすすめです。色の歴史やその背景を語れるようになることで、相手の理解を深めることができ、プロとして頼られる存在になれます。もちろん仕事に色を使う人だけでなく、全ての人にとって色の知識は大切です。多くの人が色を自分の感覚や好みで判断しているので、自分が良いと思う色と相手が良いと思う色が違うことはよくあります。理論的に色を理解することで、その差異も理解でき日常のコミュニケーションにも活かされます。
最後に、
色彩検定1級の魅力を教えてください。
色の深い知識を学んだからこそ今の私がいます。WEBデザイナーとしての武器であり、自信にもつながっています。クライアントに会うときも、「色彩検定1級」と肩書きにあるだけで信頼されます。また、色はとても面白い存在です。人によって感じ方が違い、色のイメージも環境や状況で変わります。色の世界を楽しみながら、これからも勉強を続けていきます。
MY WORK
色彩検定は色に関する幅広い知識や技能を問う検定試験ですが、なかでも1級は色彩実務担当者として色彩設計に携わることを目指すレベルの内容を学習します。センスや感覚だけに頼るのではなく、正しい知識と深い理解によって、色に関する課題を解決・アドバイスできるようになります。色に関わる仕事をしているプロフェッショナル向けの検定試験です。
色彩検定について詳しくはこちら
色彩と文化、色彩調和論、測色、色彩とビジネス、ファッションビジネス、景観計画における色彩基準などを学びます。2級と3級の内容に加えた色の知識を理解し、プロフェッショナル向けの技能を備えることができます。
色彩検定1級を取得された3名にお話を伺いましたが、皆さん色を自分の強みとして飛躍されていることがよくわかりました。色を感覚やセンスだけで判断するのではなく、プロフェッショナルとして理論的に語れることで、大きな信頼につながっています。そして、3名ともが「色が好き」だということ。好きこそものの上手なれと言いますが、好きだから興味を持って積極的に学んでいけるのでしょうね。私も色の世界が好きなので、色彩検定1級取得を本気で考えてみます!