色彩の世界は奥深く、知れば知るほど楽しくなるし、その魅力を広めたくなるもの。
色彩検定1級合格者を対象とした「色彩講師養成講座」は、色彩を教える人になるための講座です。
毎年多くの方が受講していますが、その目的はさまざま。
色彩検定試験とは何が違うのか?
受講することでどんなメリットがあるのか?
といった素朴な疑問に、色彩講師養成講座を受講された二人にお答えいただきました。
岸田 彩花さん
大手電機メーカー勤務。色の測定器の海外販社の技術的サポートや販売企画の仕事に携わっており、率先して色彩検定を取得。現在、講師養成講座を受講中。
竹村 春花さん
人材育成に関する法人研修を企画する傍ら、色彩講師・パーソナルスタイリストとして様々な講座・セミナーに登壇。
− どうして色彩講師養成講座を受講されていますか?
私はこの春から受講していますが、受けようと思った理由は2つあります。ひとつめは、今、色を測る測定器のメーカーで働いていますが、色の業界の方々と接する機会があり、入社2年目の私にとって色彩の知識を深めることは役立つことだと思いました。1級の取得で知識は深まったんですが、もっと自分の言葉で色彩について語れるようになりたくて色彩講師養成講座を受講することを決めました。
− 仕事で生かすためなんですね。
それでは、2つ目の理由は?
実は高校生の頃から色に興味があり、大学では色彩・感性工学研究分野という研究室に入るほど色が好きでした。色彩検定の3級、2級、1級と学んでいくうちに、色彩の世界を知ることが本当に楽しくて、この楽しさを人に教えたいと思うようになりました。今の職場で生かせる上に、将来の可能性を広げられるとあって、受ける以外の選択肢はありませんでした。
− 実際に受講してみてどうですか?
これまでは検定合格に向けて学んできましたが、色彩講師養成講座では、テキストの内容をどう伝えるかを深く考える必要があります。これまでとは違う視点での学びなので、同じ色彩理論で新しい発見があり、より深く色彩の世界に入り込んでいます。
− 講座ではどのように学んでいるのでしょう?
各講座の先生によってスタイルは様々ですが、実際の講座では自分で考える機会がとても多いと思います。例えばある講座では、教科書の中からランダムで指定されたその項目についての講義を皆の前で行います。その際、講師として教科書に書いていることだけを伝えるだけではなく、その背景となる根拠を知っていなければ人に伝えるには不十分です。一つ一つに対しての深い知識を得るために自分で考えたり調べたりしながら、さらには各講座の先生にアドバイスをもらうことで講師として足りない部分を改善していきます。
− まだ色彩養成講座の途中ですが、すでに変化していることはありますか?
1級まではインプットすることが主な学びでしたが、色彩講師養成講座ではこれまで覚えてきた知識だけでは足りず、色の奥深さを日々実感しています。また、自分の言葉でアウトプットすることが求められる講義を重ねることで、実際の仕事でも以前より色についての深い話ができるようになりました。
− 修了後はどのような活躍をイメージしていますか?
色彩講師となり、大人から子どもまで色彩の魅力を伝えていきたいです。色彩の知識は日常的に使えるものですし、一生役立つものです。講師として、検定合格のためだけの勉強を教えるのではなく、受講生が色彩の知識を日常に応用でき、より彩りのある生活を過ごすためのサポートもできることが目標です。
また、職場の社内教育の一つとして色の知識を生活に活かす楽しさを教えていきたいです。グローバルに販売ネットワークがあり、海外のメンバーとの交流も多いため、国内だけではなく、海外に対しても、色自体の楽しさや奥深さを伝えていきたいと思います。
− 色彩講師養成講座を受講されるまでの
経緯を教えてください。
私はファッション系の大学に通っていて、学生時代から将来は色彩講師やパーソナルスタイリストとして似合うファッションや色を教える仕事をしたいと考えていました。色彩検定は大学の先生に勧められたことがきっかけで、最初は大学で色彩検定2級を受検しました。独学で毎日2時間勉強していましたが、全然苦痛ではありませんでした。本当に色彩の勉強は楽しくて夢中になっていましたね。将来の夢を叶えるために、1級は社会人になってすぐに受検しましたが、一度目は受からず…。2度目の挑戦でしっかりと1級を取得し、翌年に念願の色彩講師養成講座を受講することになりました。
− 色彩検定の資格を取得することで
どのような変化がありましたか?
