色に関する幅広い知識や技能を問う色彩検定試験。
これまで多くの方々が受検してきましたが、その目的や活用法は人それぞれ。
今回は、色彩検定に影響を受けた男女3名にインタビュー。
私たちが想像している以上に、色の知識には人生を彩る魅力がありました。
澤田 卓巳さん [27歳]
色彩検定1級・色彩検定UC級取得。
フリーランスのWEBデザイナー・イラストレーターとして活躍中。
高橋 輝真さん [24歳]
色彩検定3級取得。大学で海洋学部を卒業後に理容師をめざして美容専門学校へ。現在2年生。
山口 果南さん [30歳]
色彩検定3級挑戦中。IT関連企業のデジタルマーケティング事業部でWEB広告のプランニングを担当。
澤田さんが色に興味を持ったきっかけを
教えてください。
中学生の頃、親が色占いの本を買ってきたんですが、そこに「一人ひとりに色や性格がある」ということが書いてあり、戦隊モノでヒーローが色分けされているように、人にもそれぞれ色が備わっているんだと興味を持ったのがきっかけでした。それから気づいたら色について調べている自分がいました。特に色彩心理に興味があります。
中学生の頃からすでに色に関心があったんですね。
ちなみに、今の澤田さんは何色ですか?
今の自分には2色ありまして、目標としている色は、ナチュラルな緑。人に植物のように恩恵を与えていけるような自然体の色。もう一つは、潜在的に好きな色で紺色です。今日着ているシャツの白は同率で4番目に好きな色です(笑)。
緑や紺色と聞くと、それとなく人となりが見えてくるような気がしてきますね。
色に深い興味をお持ちの澤田さんが色彩検定を
受けた理由はなんでしょう。
最初は、大学卒業後に漫画家をめざしていたので、色のスキルは強みになると思ったのが理由です。もう一つ理由があり、大学時代に自分に自信がなく、個性もないと悩んでいたのですが、世界共通である色の知識を養うことは、自分にとっての強みになるのではと。仕事だけでなく、食べ物とか服とか、広い範囲で汎用性があると期待して受けることにしました。
澤田さんは3級、2級を受けずにいきなり1級に
挑戦したそうですね。
自分に自信をつけたかったので、一日でも早く1級を取得するために1級から受検しました。そのために3級と2級についても勉強しながらでしたが、元々色彩心理について色々と調べたりするなど予備知識があったので、勉強を苦に感じることはありませんでした。本音を言えば、試験の1ヶ月前から本格的に勉強したので、もう少し早くはじめておけば良かった、というのもあります。
そのあとUC級も
受けられていますね。
イラストレーターとしても仕事を進めていくなかで、色々な方が見る機会が多いイラストは誰が見ても理解できるものでなければならないと思い、ユニバーサルな色の知識も学びました。
色彩検定の学びは、実際のお仕事でどのように
活かされていますか?
色々と役立っていますが、今、SNSで使用するアイコンをイラストで描く仕事がありますが、そこでは色彩心理がとても活かされています。一人一人が持つ色を見出してデザインしたいので、ちゃんと依頼主に会ってヒアリングを行ってから作成しています。その際、色の知識があることで、直感的にイラストを作成するよりも、理論が土台にあることで説得力があるイラストを描けますし、地に足をつけた仕事ができていると思います。色彩は、僕のベースであり、一つの強みになっています。
私も色彩検定2級まで取得していますが、色の世界は知れば知るほど奥深くて面白いですよね。
そうなんです。否が応でも多くの方が視覚というものを使う以上、無意識にも色彩心理の影響を強く受けている世の中だと感じます。ですので色に関係する仕事をしている立場として正しく色を理解し、その知識で世の中を少しでもプラスに変えていけたらと思っています。
今は色彩検定の講師養成講座を受講中
と聞きましたが。
僕はキャリアのことで色々悩んでいた時期があり、色彩心理に救われた人間の一人です。将来的には、講師として色の魅力を伝えると同時に、僕のように悩んでいる人たちに力になれればと考えています。
高橋さんは大学を卒業後に美容専門学校に通われているとお聞きしました。
そうなんです。最初は水族館の飼育員になりたくて海洋関連を学んでいましたが、色々とあって理容師になろうと決意しました。今は専門学校2年生で、そろそろ就職活動をはじめる頃です。
海洋から美容、異色の経歴ですね!そんな高橋さんが色彩検定を受検した理由を教えてください。
学校の専科で、色彩専科というものがあるんですが、そこで希望者は色彩検定3級を目指せると。色に関して強い興味があったわけではありませんが、資格を取得していると就職やその先でも役立つと期待して受けることにしました。
授業の一環で
資格を取得できるのはいいですね!
実は色彩検定を目指した講義は放課後にあり、希望者だけなので学年でも半分にも満たない人数でした。特に僕の在籍している理容科の同じクラスから4人しかおらず、男性は僕だけでした。
美容師・理容師を目指す方にとって色彩の知識や
理論は必要かと思いますが、
美容師を目指す方は、ヘアカラーがあるので色の知識が役立つ機会は多いと思いますが、理容師は基本男性がお客さまで、カットやパーマ、シェービングがメインになるので色彩を専門的に学びたい人は少ないのかもしれません。
それでも高橋さんは3級を受検して見事に
合格しましたね。
1年生の夏に取得しましたが、まだ学生の身なので実戦でどこまで役立つかはわかりません(笑)。ですが、すでに取得してよかったと思っています。
色彩の知識が
役立つ機会がありましたか?
