A 回答 (5件)
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No.5
- 回答日時:
> 書籍等、もし宜しければご教授いただけると幸いです。
そういう用途を特化した専門書籍は、日本では、残念ながら…。
http://www.amazon.co.jp/%E3%82%B7%E3%83%9F%E3%83 …
これはフィルタ理論の本です。分かりやすい方だとは思いますがフーリエ/ラプラスくらいはマスターしている事を前提としていますので、当然数式だらけ。分からなければまずは数学からという事になると思います。
でも私自身、ネットワークを作るときに計算なんてほとんどしていないんですよ。
・ソフトで各ドライバーをバッフル実装状態で計測
(場合によってはバッフルシミュレータと併用)
・ネットワークの基本回路図を組む(回路図はどこぞからパクる)
・ソフトで「ネットワークの最適化」を実行
これだけなんです。
実際はこれで終わりではなく、作業を何ターンか繰り返すことが多いんですが、基本は上記の3アクションだけ。高次フィルタの最適化と聞けばえらく難しそうですが、慣れてしまえばとても簡単です。
で、測れなければ何も始まらない、というのは上記からもわかりますね。
数式やフィルタ理論と格闘するか。それとも比較的分かりやすい英語と格闘するか。もう答えは見えていますね。せっかく代りに計算してくれるコンピュータがあるのですから酷使してやりましょう。
書籍…というと、AESからペーパーでも取り寄せて読んでみる、か?
http://www.aes.org/e-lib/browse.cfm?elib=11809
それだけではあんまりなので、検索してみると…。
http://www.sonicdesign.se/calsinfo.html
http://www.libinst.com/LspCAD.htm
Network Optimizerは上記CALSODのほか、LspCAD, SpeakerWorkshop, SoundEasyなどの著名ソフトに載っています。
最終的にはフィルタ理論の基礎もマスターすべきではありますが、それは出来てしまったものを「いじる」時にどこをどういじるのか、知らなければ見当が付かないから。という程度です。
色々あるんですがひとつだけトピックを。高次ネットワークを組まれるようになったら、インダクタのDCRは全く無視できない要素になりますから、回路要素に加えるようにしてください。
No.4
- 回答日時:
私の記述は、インピーダンス補正というものに対し全面否定的に読めてしまったかも知れません。
しかし、コストや手軽さの都合からどうしても1次フィルターにしたい。なおかつ、測定環境は無いけれどできるだけ妥当で計算どおりのクロスオーバーとしたい。…そうした場合はもちろん有用です。
そういう時は、まずウーファーの高域インピーダンス補正は計算値で構わないから、やっておく。
トゥイーターの低域はどうするか?前述のようにコストが掛かるし難しいものですから少し悩みますね。
トゥイーターの場合は比較的定数の低い(たとえば8~16ohm)抵抗をトゥイーターに並列にしておきます。インピーダンスのFs上昇を抑える効果があります。(もちろんネットワーク定数の計算はやり直し)
トゥイーター自体のQに変化はないものの、ネットワークの遮断特性が計算通りに動きはじめますので、こんなものでも無いよりはうまく行きます。
クロスオーバーと低域共振周波数が十分に離れている場合であっても、1次フィルターでは十分にFs周辺の振幅変位を抑える効果がありません。しかし抵抗をパラレルにすることで、Fs周辺の振幅変位の増大による歪みや音の汚らしさをある程度は防ぐ効果があります。
> 効果がとても曖昧な感じに聞き及んでいたため、少し敬遠しておりましたが、
そう、そちらはハッキリと適切/不適切というようなものではなく、「試してみるとおもしろい」オプションコースでしょう。効果が分かるかもしれないし、さっぱり分からないかも知れない。そういう微妙な物ですね。
ちょっとオカシイですが、何故か安心してしまいました^^;
補正フィルター単体でも有用であるケースもあるんですね。
試しに、今の一次クロスオーバーに手持ちの抵抗を追加してみたのですが、
スッキリした音の印象を受けました。
抵抗だけでもこれだけ効くんんですね・・・。
エネコム、ある程度完成されたシステムに追加するのは面白いかとは
思うのですが、まだしっかりしたシステムが出来上がっていない以上は
待とうと思っています。
それよりもお金をかけるべき所が沢山ありますので・・・^^;
話は戻ってしまいますが、二次以降の高次フィルターで、ネットワーク