大きく2つありまして、まず仕事に生かせること。1級を受検していた当時は営業の仕事をしていましたが、企画書を作るときは色の知識を生かしながら見やすい資料作りを行っていました。商品企画の仕事でも、ポップやチラシを作るときに色は重要でしたし、自分の服装やメイクにも色の知識は役立っています。
もう一つは、やはり箔が付くこと。特に1級を取得している人はまだまだ少なく、メイクやデザインなど色が必須の業界でも重宝されます。色彩講師のライセンスになるとさらに周りからの信頼が厚くなるのを実感しています。
− 色彩講師を取得後は、
どのような活動をされていますか?
現在も会社員として人材育成に関する研修企画の仕事に就いているのと、個人事業主として色彩講師の活動も行っています。意外かもしれませんが、法人向けの研修を企画する仕事でも色彩講師としての知見が大変役立っています。色彩講師養成講座では、授業の作り方、カリキュラムの組み方などを体系的に教えてもらえます。教えるということに関して実践的な学びを得られるので、色彩講師の活動にはもちろんのこと今の研修企画の仕事にも大いに生かされています。
− 色彩講師としての活動も増えているようですね?
色彩講師として様々な活動をさせていただいています。例えば、「見やすいプレゼン資料の作り方講座」や「販売員向け色彩講習」を開催したり、「メンズスーツの着こなしセミナー」、「婚活応援魅力アップセミナー」、「新社会人向けスーツセミナー」に登壇するなど多種多様な企業に招かれる機会が増えています。今後は個人のお客様向けに似合う色やファッションを提案するパーソナルスタイリストとしての活動に力を入れようと考えています。
− どんな方に色彩講師養成講座をおすすめしたいですか?
色を教える講師になりたい方はもちろん、色に関わる業界で教える立場の人にもおすすめです。1級でも十分な知識を得ることができますが、「理解していること」と「人に教えること」は別次元。色彩講師養成講座の中には、講師としての話し方の講座がありますが、人に何かを伝えるために必要なことを学べるので、日常生活にも役立ちます。
− 色彩講師養成講座を受講することで、
他にもメリットはありますか?
色が好きで意識の高い方々との出会いがあり、講師も含めて人脈が広がります。また、色彩講師限定の会員制度があるのですが、会員だけが参加できる無料の勉強会があり、色彩に関する最新の知識を得られる機会が多いのもメリットです。色に関わる仕事をしていく上で必要な知識や人とのつながりが手に入るので、色と生きていくと決めた人ならぜひ受講してほしいです。
色彩講師養成講座とは、色彩講師として必要な幅広い知識と高い指導力を身に付けることを目的とした講座です。講座修了後、最終テストに合格された方は、色彩検定協会認定色彩講師ライセンスを取得できます。取得者の多くが、色を教える講師として幅広く活動されています。
色彩を「教える」にあたり、色彩講師に求められる幅広い知識や指導力を習得できます。
より深い色彩基礎知識の学習、実践的な色彩の幅広い理解を目的としています。
講師は各分野のプロばかり。テキストに書かれている内容について、さらに深い専門的な講義や、細かな指導を受けることができます。
全講座に出席された方は、最終テスト(筆記試験、模擬講義)へ。講座受講中の課題と併せての評価に合格すれば晴れて「色彩検定協会認定 色彩講師ライセンス」を取得できます。ライセンス保持者は協会からの最新情報やセミナーのお知らせをいち早く受け取ることができます。また、学校や企業から要望により認定講師を紹介することもあります。