実は、つい先日、理容師国家試験の模擬テストを受けたんですが、そこに色彩関連の問題が出て、スムーズに解けました。本番も筆記は大丈夫だと思います!
今後の目標について
お聞かせください。
一番は国家試験に合格することです。その前に就職先も決まる予定ですが、僕はユニセックスサロンへの就職を希望しています。男性女性関係なく、色々なお客さまに関わり、カットやシェービングだけでなくカラーもできる理容師になりたいです。
その時に色彩の知識が
役立ちそうですね。
もうすでに試験で役立っていますが、きっと就職してから色の知識の大切さにより気付けると思います。今は3級で満足していますが、将来は2級、1級も狙いたいと思っています。
最後に、色彩検定に興味のある方にメッセージを
お願いします。
色彩検定3級では色に関する基礎的な知識を学ぶので、ハードルは高くないと思います。個人的には、理容師、美容師をめざす方は全員とったほうがいいのでおすすめです。
山口さんはこれから色彩検定の取得をめざしていると伺いました。
はい、まだ勉強をはじめたばかりですが。もともと色彩検定の存在は知っていましたが、自分に縁はないのかな、と思っていました。
それでは、
どうして受検すると決めたのでしょうか。
私は今、WEB広告の仕事をしているのですが、広告の費用対効果を上げるための提案書やレポートを直接クライアントに話す機会が多くあります。その時に使う資料は自分で作っているのですが、あまり満足していなくて。
色を学ぶことで、魅力的な提案書を作れるように、 ということですね。
今は色の知識がないため、自分で好きな色を選んでいますし、同じパターンばかりを使い回しています。クライアントのことを考えると、もっと深みのある提案書でないと想いは伝わりにくいのかなと悩んでいました。
同じ会社に色彩検定を取得されている方は
いますか?
実は一人いるんです。尊敬する先輩でして、その方の資料はとても見やすいんです。見る人を飽きさせず、何度も見たくなるような資料なんです。その理由を探ると、色使いだと気づいたんです。その先輩に話を聞いてみると、学生の頃に色彩検定3級を取得しており、これだ!と思いました。
これから取得をめざしての勉強だとは思いますが、
色の知識はどのように活かしたいですか?
資料作りは当然ですが、他にも広告のバナー画像のクリエイティブ作成にも活用できると思います。画像内に「詳しくはこちら」という文言を入れることがよくありますが、ボタンの色が違うだけで効果も変わります。WEBサイト全体の色合いを踏まえながら、最適な色を提案できるようになれると考えています。
色の知識は
仕事に役立ちそうですね。
これからの成長を考えたときに、やはり内容だけでなく見せ方も大事だと考えています。色を学ぶことで、自分自身を次のステージへと導いてくれるのではないかと期待しています。
色彩検定にはどのようなイメージを
お持ちですか?
デザイナーなどクリエイティブな仕事をしている方が多く受けているイメージがあります。自分にセンスがなくても教養が自信につながると思います。
色彩の知識は仕事だけでなくプライベートでも
役立つという話を聞きます。
プライベートでの変化も期待しています。色彩検定3級を持っている先輩は服装もオシャレなんです。派手というわけではないんですが、色の合わせ方が素敵で、小物使いも上手なんです。私は色に自信がないので白と黒、モノトーンに偏ってしまいます。
クライアントにお会いする機会も多いとのことなので、服装も大事ですね。
行き先や気分に合わせて、色使いにこだわっていければと。まだ取得していないのに、色がある世界を想像するだけでワクワクしてきます。これからの人生、もっと楽しくなりそうです。
色に初めて触れる方は、3級を学習するだけで色に対する考え方が大きく変わるはずです。今まで色を扱ってきたけど、理論的・体系的に学び直したいという方にもおすすめです。カラーカードを使った配色演習で色を見分ける力もつきますので、日常生活や趣味に十分生かすことができます。
まずは基礎となる3級から学習をスタートすることをおすすめします。
色彩検定について詳しくはこちら
3級取得で得られる技能
色のはたらき、色の表示、色彩心理、インテリアと色彩、ファッションと色彩、配色の基本的な考え方などを学びます。3級は2級や1級の基礎になりますの、まず3級から学習をスタートすることをおすすめします。
色の世界は華やかなので、個人的には色彩検定というと女性のイメージが強かったんですが、今回、男性の取得者にお話を伺うことで、色彩には性別は関係なく、誰にとっても役立つ、大きな可能性を秘めているのだと気づきました。
仕事もプライベートも含めて、人生に彩りをもたらす素敵な知識だと、改めて確認でき私も嬉しく思います。色彩に少しでも興味のある方は、お試し感覚で3級を受けてみてはいかがでしょう。
色を知ることで、毎日が色鮮やかになる。
その喜びをきっと実感していただけるでしょう!