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パートか派遣社員か。それぞれのメリット・デメリット

パートか派遣社員か。それぞれのメリット・デメリット結婚、出産などの理由で一度は仕事を辞めたものの、再度仕事を始めようとする女性にとって悩ましい問題がある。それは、税法上、夫の扶養範囲内か範囲外かで配偶者控除適用の有無が分かれ、見極めが難しいという点だ。「教えて!goo」にも「パートか派遣社員か」と投稿があり、子供のいる主婦が、夫の扶養範囲内でパート勤務するか、扶養範囲外で派遣社員として働くかで悩んでいた。そこで、既婚女性はどのような観点から自分の働き方を選択し、決定するとよいのか、浅野千晴税理士事務所代表の浅野千春さんに話を聞いてみた。

■扶養範囲内のパートで働くメリット


パートタイム労働とは一般的に、正社員より少ない勤務日数や時間で働く労働形態のことだ。そのメリットはどのようなことだろう。

「女性のライフスタイルの変化に伴う時間的な制約に応じ、無理のない範囲で働けることがパートタイマーの最大の強みです。現在は、パートの年収を103万円以内におさえると『扶養範囲内』とされ、『配偶者控除』という税金面でのメリットを最大限活用して収入を得ることができます。ただし100万円以上では住民税のみ課せられるのが一般的です」(浅野さん)

配偶者控除とは俗に「103万円の壁」と呼ばれ、妻の年収が103万円以下のときに適用される所得控除のこと。妻の年収が103万円以内であれば、夫の収入から納める税金が38万円控除される優遇制度だ。

しかし、来年度(平成30年)から、適用となる妻の年収上限額が引き上げられるそうだ。

「来年度から配偶者控除は、世帯収入(夫+妻の収入)により段階的に設定されることになりました。例えば、夫の年収が年間1,120万円以下で妻の年収が150万円以下なら、これまで通り38万円の控除を受けることができるようになります」(浅野さん)

妻の年収150万円とは、時給1,000円で計算すると、1日6時間☓週5日働いた場合の収入(144万円)を上回るラインだ。例えばこれまで130万以内で働いていた人が、150万円以内まで労働時間を増やしても、配偶者控除の恩恵を変わらず受けられるようになるため、喜ばしく思う人もいるだろう。

■扶養範囲外の派遣社員として働くメリット


では、派遣社員には、どのようなメリットがあり、どのような人に適しているのだろうか。

「派遣社員とは、派遣会社から紹介された派遣先で働く労働者のことです。事前に職種や給与、残業などについての要望を提示し、マッチする派遣先を紹介してもらえるため、自分で仕事を探す手間が省けます。一般的に時給も高く、『以前のキャリアを活かして働きたい』、『興味のある仕事をしてキャリアアップを目指したい』といった人に向いているのではないでしょうか」(浅野さん)

子育てがひと段落し、まとまった時間が確保できる人は、経験や実績を積める派遣社員という選択肢も悪くなさそうだ。ただキャリアを考えフルタイムで働くとすると、年収は150万円を超えてくる可能性が高い。そのため、配偶者控除の適用は難しくなってくる。

「現在は、年収103万円~144万円であれば配偶者特別控除という、別の段階的な控除が受けられますが、130万円を超えると社会保険に加入する必要があり、メリットとデメリットが背中合わせに感じられます。こちらも来年度から法律が変わりますが、一般的に税金面のみを考えると、扶養範囲を超えれば負担が大きくなり、収入が増えても手取り額が減ってしまうケースは有り得ます」(浅野さん)

子供のいる家庭では、「同じく扶養のお子さんが、アルバイトなどで103万円以上稼いでいることがあり、見落としがちのため注意が必要」と浅野さんは指摘してくれた。一般的に6親等内の血族及び3親等内の姻族である子、養子、孫などを「扶養親族」と呼ぶが、16歳以上の扶養親族がアルバイトなどで稼いだ年収が103万円以下であれば、『控除対象扶養親族』と分類され、扶養控除の対象となる。配偶者控除を受けるために妻の収入ばかりに気を配り、子供の収入に関して無関心な親が多く、知らないうちに扶養親族が103万円以上稼いでいて税務署から指摘されることもあるそうなので注意したい。

■結局どっちがいいのか?


パートか派遣社員かは、どのような観点で決断するのがよいのだろうか。

「扶養範囲内の労働とその壁を越える労働では、それぞれ税金面で違いがあることはご理解頂けたと思います。もし働き方に迷ったときは、自分のライフスタイルで何を優先すべきなのか考えた上で、見定める必要があるでしょう」(浅野さん)

目先の収入や税金の優遇ばかりに目を奪われず、既婚女性が自分に合った働き方を選ぶことが重要なのかもしれない。

働く意欲のある既婚女性を惑わせる「配偶者控除」だが、高齢化社会における人出不足を解消すべく、政府も、税法の調整を徐々に行わざるを得ない現状であり、浅野さんも「時代の流れにより税金に関わる法律も変わりつつあります」と締めくくった。

●専門家プロフィール:浅野 千晴
会計事務所、外資系企業に勤務し、英文経理、海外へのレポーティング、財務書類作成などを担当。平成16年、出産を機に埼玉県新座市に浅野千晴税理士事務所を開業。コミュニケーションを大切にしながら、きめ細かい対応を心掛けている。

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