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従業員の「名札」からストーカー被害も!着用を拒否できる?

従業員の「名札」からストーカー被害も!着用を拒否できる?個人情報流出によるトラブルが後を絶たない。個人情報というと、それを管理する企業の不手際や従業員による悪用などを連想するが、最近では思わぬところからトラブルに発展するケースもあるそうだ。弁護士の解説を交えて紹介しよう。

■実名記載の名札着用を拒否することは業務命令違反


「教えて!goo」には、「アルバイト店員の個人情報保護について」という質問が投稿されている。販売店などの従業員が、名札を付けて接客する姿は珍しくない。だが、インターネットやSNSが普及したこの時代、実名だけで住所や普段の行動範囲などが芋づる式に分かってしまう可能性は大いにある。従業員が客からストーカー被害に遭ったり、「接客態度が悪い」など、インターネット上に悪口を書かれるなどの被害もあるそうだ。こうした危険から、身を守る方法がないのか、弁護士法人ベリーベスト法律事務所の海嶋文章弁護士に聞いてみた。

「お勤めの職場で実名記載の名札の着用が求められている場合、ほとんどのケースでは現場で適用されている業務規則などに、名札の着用を義務付ける規定が定められている場合だと考えられます。雇用主と従業員の間には、雇用契約が存在しています。雇用契約が存在する場合、会社は従業員に対し、雇用主としての地位に基づき業務命令を出すことができ、店舗で適用されている業務規則に従って働くことを義務付けることができます。そうなると実名記載の名札着用を拒否することは業務命令違反となってしまうため、拒否することは難しいと考えられます」(海嶋弁護士)

雇用契約の観点でいうと拒否できないようだが、実名記載の名札が原因で従業員に何らかの被害が発生したような場合、別の問題が発生してくるそうだ。

■雇用主には従業員の安全を配慮する義務がある!


海嶋弁護士によると、名札着用を免除してもらうように働きかけることは十分可能だという。どういうことなのだろうか?

「雇用主には雇用契約上、従業員の業務環境の安全を守る義務があるとされており(労働契約法第5条)、業務に起因して従業員に何らかの危害が加えられ、または加えられる危険性がある場合には、適切な対応を行う義務があります。実際に名札を着用したことで実名を知られ、ストーカー被害にあった場合には、雇用主に安全配慮義務があることを前提として、名札着用を免除してもらえるように働きかけを行うことは十分可能といえるでしょう」(海嶋弁護士)

「危害が加えられた」か、「危険が及んでいる」段階ならば話が通りやすそうだ。実際には何か起きてからでは遅いのだが、まだ何も起こっていない段階で名札の着用を拒否することは難しいかもしれない。また、いくら雇用主に安全配慮義務があるとはいえ、やみくもにそのことを主張するだけでは、職場での立場も悪くなる可能性も。どうしても交渉を行いたい場合はしっかりと判断材料を揃え、冷静かつ論理的な思考で臨もう!


●専門家プロフィール:海嶋文章
弁護士。法科大学院卒業後、弁護士法人ベリーベスト法律事務所に入所。「千里の道も一歩から」を職務信条とし、依頼者の心情を考慮し、ニーズに合った最良のリーガルサービスの提供に努める。趣味は野球観戦、卓球。

(酒井理恵)

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