定数を最適化する為の勉強をしようと思っています。
webではなかなかヒットしないので、何か参考になる書籍でもあればと
思います。
書籍等、もし宜しければご教授いただけると幸いです。
No.3
- 回答日時:
> ”Leインピーダンス補正は、別にトゥイーターに使っても
> 良いよ。この場合はウーファーやミッドレンジのときと違
> い、ネットワークの適切な動作を扶助するような効果は無
> いんだけれど、トゥイーターの音のハーシュネス(粗さ)
> を抑えるような効果があるよ。”
> 彼は、その理由までは書いてくれていませんが、興味深い
> 話ですよね。
これを見てピンと来ない場合のため、補足しておきましょうか。
”エナコム”という製品があったことを御存知ですか?中には単なるZobel Networkが入ったものでした。
それから、ハイエンドケーブルの一部には、それと同じようなZobelを内蔵したものがあることを、御存知でしょうか。
これは、そうしたものと狙うところは同じです。だから、ネットワークとしては無意味でも”全然無意味”とは言いきれないですね。
アンプの事を良く知っていると、意味性が見えてきます。
エナコム、存じています。
効果がとても曖昧な感じに聞き及んでいたため、少し敬遠しておりましたが、
中身は高域補正回路だったのですね・・・、驚きました。
ケーブルにまで仕込まれている事があり、Dickason氏の言葉があり、
エナコムがあり・・・。
難しくも面白い、興味深いところですね。
No.2
- 回答日時:
ほとんどは1さんが的確に回答してくださっていますので、私はもう少しコアな視点から書いておきます。
> クロスの位置や数字などは耳で分かり始めてきたので、次のステップ
> として、インピーダンス補正に挑戦しようと思ってます。
それは大変危険ですね。自分では素晴らしい聴感チューンをできているつもりでも、測ると大概は振幅/群遅延ともに周波数特性がガタガタになっているのが常ですから、次のステップはまず計測環境を揃えましょう。
> そこで質問なのですが、最低共振周波数でのインピ補正が省略される
> ケースが多い・・・、というより見た事もないのですが、省略される
> のは何故なのでしょうか。
低域用のウーファーを補正するのと、ミッドレンジやトゥイーターのそれとは全く意味合いが異なります。
【ウーファーのFsインピーダンスを補償する場合】
効能として良く観かけるのが、
「リアクタンス負荷が低減されるのでアンプの負担が軽くなり、素直な音になる」
「逆起電力の逆流が防げるのでアンプが本来の音で鳴る」
「速度共振制動と同じ効果がある」。
もしもこういう事が書いてあったら、すべて「トンデモ」だと考えてくださって結構です。電気回路に精通されている方でも時折こういう妙な事を書かれることがあって、個人的に不思議に思っていますが。
以下に2URL、参考に紹介しておきましょう。
http://www.geocities.com/f4ier/driver.htm
http://www.silcom.com/~aludwig/Sysdes/Crossove_D …
【ミッドやトゥイーターのFsインピーダンスを補償する場合】
これはウーファーのLeを補正するのと効果は全く同様です。ネットワークの遮断スロープを計算通りに適切に働かせるため。Dickasonによると、トゥイーターのFsとクロスオーバーが2oct.以内に近付いている場合には絶大な効果がある。しかしこれは1次ネットワークの場合の話ですね。
ウーファーのLe補正にしろトゥイーターのFs補正にしろ、1次では確かに問題になるので補正した方が良い場合もあるでしょう。
しかしです。インピーダンス補正回路を入れればAcoustic Slopeは2nd.、場合によっては3rd.に漸近するような場合もあるのに、それでも1次クロスオーバーにこだわる理由は、ほとんど”無い”と断言しても良いことになります。そうなると、ネットワークは2次、3次と高次フィルターにする構想になりますね。
もちろん高次フィルターにおいてもインピーダンス補正は有効です。でも、現実にはLeインピーダンス上昇/f特のあばれ/Fsによる音圧低下/高域共振...これら全てを畳み込んで、ネットワーク定数を最適化するのが現代ネットワーク設計の主流です。
そんななか、やたらと素子数を増やして金が掛かるだけで、効果がしれているばかりか最適化とは関係のないインピーダンス補正は無用の長物と言っても良いでしょう。
