■見直すべき保険のポイントとは?
家族が増える場合、保険のどのようなポイントを見直せばいいのだろうか。
「妊娠・出産時に見直したい保険のポイントは、主に『万が一の保障』、『教育資金』の2つです。まず、1つめの『万が一の保障』については、ご主人に先立たれてしまったり、病気やケガで働けなくなったりした場合に、今加入している保険の保障で、家族が不自由なく生活していけるのかを見直すことです」(石田さん)。
これまでとは家計も変わってくるので、必要な費用を算出したい。だが、2つめの「教育資金」については、どれだけ必要なのか見当もつかない……。
「教育費については、文部科学省が発表した資料(表1)で確認していきましょう。幼稚園から高校までは公立に通い、大学は私立で下宿が必要な場合、教育費の総額は1,473万円になります。これは子供一人あたりになりますので、人数が増えた場合や、幼稚園から高校までが私立となれば、さらに金額が増えます」(石田さん)
(表1)
かなりの金額が必要になってくるため、早めに何らかの準備をしておきたいところだろう。
■今すぐ、保険に加入・見直すべき?その見極め方とは
教育費も考慮した場合、どのタイミングで保険に加入し直すとよいのだろうか。
「保険の加入・見直しを検討する場合、まず、『一生分の支出』と『一生分の収入』を考える必要があります。『一生分の支出』とは、残された家族の生活費、教育費、住宅関連費、葬儀代などをさします。いっぽう、『一生分の収入』とは、遺族年金、勤務先の死亡退職金、配偶者の収入、貯蓄などをさします」(石田さん)
長期スパンの予定になるので厳密に計算するのは難しいが、ある程度の確度を持って実施するべきだろう。
「万が一の生活費と教育費を全て貯蓄で補えるのであれば、保険に加入する必要はありません。ただ、公的な社会保障制度(遺族年金など)があるものの、不自由なく生活していける人は限られているといえます。その場合に備えるものが『保険』になります。入るべき保険を間違わないためにも、『支出が収入を上回った場合のマイナス金額を保険(保証金額)で補う』といった考え方をしっかりと念頭におき、保険に加入すべきかどうかを検討しましょう」(石田さん)
毎月支払う保険料とのバランスも考え、不足分を洗い出す必要がありそうだ。
■ライフプランに応じたシミュレーションが大事
では、具体的に何からはじめればよいのだろう。
「一番にすべきことは、家族のライフプランを立てることです。将来子供は何人欲しいのか、進学は公立か私立か、自家用車は必要か、住宅は分譲か賃貸か……といった内容ですね。ライフプランを思い描けたら、先ほどお伝えした一生分の収入と支出を洗い出し、保険でカバーしたい必要保障額を算出します」(石田さん)
流れはわかった……。とはいえ、これをすべて自分でシミュレーションをして、保険を選ぶのは難しい。
「そのような場合は、お金のプロであるFP(ファイナンシャルプランナー)へ無料相談に行くことをおすすめします。妊娠・出産を機に、保険の見直すべきポイントを加味しながら、複数ある保険サービスからあなたに合った保険を選定・提案してくれますよ」(石田さん)
新たなライフステージに進むときだからこそ、プロの力を活用したい。きちんと将来の見通しを立てたうえで、最適な保険選びをしたいものだ。
●専門家プロフィール:石田 直樹(いしだ なおき)
エイチームフィナジーが運用する「ナビナビ保険」の責任者。AFP資格、TLC(生保協会認定FP)資格所有。ソニー生命、東京海上日動あんしん生命保険、保険代理店等、保険業界を28年間勤務。支社長や管理職を経験、200回以上のセミナーや研修講師の登壇経験あり。その知識を活かし「もっと多くの人に保険の必要性を正しく理解してもらいたい」という思いを胸に、ナビナビ保険の事業立ち上げメンバーとして異業種のIT企業に転職し、現在に至る。