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昔小学生の頃に見た映画ですが、大きなエスカレーターみたいなところを、
軍服を着た男性が上がったり下りたりするシーンが出てくる映画が妙に記憶
に残っていましたが、つい最近「天国への階段」(A Matter of Life and
Death)という作品だと知りました。

ここで皆さんに伺いたいのは
(1)この作品の主要なテーマは何でしょう。
単なる臨死体験というよりは、形而上および形而下のエピソードを絡ませ
て、人間の意識について、観客に問い掛けているのかなと思いました。

(2)原作はあるのでしょうか?
日本語で出版されていればぜひ読んでみたいです。

なお、余談ですが
チェスが好きなフランス人(?)の天使がなかなかチャーミングだと思いま
した。

A 回答 (1件)

 おっしゃる作品が同じ作品なのか、それとも後に再度制作された同名の作品なのかは分りませんが、わたくしの記憶にある「天国への階段」は昭和20年代、つまり終戦からさほど経っていない頃に封切られたという作品です。

もちろん封切られたその時代に見たわけではなく、観たのはずっと後年になってからのこと、しかも、それでもまだ子供と言っていい頃のことでした。

 20年代には終戦を経ていわゆる「総天然色」の映画がそれこそどっと輸入されたといわれ、「石の花」だとか「小鹿物語」などといった名画ともに、この「天国への階段」もそのひとつであったのでしょう。
 カラーであるがゆえに、「この世」がカラーで「あの世」がセピアがかったブルーというモノクローム、その使い分けには、映画ならではの表現として子供ながらにとても強い感銘を覚えたものでした。

 (1)この作品の主要なテーマは何でしょう・・・・。

 正直なところ分りません。今の歳であらためて観たらまたそれなりのテーマも見出せるのでしょうが。ただ、「単なる臨死体験というよりは、形而上および形而下のエピソードを絡ませて、人間の意識について、観客に問い掛けているのかな」とは、この歳になってさえも思いつきませんでした。

 それよりは、SF的な魅力に単純に魅せられてしまっていたようで、ことに時間や空間といったものに興味を抱いたのはこの映画がそのきっかけではないかと思えます。「あの世」からの使者が現れると卓球をしている二人の人物の動きもピンポン玉の飛翔もその場で停止してしまい、時間が止まっていることが分る.....といった具合で。
 天にまで届くエスカレーター、その両側に立ち並ぶ過去の偉人たちの像、生か死かの裁定が行われる法廷に変わっていくアンドロメダ大星雲、この世のものではないような静かで不思議な音楽、それらの、それまでに見たこともないような幻想的な光景に魅せられてしまったものでした。

 ストーリーは次のようなものだったと記憶しています。爆撃機が被弾し火災を起こして墜落、パイロットは脱出しますが全身にひどい火傷を負ってしまいます。病院に収容されたものの生死の間をさまようこのパイロット、ともすれば「あの世」の使者が現れます。最初のうちパイロットは使者を疑いますが、使者は、バラの花を握りつぶすなどといったマジック染みたことながら現世では不可能ないろいろなことをして見せて自分が「あの世」の使者であることを納得させようとします。この使者が現れる時は時間が止まっていますから、彼のフィアンセや彼と親しくなった主治医の医師をはじめ「この世」の人たちには、このパイロットと「あの世」の使者とのやり取りは分りません。

 やがてパイロットは使者に導かれて天国へのエスカレーターに乗ります。「あの世」の使者は彼に死を認めさせ天国へ招こうとしますが、彼は何度か「この世」に戻ろうとします。病院の集中治療室では、その度に彼の血圧が上下し、死の兆候や蘇生のきざしが交互に現れます。そんな時、パイロットから「あの世」の使者に誘われていることを聞いた医師はそんな彼をなんとか「この世」に繋ぎ止めたいと思うようになります。

 そしてある激しい嵐の夜のこと、ついにパイロットは使者の誘いに負けて運命のエスカレーターに乗ってしまいます。行く先はモノクロームの大星雲に囲まれた大法廷。この瞬間、現世の病院の集中治療室では、パイロットはそれまでにないほどの危篤状態に陥ります。使者はパイロットに言います。「あなたは死んでも不思議ではない状況にあるにもかかわらず死を素直に受け入れない。ならば、もっと生きる権利があるのかどうか、そして、生きる価値があるのかどうか....について法廷で裁かれなくてはならない...」。被告席に立たされたパイロット、しかし彼には有利な証言をしてくれる有力な証人が居ません。

 一方現世、深夜の危篤の知らせに嵐の中を自宅から病院までバイクで急ぐ医師、激しい雨の中でハンドルを取られて転倒し、樹木に激突して事故死してしてしまいます。
 パイロットにとって不利な状況に進行している法廷に突然現れたのがこの医師。被告は有能で勇敢なパイロットであり模範的な紳士であること。たまたま不運な被弾と機体の火災、それによる墜落が原因で死に直面しているがまだ死を受け入れる年齢でも健康状態でもないこと、そしてなによりも彼には彼を愛するフィアンセが居ること、こうしたパイロットに有利な証言をします。

 そして判決、「被告はさらに生きることを認める」と。彼に向ってにっこりと微笑む医師、医師は患者の生命を取り戻せたことに満足しながら天国に向けて歩み去って行きます。この瞬間、現世の病院の集中治療室では、パイロットの血圧も脈拍も蘇り、見る見る生気が.....。彼は彼のそばに心配げに付き添っていた愛するフィアンセを見つけると........。

 この映画、毎日続けて何度か観ました。それほどまでに新鮮なものを感じ、深く感銘を受けたんです。わたくしには形而上学的なことは分りません。でも、この映画は沢山のことを語りかけてくれることには気付いていました。すくなくともストーリーの組立ての確かさ、そして映像ならではのスケールの大きさと意外性、そしてなによりも幻想的ということ。もうこれだけで満足してしまったようです。

(2)原作はあるのでしょうか・・・・?

 わたくしが観た作品はご質問者様がご覧になった作品よりもたぶんひとつ前のものではないでしょうか。もし、それでもストーリーに共通点があるとすれば、当然出版ぐらいはされている原作がありそうに思います。これまで本屋で手に入るかぎり映画の原作を読みあさっていますが、まだこの作品の原作には出会っていません。一度読んでみたいですけれどね。
 
 
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この回答へのお礼

詳細なコメントありがとうございました。
作品の冒頭で、炎上する爆撃機からパラシュートなしで脱出降下するの
はデビット・ニーブンですから、多分、同じ作品についてのお話で間違
いないと思います。

講談社ブルーバックスで何冊か本を書かれた、故、都築卓司氏の書著の
中にも、この「天国への階段」の話が出てきますが、SF的な上質のエン
ターテイメントとしても楽しめる作品だと思います。

NHKで放送された際に録画したものを持っていますので、時々見ていま
すが、神の法廷(?)のエピソードも含めて、すべて仮死状態のパイロット
の幻覚なのかもしれません。

お礼日時:2007/08/12 19:00

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