この人頭いいなと思ったエピソード

高分子化学の分野の質問です。
ラジカル重合において、分子量の高い重合体を得るためにはどのような条件が必要でしょうか?
もしお分かりになる方がいらっしゃいましたら教えていただきたいです。お願いします。

A 回答 (2件)

ラジカル重合では、生長反応速度はラジカルとモノマーが反応するのですから、モノマー濃度とラジカル濃度の積に比例します。

停止反応はラジカル同士が反応する2分子停止を考えると、ラジカル濃度の2乗に比例します。
分子量を高くしたい場合は、生長速度を速くして、停止速度を遅くしなければなりません。生長反応が100回起こる間に1回の停止反応が起こってしまうよりも1回の停止反応が起こるまでに生長反応が1000回起こる方が、高分子量のポリマーが生じるはずです。
ラジカル濃度を高くすると、停止反応には2乗で効いてしまうので、生長反応も速くなりますが、停止反応の方がより速くなり、分子量は低下します。
よって、高分子量にするためにはモノマー濃度を高くして、ラジカル濃度が低い状態で重合することです。
また、ラジカル重合では、溶媒、モノマー、ポリマーへの連鎖移動反応も生じます。
連鎖移動が起こると、そこで生長が止まってしまうので、分子量は低下します。
意識的に連鎖移動剤は使っていないときには、連鎖移動反応は、生長反応や停止反応に比べ、活性化エネルギーが高いので、低い温度で重合を行うほど、生長反応が優先し、分子量は高くなります。
一方、停止反応は、一般的にポリマーラジカル同士の反応だとすると、系の粘度を高くしてやれば、運動性が低下し衝突頻度が低下します。
モノマーは一般に低分子なので、ポリマーラジカルほど運動性の低下が起こりません。
このような場合、生長反応に比べ、停止反応が阻害されるので、分子量は高くなります。これをゲル効果といいます。
また、反応形態をエマルション重合にすれば、簡単に高分子量物を得ることができます。
エマルション重合は、水層でラジカルを発生させモノマーミセルの中にラジカルが飛び込んだときに重合が開始します。次のラジカルが水層から飛び込んでこない限り、停止反応は起こりません。
界面活性剤などの不純物が混入する。生じるポリマーが球状などの制約はありますが、高分子量物を得るのには最も簡単な方法です。
リビングラジカル重合というだけで、必ずしも高分子量物が得られるとは限りません。むしろ比較的分子量の低いものを作るのに適していると思います。分子量分布の制御にはよいと思います。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。
詳しく書いてあり大変わかりやすかったです。

お礼日時:2009/07/26 23:38

ラジカル重合は「連鎖反応」で進みます。


分子量が高くなる為には反応回数を増やしてやる必要があります。
そのため「連鎖停止」反応を抑制したり「リビング重合」を用いる方法が考えられます。
前者は、原料濃度を下げる、開始剤の濃度を下げるなどの方法があります。
後者の方は検索してみて下さい。
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この回答へのお礼

分かりやすい回答ありがとうございます。
調べてみます。

お礼日時:2009/07/26 12:41

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