ウォッチ
読者の中にも、異動や転職などで職場が変わったという人はいるのではないか。当然職場には馬が合う人もいれば、合わない人もいる。「教えて！goo」にも「皆さんは、嫌いな人・苦手な人とどう接しますか？」という質問が来ており、毎日通う職場でのこの問題は極めて深刻な様子。そんなことで日々イライラしてしまう自分への対処法はないか、幸せな人間関係の構築をサポートするコーチの千賀敏美さんに解説してもらった。■職場に苦手・嫌いな人がいてイライラしてしまう自分への対処法
職場に苦手な人がいたら、気にしない、または無視したいところだが、仕事上で関わりがあればそうもいかない。どうしてもイライラしてしまう、そんなときはどうしたらよいのか。
「嫌いな人はどんな人なのか、Aさん、Bさん、Cさんと、3人いるとしたら、その人の特徴をそれぞれ書き出してみてください。それぞれの方に共通する特徴がありませんか」（千賀さん）
例えば・・・
・いつもダメ出ししてくる
・言葉がきつい
・命令口調
・プライベートに口出しする
「今までにも、そんな人に出会ってきませんでしたか？ きっと、出会っているはずです。その人は、あなたに何かを教えてくれるために現れていると考えてみましょう」（千賀さん）
自分が苦手な人には共通する特徴があることも。それはその人ではなく、自分の問題なのかもしれない。
■苦手・嫌いな人と自分自身を比べてみる
では、苦手な人たちが教えてくれるものとは何なのだろうか。
「あなたが嫌いな人たちは、実はあなた自身に似ているかもしれません。あなたにも、こんな嫌な面がないですか？ あなたにとっては、受け入れがたいことかもしれませんが、本当は、あなたのことを真剣に思ってうるさく指摘してきている、ということはないでしょうか」（千賀さん）
自分自身の嫌な面は、意外と自分ではわからないものだ。
「表面的に、いい人であろうとする人は、あえて厳しいことを言いません。でも、本気であなたの将来まで考えて言ってくれる言葉は、時に厳しかったりするものです。その言葉に、“傷ついた”“もう嫌だ”“人格否定された”と、大袈裟に反応していませんか？ もしかしたら、自分を本当に大切に思い、親心で言ってくれたのだとしたら……そう考えてみてください。多分、感謝しかないと思います」（千賀さん）
まさに発想の転換で、苦手な相手の見え方が変わってくるかもしれない。
■転職や異動希望といった決断を下す前に
それでも耐えられない場合は、転職や異動希望を出すのもやむを得ないのだろうか。
「一時の感情で、その人を嫌いになることは簡単です。ですが、嫌いになると、嫌な面しか見えなくなってしまいます。そして、ますます嫌いになる。仕事も嫌になる。会社に行くのも嫌になる。転職するが、また、同じような人に出会い、繰り返す。結構、このパターンは多いのです」（千賀さん）
では、今の職場に留まるためにできることは何なのだろうか。
「あえて、嫌いな人を無理に好きにならなくても構いません。ただ、“この人は、何を教えてくれているのだろう？”“この人に長所があるとしたら、何だろう？”と、考えてみてください。そして、嫌だと思っても、そういう人にこそ笑顔で接してみてください。笑顔の人を見ると、自然と笑顔になってしまうので、相手も優しくなるものですよ」（千賀さん）
明るさ、楽しさが職場に広がれば、業務もはかどり、楽しくなるだろう。しかし千賀さんが指摘する通り、嫌いな人を好きになるのは無理な話。笑顔さえつくるのが厳しい環境に置かれている人も世の中にはきっといるだろう。パワハラやセクハラ、職場のいじめにより精神的にどうしても追いつめられる場合は、信頼できる上司、時には外部の窓口などに相談する選択肢もあることを最後に付け加えておこう。
●専門家プロフィール：千賀敏美
シンデレラ育成コーチ。高校卒業後、会社員生活を送り、40歳を目前に看護師に転職。思うように人生を生きられるようになるコーチングを学び、2017年にシンデレラ育成コーチとして独立。幸せな人間関係の構築をサポートするコーチングを行う。
