■集合住宅と一軒家では、どちらが侵入されやすい?
まず、ひとつめの疑問はこちら。集合住宅と一軒家では、どちらがゴキブリに侵入されやすいのだろうか。一軒家のほうが地面に面しているし、侵入経路は多そうに思える筆者だが?
「当社に2015年7月1日~2018年6月30日までに寄せられた3,678件のゴキブリ駆除相談のうち、集合住宅(マンション、アパート等)にお住まいの方からの相談が約54%と半数以上を占める結果でした。戸建て住宅は全体の20%、被害相談の残りの約30%は飲食店で、集合住宅にお住いの方からの相談が、戸建て住宅の倍以上となりました」(鶴田和矢さん)
つまりは、一軒家よりも集合住宅のほうが寄ってきやすいことになる。しかし、その理由はどうしてだろうか?
「原因として考えられるのは、ある部屋で繁殖していたゴキブリが別の部屋に侵入することです。集合住宅は上水道管がつながっているので、隣家にも侵入しやすいことが考えられます」(鶴田和矢さん)
隣の部屋の住人にとっては迷惑極まりない話であるが、集合住宅に住んでいるならば気をつけたい部分である。
■新築物件なら、人が入居して暮らす前ならゴキブリはゼロの可能性が高い?
新築物件についてはどうだろう。人が入居するキレイな状態なら、ゴキブリの侵入は少ないように思えるが…?
「新築住宅であってもゴキブリが発生する可能性は十分考えられます。屋外にいたゴキブリが窓や家の隙間から侵入するだけでなく、エアコンの室外機のゴムホースから、エアコン内部に侵入するというケースもあります。エアコンからゴキブリが出てきたというご相談もそれほど珍しいことではありません」(鶴田和矢さん)
キレイな新築住宅にゴキブリがいたなんて事態は、さぞショックであるが、そうした可能性もゼロではないことは覚えておく必要がある。
■1匹いれば300匹とはいうが、本当に1匹だけ迷い込んできた可能性は?
よくゴキブリは1匹いると、300匹はいるというが、1匹だけ迷い込んできた可能性はあるのだろうか?
「先述の回答とも重複しますが、ゴキブリは思っている以上に屋外から侵入してくるものです。そのため、1匹だけ迷いこんできた可能性は十分ありえます。ゴキブリは屋内でしか生存できないわけではありません。たとえば屋内に出現しやすい『クロゴキブリ』は樹木の間を巣にしていることもありますし、本来森の中に生息している『ヤマトゴキブリ』も、まれに屋内に棲みつくこともあります」(鶴田和矢さん)
ということはこのケースの場合、1匹だけ迷い込んできた可能性が有力だろうか。
「とはいえ、見つけたゴキブリが迷い込んできた個体なのか、それとも元から家に棲みついた個体なのかを判断するのは難しいと思います。ちなみにゴキブリの侵入対策としては、殺虫スプレーを玄関や窓のサッシに吹きかけておくと、忌避効果が得られます」(鶴田和矢さん)
ゴキブリは数ある害虫のなかで一番イヤ。そんな人も多いだろう。事前にこうした予備知識を押さえておくだけでも、彼らの侵入阻止に役立つことがあるのではないだろうか。
「教えて!gooウォッチ」では「あの臭いが苦手だった!ゴキブリが嫌うものとは」で、ゴキブリの嫌いなものを紹介しているので参考にし、今年はゴキブリを見ない快適な夏を過ごしてほしい。
【取材協力】
シェアリングテクノロジー株式会社