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それから、トゥイーターはウーファーほどではないにしろ、鳴らしていれば温度上昇によりFs, Qが変動し、仮にFsインピーダンス補正を構成したとしても峻度の高いFsが変動することへフィッティングが難しくなります。周波数がズレちゃうんですね。
#Leもヴォイスコイルを貫通するポールピースの状態
が変わるので変動しますよ。でもそちらは穏やかな
変動なので、Le補償はさほど難しさがありません。
またFsが200Hz以下ではインダクタも巨大で高価なものが必要になります。
以上のような難しさも、Fsインピーダンス補正があまり行われない事の理由に挙げられます。
> それから、高域インピ補正についても、ウーハーでは良くやられる
> ようですが、ツィーターでは補正すべきではないのでしょうか。
ネットワーク動作としての高域補償は全く意味が無いと言っても良いはずです。比較的、Leが大きい、つまり低いクロスオーバーで使えるコーントゥイーターのようなものでは、効果があるかも知れませんが。だいたいLe補償が必要なほど大きなLeを持つトゥイーターを使用するという構想自体に誤りがあります。
トゥイーターは高域を再生できねばなりませんので、ヴォイスコイルのターン数がウーファーなどに比べると極めて少なく、したがってLeが低く、補正の必要が無いのです。
でも… Dickasonはこれについても面白い事を書いていますので、ご紹介しておきましょう。
”Leインピーダンス補正は、別にトゥイーターに使っても良いよ。この場合はウーファーやミッドレンジのときと違い、ネットワークの適切な動作を扶助するような効果は無いんだけれど、トゥイーターの音のハーシュネス(粗さ)を抑えるような効果があるよ。”
彼は、その理由までは書いてくれていませんが、興味深い話ですよね。
インピーダンスの補正、仰られるとおり周波数だけで変動するもの
ではありませんよね・・・。
温度等の環境条件によっても電気的な抵抗成分は変わるものですから。
高域・低域のインピーダンス補正の必要・不用性がよく分かりました。
不要な素子を詰め込んで音を濁してしまうよりは、色々な条件を
畳み込んだネットワークで最適化してやるにも、まずは計測環境を
作ること!ですね。
計測環境作り、ネットワークの最適化の方法、これから勉強して
いきます。
ありがとうございました。
No.1
- 回答日時:
> 最低共振周波数でのインピ補正が省略されるケースが多い・・・、というより見た事もないのですが、省略されるのは何故なのでしょうか。
通常のパワーアンプはSP(スピーカ)を定電圧駆動しています。したがって、
「fo(最低共振周波数)でのインピーダンス上昇に対する補正=適当な素子を並列に挿入してインピーダンスを下げる」
ことを行っても、SP自体に掛かる駆動電圧は全く変化しないのです。
つまり、補正を行っても無意味なので、通常は行われません。
> それから、高域インピ補正についても、ウーハーでは良くやられる
ようですが、ツィーターでは補正すべきではないのでしょうか。
クロスオーバー周波数付近では、ウーハー・ツイーターとも規定のインピーダンスどうりの値でないと、クロスオーバー周波数がズレたり、合成音圧レベルにうねりが生じたりします。
したがって、「ウーハーの高域」や「ツイーターの低域」でインピーダンスのズレ(上昇または下降)が生じた場合はインピーダンス補正が必要になります。
しかし通常は、クロスオーバー周波数はツイーターのfoよりもずっと高い周波数に設定するので、「ツイーターの低域」でのインピーダンスは規定値どうりとなっており、補正不要です。
また、「ウーハーの低域」「ツイーターの高域」は、最初に書いたとおり、補正をしようがしまいが無意味なので、補正不要です。
結果的に、インピーダンス補正が必要なのは「ウーハーの高域」のみということになります。
ところで余談ですが、
> 自作のパッシブを作り始めてから一年が経ちました。
の「パッシブ」って何のことでしょうか?
「パッシブプリ」「パッシブラジエーター付きSP」「パッシブチャンネルデバイダー」等、色々あるので、パッシブだけでは第三者には意味が伝わらないと思うのですが・・・
とても参考になる、分かりやすいご回答をありがとうございました。
ウーハー・ツィーターの低域、ツィーターの高域インピーダンス補正
が必要ないのはそういう事だったのですね。
本当勉強になりましたm(_ _)m
>「パッシブ」って何のことでしょうか?
すいません、パッシブの後が脱字していました。
パッシブチャンネルでバイダーのつもりで書いておりました。
ご指摘ありがとうございます。
以後気をつけます。
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