■応急処置では、汚れのもとを取り除く
慌てて汚れを拭こうとしても、かえって汚れが広がってしまうことにもなりかねない。最初にすべき行動はなんだろうか。
「まずは、乾いた布などで、汚れのもととなる卵黄と卵白を取り除きます。その際、擦らないよう、中心に集めるようにして取り除いて下さい」(梅村さん)
ねばついた汚れは広げず、丁寧に中央に寄せるようにして取り除いていく。これが早道だという。
■卵に塩をまぶして固めて除去する
他にもっと早道はないだろうか。フローリングやナイロン加工されている床なら、卵の性質を利用することで、簡単に掃除をする方法があるというのでさらに聞いた。
「塩を使うことで、簡単にお掃除することができますよ。塩には卵のたんぱく質と水を分離させる性質があります。『卵を落とした!』となったら、卵の表面に塩をふりかけてください。こうすることで粘り気がなくなり、固まってくれます。だいたい10分ぐらいで固まってきますよ。固まってしまえば、ホウキで履くだけで簡単に除去することができます。仕上げに拭き掃除をすれば、卵の臭いも残らないでしょう」(くらしのマーケットマガジン)
塩をかけるだけとは驚きだ。なんだか、理科の実験のようである。ちなみに、塩がたんぱく質を固める性質は、卵を茹でる場合にも応用できる。塩を入れて茹でることで、卵の中身が外に流れるのを防止するのだ。
動画で手順を確認するにはコチラ
ニコニコ動画で見る→bit.ly/1MCJP7u
■カーペットについてしまった汚れの対処法
キッチンの大半は、フローリングやナイロンなどの床だろう。しかしカーペットに落としてしまった場合はどうすればよいのだろう。
「カーペットに残った汚れは、乾いた布のキレイな面を使って優しく叩きます。こまめに面を変えて、繰り返し叩き、汚れを布に移してください。次に、カーペット用や衣類用の中性洗剤を希釈倍率に薄めます。洗剤溶液を雑巾に含ませ、固く絞ります。力を入れないようにし、パイルの奥まで繰り返し叩き、汚れを雑巾に移します」(梅村さん)
水に浸し固く絞った雑巾で、汚れや洗剤分を拭き取るのがコツらしい。あせらず、 優しく汚れを雑巾に移していくつもりで作業を進めよう。
あらかた汚れを拭き取ったら、最後の仕上げが待っている。ここでも雑巾が活躍するようだ。
「カーペットの場合は最後に、乾いた雑巾で水分を取り、ブラッシングでパイルをふわりと仕上げます。 汚れを取る時は、擦ったり、水をかけないようにしましょう。汚れを広げてしまうことがあります」(梅村さん)
カーペット用のブラシというものが存在する。一時的なものであれば、100円ショップで探すとよいかもしれない。
また、しっかりと汚れを雑巾に移し取るまでは、水を使わないほうがよいとのこと。水流により汚れが広がっては逆効果だ。
さらに洗剤を使って汚れを取る場合の注意点も聞いておいた。
「カーペットに洗剤を使う場合は全体的に大きく掃除をはじめるのではなく、まずは端の方で色落ちがしないか確認してください。 絹のものなど、高価なカーペットについては、クリーニング専門業者に依頼されることをおすすめします」(梅村さん)
生卵の汚れを取ろうとして、カーペットを痛めてしまっては元も子もない。洗剤を使うのなら、事前にテストをしておいたほうがよさそうだ。カーペットの材質によっては、専門家の力を借りるのもよいだろう。
覆水盆に返らずというが、落としてしまった卵の汚れは、できるだけスムースに落としたいもの。もし卵を床に落としてしまったら、汚れの除去にはある程度の時間がかかることを覚悟し、落ち着いて対処したい。汚れを広げず、丹念に雑巾に吸わせる。これを頭に入れておけば、最悪の事態は免れることができるだろう。
ちなみに「卵に関するうっかりやってしまったエピソードを教えて!」ということで、「教えて!goo」では皆さんの回答を募集している。あの時は困ったというエピソードをお持ちの方はぜひ回答してみて。
●専門家プロフィール:梅村理恵子
(株)ダスキン クリーン・ケア営業本部営業推進部 広告・広報室所属。
●専門家プロフィール:くらしのマーケットマガジン
ハウスクリーニングや不用品回収などの出張・訪問サービスのインターネット商店街「くらしのマーケット」が運営する、くらしにまつわる様々な「こまった」を解決するお役立ちマガジン。