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日本のみならず海外でも高い評価を受ける宝生流の家元、宝生和英さんとは一体どのような人物?

日本のみならず海外でも高い評価を受ける宝生流の家元、宝生和英さんとは一体どのような人物?室町時代より続く能楽の名家・宝生流の宗家を継承した宝生和英さん! そんな家元は生粋のオタク気質であった!?

■ディズニーの“三大プリンセス”?


――最初にお会いした時は、家元はまだ高校生でしたっけ?

中学2年生の頃なので、もう17年前ですね。裕さんが母と電話をしていて、その電話口で代わってもらいお話しさせていただきましたが、その時の感動はいまでも覚えています(笑)。



――それはそれは恐縮です(笑)。いまの家元のイメージとはかけ離れていますが、当時はアニメが好きで、そんなお話しをしましたよね。

はい。嬉しかったです。

―― 一番最初に好きになったアニメは何でしたか?

『リトル・マーメイド』ですね。

――あっ、僕はその作品でタツノオトシゴの役を演じていました!

もちろん存じております(笑)。子どもの頃からディズニーの作品が好きで、特にプリンセスの存在に魅かれていて、『リトル・マーメイド』と『美女と野獣』、『アラジン』が僕の中で“三大プリンセス”と位置付けをしていました。

――三大プリンセス!? 家元、面白い! 小学生の頃から?

はい(笑)。『アラジン』に関してはそれこそ小学生の頃に完璧に耳コピーをして、セリフから歌まで全部言えるくらいでした(笑)。

――凄い! そこまでのめり込んでも一番好きなのが『リトルマー・メイド』ですか?

そうですね。元々海が好きなのと、やっぱりプリンセスの中でもアリエルが一番好きなので。

能楽の世界を本気で継ごうと思ったのは大学生の頃と語る宝生さん


■能楽は“勝者”ではなく“敗者”を演じる世界


――ちなみにゲームは何が好きでしたか?

ゲームが凄い好きになったのは中学生くらいからで、『ポポロクロイス物語』と『アークザラッド』と『幻想水滸伝』の3作品ですね。

――その3作品に共通する好きになったところは?

ストーリーですね。“優しい悪”の部分と言いますか、僕の中ではあまり“ヒーローもの”が好きじゃないので。

――それはまたなぜ?

“ヒーローもの”にありがちな勧善懲悪の世界が僕の中であまり面白くないと申しますか…おそらく捻くれている人間なんでしょうね(苦笑)。

――でも能の世界って、それこそ勧善懲悪が舞台なんじゃ?

じゃないんですよ。一般的な舞台はストーリーをわかりやすくする為勧善懲悪にしますが、能楽は真逆でして正義を“勝者”とするならば悪の“敗者”の方にスポットをあてる世界なんですよ。

――へぇー! 能楽は深いなぁ……。

そのせいか昔から“悪”という敗者の存在に惹きつけられて、小中と演劇部に所属していたので、率先して悪役を演じていました(笑)。

――幼少期から能の舞台に立ちながら、学校では演劇部にも所属していたんですか!?

はい。演劇の部分はディズニーの世界への憧れもあったので。能に関しては舞台に上がれば親からゲームソフトを買ってもらえるから演じていたようなものでした、当時は(苦笑)。

能楽は“勝者”ではなく“敗者”を演じる世界と語る宝生さん


■宝生流を継ぐという選択肢……?


――どんな世界でもご褒美は大事なんだな(笑)。初舞台は何歳ですか?

5歳ですね。僕は発達が遅かったので(苦笑)。

――そっか。歌舞伎なんかも3歳から舞台に上がったりしますもんね。やはり教えは厳しかったですか?

昔はそれこそ殴られたり蹴られたりというのは教えの中で絶対にありましたから。稽古中に手元にある物を投げられる事もしょっちゅうでした(苦笑)。

――うわぁ…稽古の時に厳しかった先輩の野沢那智さんでもそこまではなかったなぁ……。

(笑)

――家元が能楽の世界を継ぐことを意識されたのはいくつくらいですか?

継ぐというのは“そういう選択肢もある”くらいに考えていて、本気で継ごうと思ったのは大学生の頃くらいからですね。

――でも能楽の世界に生まれて、選択肢ってありましたか?

僕の中ではありました。やる気も才能もない人間が能楽の家元を継いでもお互いプラスにはなりませんから。それならやる気があって能楽の世界をしっかりと導いてくれる方がやるべきだという思いがずっとあったので。

――能の世界って、それは認められるんですか?

