■ 増加する「家族婚」
一時期は、結婚式を挙げるカップルがグンと減ったと聞く。まずは現状のウェディング事情を聞いた。
「2020年当初に緊急事態宣言が出ていた時期に比べると、結婚式の実施率は増加傾向にあります。緊急事態宣言下でも『結婚式を挙げたい』というカップルはいらっしゃいましたが、フォトウェディングや挙式のみというスタイルを実施される方が多く見受けられました。最近はなかなか今後の見通しがつかないものの、少し感染が落ち着いたタイミングにあります。式場の感染対策も確立されてきているので、従来の結婚式を行う方も増えております」(PLACOLE & DRESSY)
結婚式を実施しない選択をしていたカップルも、家族や親戚が結婚式を望み、後押しされるケースが多いという調査結果も出ているとか。
「コロナ禍では『家族婚』というスタイルが増えています。家族婚の場合、ゲストが少ないためリスクが下がり、準備も負担にならずにかえってよかったという声を聞きます。従来は、結婚式当日にたくさんのゲストを呼ぶため、家族や親戚の方との時間が取れないケースも多かったです」(PLACOLE & DRESSY)
家族だけで過ごすことで、親御様にもしっかりおもてなしや感謝の気持ちを伝えられるメリットもあるとのこと。
■コロナ禍で生まれたニュースタイル
コロナ禍を経て、現在の結婚式はどのように変化したのだろうか。
「やはりフォトウェディングをされる方は非常に多いです。費用も抑えられるので、ドレスや和装など何着か衣装チェンジする方もいます。また一生残る写真のため、しっかりとした撮影指示書を作成し、こだわりを見せる方も見受けられます。国内での新婚旅行を兼ねて、フォトウェディングをされるケースもあります。参加する側は祝電のかわりにビデオレターを新郎新婦に送り、お祝いすることもあるようです」(PLACOLE & DRESSY)
最近ではリゾートウェディングの需要も復活しているという。新婚旅行を兼ねた国内リゾート地も人気だが、ワクチン接種がきっかけとなり、ハワイやグアムで行うカップルも増加傾向にあるという。
「長く続いている状況のため、徹底した感染症対策を行っている結婚式場は増えています。そういった対策についてプランナーと相談することも可能です。例えば、ゲストの顔が見たいので透明マスクを用意したり、コロナ対策で余興を無しにしたり、ゲストとたくさん写真を撮ることにこだわったり……」(PLACOLE & DRESSY)
普段の生活では、紙や布のマスクをすることが多い。表情が見える透明マスクを用意してもらえるのはありがたい。
「家族婚をはじめとした少人数挙式で、気をはらずにゆったり楽しめるセレモニーもおすすめです。また、結婚式をライブ配信することもできます。オンライン上でゲスト招待し、中継されるというセレモニースタイルはコロナ禍ならではのスタイルです。そのスタイルなら、海外や遠方にお住まいのゲストも参加し、お世話になったみなさまに感謝のお気持ちを伝えることができます」(PLACOLE & DRESSY)
さらに、両家の家族同士が仲良くなる機会ということで、話題を盛り上げるきっかけとなる「プロフィールブック」の需要も増えているそう。ウェディング業界にとって苦境だったコロナ禍だが、新たな取り組みが生まれた。今なお進化している業界だけに、結婚を考えている人は、プランナーやウェディング会社から情報収集してみるのもよいだろう。
●専門家プロフィール:PLACOLE & DRESSY
「自由な結婚式を作る人を増やす」を理念に、結婚にまつわる情報を発信。簡単な質問に答えて結婚式プランを提案する「ウェディング診断」というサービスも運営している。
画像提供:ピクスタ