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眠い、だるい……疲れの原因は肝臓から。理由を医師が解説

眠い、だるい……疲れの原因は肝臓から。理由を医師が解説もうすぐ忘年会シーズン。お酒の飲み過ぎは肝臓に負担がかかることは周知の事実だが、「肝臓の疲れ」は全身の疲労に大きな影響を及ぼすことをご存じだろうか? 肝臓が疲れるメカニズム、肝臓の疲れからかかる可能性のある病気、肝臓のために普段から口にすると良い食べ物について、医師に聞いてみた。

■肝臓が疲れるのはなぜ?


お話を伺ったのは、近畿大学消化器内科学教室准教授の西田直生志先生。肝臓には非常に多くの働きがあるため、肝臓の機能が低下すると、複合的な原因により疲労感を自覚する原因になるのだという。

「肝臓には、タンパク質や糖質、脂質などを分解し、有害な物質を排泄したり、あるいは吸収された栄養素を体の活動に必要な物質に作り替えたりする働きがあります。従って、肝臓の働きが落ちると、体の構成や活動に必要なタンパク質や脂質を作り出せず、さらに有害な物質が蓄積し易くなるため、疲労感の原因となります」(西田先生)

さらに、肝臓には、糖を貯蔵し、必要に応じて血中に放出して低血糖を防止する働きがある。肝機能が低下すると、体の活動に必要な糖の供給不足を起こしやすくなるという。

「肝臓は、体の維持に必要な代謝の中心的働きをする場所ですが、その機能の維持のためには、多くのエネルギーを必要とします。このエネルギーは、主に肝細胞のミトコンドリアという場所で、糖質、脂質などを分解して作られます。ミトコンドリアの機能は肝機能の低下とともに障害されるため、効率のよいエネルギー産生ができなくなる場合があります」(西田先生)

さらに、肝臓の機能が低下するような状態では、炎症や発熱の原因となる物質の分泌が増えたり、分解が低下し、微熱がでることも。疲労感だけならまだしも、悪化すると重大な病気を引き起こすこともある。一体、どんな病気なのか?

■肝硬変、肝臓がんになる可能性も!「沈黙の臓器」の恐怖


「例えば、飲酒を続けると肝臓が疲れた状態が持続し、肝臓の働きが低下します。この状態は、アルコール性肝障害と呼ばれます。その他にも、肝障害の原因に応じて、ウイルス性肝炎、脂肪肝、自己免疫性肝炎、薬物性肝障害、ヘモクロマトーシス等と診断されます」(西田先生)

自己免疫性肝炎は、自身の免疫反応が深く関与して発症する慢性的な肝炎、ヘモクロマトーシスは、先天的または後天的な原因によって、体内貯蔵鉄が異常に増加し、肝臓ほかの諸臓器の実質細胞に過剰に沈着し、その結果それぞれの臓器の実質細胞障害をもたらす病気のことである(goo ヘルスケアより)。

慢性化し、さらに進行すると、肝硬変や肝臓がんなどの病気に移行する場合があるという。

「肝臓は沈黙の臓器と呼ばれており、肝臓病の初期には、特有の症状が出にくいため、気がつきにくいものです。しかし、進行すると、むくみや皮膚の痒み、発熱、意識障害など、肝硬変の合併症が出てきます。さらに他の臓器に障害が起こることがあるので注意しましょう」(西田先生)

少しでも異変を感じたら、進行する前に病院へ行こう。

■肝臓によい食べ物って?


最後に、肝臓を元気にする食材について聞いてみた。

「肝臓での栄養素の分解や作り替えには、ビタミン類、特にビタミンB群やミネラルが必要であり、肝臓の機能のサポートに大変重要な働きをします。しかし、これらは体内では作れないため、食べ物により補う必要があります」(西田先生)

ビタミンB1、B2、ナイアシン等が必要で、豚肉や大豆製品、ナッツ類、牛乳、うなぎ、かつお、まぐろ等に多く含まれるという。

「また、抗酸化物質を多く含む食べものも肝臓を元気にします。例えば、ビタミンCやカロチンが豊富な緑黄色野菜、クエン酸やタンニンが含まれる柿などの果物、日本茶やコーヒーにも抗酸化物質が含まれています。しじみや牡蠣にはタウリンという栄養素が豊富に含まれており、肝臓で作られる胆汁の分泌を助けたり、脂肪肝を改善したりといった肝臓に良い作用があります」(西田先生)

これらの食べ物を定期的に摂ることは大切だが、大量に食べると逆に体の負担になってしまうとのこと。

「例えば、コーヒーにはカフェインが含まれていますし、しじみには鉄分が含まれているため、過剰な摂取は控えた方がよいでしょう。肝臓を元気にするためには、良質のタンパク質、脂質、糖質を含む食品をバランスよく食べることが重要です。どれかに偏ると必要な栄養素が不足し、肝臓に負担をかけることになりかねません」(西田先生)

栄養素が偏りがちなインスタント食品の摂り過ぎや、過量の飲酒には十分注意しよう。

なお、「教えて!goo」では「疲れたなぁ…と思った時にあなたがやっていることは?」ということで皆さんの回答を募集中だ。

●専門家プロフィール:西田 直生志
大阪府生まれ。大阪医大卒。肝臓内科医。京都大学大学院医学研究科修了。京都大学第2内科助手、米国ベイラー大学メディカルセンター博士研究員、京都大学医学部付属病院・消化器内科助手・講師を経て2011年より近畿大学医学部消化器内科准教授。肝炎・肝がんの診療に従事し、また肝がんの基礎研究を通じて、新規の診断・治療法の開発に取り組んでいる。

(酒井理恵)

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