当時は僕が家元になるまで8年くら家元不在の時期がありまして、そういう状況にならざる得ないのも見てきたので。

――家元不在の時期があったのは知っていましたが、そんなに長かったんですね……。

室町時代より続く能楽の名家・宝生流の宗家を継承した宝生さん

■声優への憧れ


それこそ「火中の栗を拾う」じゃないですが、相当な覚悟がないと継ぐ事ができない世界でしたから。その頃、中学生だった僕は『新機動戦記ガンダムW』を見て、声優への憧れも持っていましたね(笑)。

――声優への憧れが、僕の出演していない『ガンダム』なのが悔しいなぁ!

(笑)。僕の好きな『リトル・マーメイド』のアラーナや『ポポロクロイス物語』のピエトロ・パカプカを演じていた高山みなみさんが主題歌を歌っていたのも『ガンダム』が好きになったきっかけでもあったので。

――みなみさんならこの同じインタビューを受けたてくれましたよ。
※高山みなみさんインタビューはこちら

わっ! それは凄い! なんだか緊張してきました!

――何を今更(苦笑)。

とにかく声優さんはいろいろな表現で「えっ!? このキャラクターもあの声優さんが演じていたの!?」って驚かされるばかりで。高山みなみさんはもちろんですが、裕さんも少年の役からダンディーな役、それこそタツノオトシゴまで演じ分けていますし(笑)。

声優への憧れを語る宝生さん

■『ARIA』で生き方を整える


――人間以外の仕事も結構あるので…(苦笑)。ちなみにいま見ているオススメのアニメはありますか?

少し前になりますが、天野こずえさんの作品の『ARIA』ですね。

――おすすめポイントは?

家元になり、そして大人になって色々と社会で振り回される事もあるんですよ。そんな時『ARIA』の日常から見つける自分の幸せの部分に対して、現状の自分の生き方を整え、日常を見出すために見るのがオススメのポイントですね。

――日常を見出すためか…いい見方するなぁ……。

でもそうなれるのも、声優さんがキャラクターの中に入って同一化する凄みを感じられるからですね。

■能楽と絵画の共通点?


――でも、それって能楽の世界にも通ずるところがあるんじゃないですか?

まさにそうなんですよ。能楽の世界は役を演じるのではなく、神様や霊が主軸なので“憑依される感覚”に近いと思うんですね。だから個人が俳優のように絶対に前にでてはいけない。

――なるほど。役者としての宝生和英という人間が前に出てはいけない世界なんだ。

もっと言えば能楽はお客様の心の中に映される世界なんですね。美術館の絵がしゃべらないのと同じ世界で、能楽もその時のお客様の感情によって、同じ演目でも観るたびに変わっていく。つまり主役が我々演者ではなく、お客様が主役なのが能楽の世界なんです。

――いや~、能楽の世界って本当に面白いなぁ……。

お客様が辛い時や悲しい時に「我々演者を観ろ!」だと、演じている事全てが邪魔になってしまいますから、その都度の心の気持ちで観て感じていただければと。

日本のみならず海外でも高い評価を受ける宝生流の家元、宝生和英さんとは一体どのような人物?

映画はもちろん、アニメやゲームにも精通している宝生流二十世宗家の宝生和英さん!br /> 人生で一番プレイをしたゲームは恋愛シミュレーションの『トゥルー・ラブストーリー』なんですって! 野上ゆかなさんが演じる紺野遊季が自分のタイプにしっくりきて、辛い時期を乗り越えられたそうです! まだ能楽を観劇されていない方も、これだけ素敵な家元が舞う姿を観なきゃ損ですよっ!☆☆☆

●宝生和英プロフィール
宝生和英1986年 室町時代より続く能楽の名門、宝生家に生まれる。2008年 東京藝術大学音楽学部邦楽科を卒業後、同年4月に宗家を継承。趣味は映画、写真、スキューバダイビングなど。伝統的な演出に重きを置く他、異流共演多数出演や復曲、公演演出なども行う。また能楽師としてだけではなくマネジメント・経営業務も行う。2016年東アジア文化交流使に任命され、香港・イタリアをはじめとした、海外文化活動にも力を入れている。

●インタビュアー:水島裕
インタビュアー:水島裕声優、タレント、プロデューサーとしてマルチな活動を展開。日本民間放送連盟賞(ラジオ・CM部門)や日本アニメグランプリ最優秀賞キャラクター賞を受賞。代表作はサモ・ハン・キンポー作品の吹き替え、タイムパトロール隊オタスケマン(星野ヒカル / オタスケマン1号)『六神合体ゴッドマーズ』(マーズ/明神タケル)他多数の主役を務める。TBS系列『ひるおび!』(月~金:10時25分―13時50分)では毎日ナレーションを担当中。

goo POPLETA「goo POPLETA」では宝生和英さんが影響を受けた作品について話を聞いたインタビュー「室町時代より続く能楽の名家・宝生流の宗家を継承した宝生和英さんにとって能楽の世界にも通ずる作品とは?」を掲載してるので、ぜひチェックしてみて!

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