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競走馬のインブリードについて

欧米では強いクロスの馬がよく見られ、活躍する馬も多々あります。
最近ではエネイブル(サドラーズウェルズの3×2)、古くはFlying Fox(Vedetteの3×2)や Ksar(Vedetteの3×2)、コロネーション(トウルビヨン[Tourbillon]の2×2)。デインヒル(ナタルマ[Natalma]の3 × 3)、ラムタラ(ノーザンダンサー[Northern Dancer]の2 × 4)など。
日本ではこのような濃いインブリードでG1を勝った馬はシンコウキング(Northern Dancerの2×3)やフサイチコンコルド(ノーザンダンサーの3×3)がいますが、いずれもマル外や持込馬で、日本で種付けされた馬ではありません。
質問です。強いクロスを持つ馬がなぜ欧米(特にヨーロッパ)に多く、日本には少ないのでしょうか? 強いインブリードは気性難や体質虚弱の馬が生まれるリスクがあります。
欧米で上記の馬が大レースを勝った陰には、多くの気性難や体質虚弱で埋もれていった馬が存在すると推測されます。これはイチかバチかの危険な賭けではないでしょうか?

私の推測では、ヨーロッパではもともと貴族や王族がカネにいとめをつけずにサラブレッドクラブの生産を行っていたから、強い馬をつくるのが至上命題で、採算を度外視できた。しかし、日本でのサラブレッド生産は、初めは零細な牧場が多く、シヴィアな牧場経営上、このようなハイリスクの濃いインブリードの馬の生産を忌避する傾向にあった。

正解はこれでいいですか?

質問者からの補足コメント

  • うれしい

    εγmakkiωさん、お願いがあります。
    実は私は1口馬主のブログを書いています。馬体や血統について研究しています。
    いくつかありまして
    「相馬の梁山泊」
    https://ameblo.jp/aromacandle777
    「相馬の水滸伝」
    http://soumaryouzanpaku.net/
    「1口馬主講座」
    https://note.com/soumanosuikoden
    ここで書く記事にεγmakkiωさんの見解を紹介させていただいてもよろしいでしょうか?
    もちろん、εγmakkiωさんから「教えて!goo」で回答された旨を書かせてもらいます。
    勝手なお願いですいませんが、なにとぞ、よろしくお願いします。

    No.2の回答に寄せられた補足コメントです。 補足日時:2020/05/09 03:46

A 回答 (3件)

正解だと思います。



欧州では基本的に競馬は貴族の遊びであり、血を弄ぶ傾向が間違いなくあります。強いインブリードは天才を生み出す一方、ハズレもまた多く出ます(長年の経験値の積み重ねでエビデンス的にも妥当です)駄目な個体は淘汰できる故に強いインブリードが時として種の改良に貢献したわけです。

日本は馬事文化が大衆のものであり、多くは生産馬を売るビジネスですから、買い手が濃いインブリードを忌避する傾向がある以上、そのような配合は好まれません。とはいえ3x3ぐらいの配合は多くはないものの毎年数十頭は生まれています。逆に3x4より薄い配合は別に問題視されていません(エピファネイアの勝ち上がった産駒の大半がサンデーサイレンスの3x4です)

蛇足ながらトウショウボーイが活躍したとき、中小零細生産者はこぞって3x4(いわゆる奇跡の血量)を試しましたが、結果は散々でした。その時のトラウマが連綿と現在まで続いているという話をどこかで読んだ記憶があります。
この回答への補足あり
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この回答へのお礼

さっそくのご回答、ありがとうございました
(エピファネイアの勝ち上がった産駒の大半がサンデーサイレンスの3x4です)
などという貴重な情報もいただき、大変重宝します。

トウショウボーイの話も初耳です。決して蛇足などではありません。

εγmakkiωは競馬や血統に造詣が深いと拝察いたします。

これからも機会があれば、競馬や血統のことを教えてください。

お礼日時:2020/05/06 19:39

どうぞご自由にお使いください(^^)

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この回答へのお礼

寛大なお言葉、ありがとうございます。お言葉に甘えて引用させていただきます。
競走馬の血統や馬体評価に関する知見や情報をファンや1口馬主会員の間で共有財産にしてみたいと考えています。
ご協力いただき、ありがとうございます。

お礼日時:2020/05/09 08:17

これは2011年に3冠を達成したオルフェーヴルの血統表です。


父ステイゴールド、母オリエンタルアートですね。
血統表を右に行けば祖先の馬の名前が出てくることは、前回勉強しました。
ざぁ~っと、見ていくと、母方の3世代前にノーザンテーストがいます。
そして、父方の4世代前にもノーザンテーストがいます。
つまり、オルフェーヴルはノーザンテーストの血が入った馬同士の掛け合わせであると言えます。
これがインブリードと言われるものです。

なぜ近親交配が行われるのか?

簡単にいうと、ある馬の血をより濃くすることにより、その馬の遺伝能力を強め、より強い馬を生産するためです。
インブリード効果を狙う種牡馬というのは、いずれも大種牡馬であることが多く、
その有能な能力を、産駒に強く受け継がせることが、目的なわけです。
極端な話、大種牡馬を父に持つ馬同士を掛け合わすことが、その大種牡馬の遺伝能力が1番受け継がれわけです。
実際、インブリードによる活躍馬は多数出ているので、一定の効果はあるものとされています。
しかし、同時に近親交配は(競走馬に限らず)、体質が弱くなるというデメリットがある上に、
流行血統のインブリードが強い場合、引退後の繁殖相手にも困る事になります。

では、血統表をもう1度見てください。この表の右下に、

ノーザンテースト 18.75% 4 × 3
Northen Dance 9.38% 5 × 4
Lady Victoria 9.38% 5 × 4

と書かれていますね。「クロス」というのは「インブリード」と同義語です。
この表記を説明する前にまず、血統表の見方を説明しなければいけません。
血統表を見るとき、右に代を重ねるほど数字を増やしていきます。
つまり1世代前、2世代前、3世代前・・・。
例の方が分かりやすいので、上の表から言うと、

1世代前:ステイゴールド、オリエンタルアート
2世代前:サンデーサイレンス、メジロッマクイーン等
3世代前:Halo、ディクタス、メジロティターン、ノーザンテースト等
4世代前:Hail to Reason、ノーザンテースト、メジロアサマ等
この「4世代前×3世代前」を略したのが「4 × 3」。さらに、インブリードでは血量も表記されます。

1世代前:血量50%
2世代前:血量25%
3世代前:血量12.5%
4世代前:血量6.25%
このように世代を追うごとに血量は1/2で計算されます。
インブリード部分の血量は、加算されるので、オルフェーヴルの例で言うと、
6.25(父方4世代前)× 12.5(母方3世代前)=18.75%(4 × 3)となるわけです。
インブリードは4世代の中で考えるのか、5世代以上の中で考えるかは人それぞれです。
よって、上表の例で書かれている、
Northen Dance 9.38% 5 × 4
Lady Victoria 9.38% 5 × 4
をインブリードとして考えるかどうかは自己判断です。
まぁ、Northen Dance 9.38% 5 × 4は、ノーザンテーストの4 × 3があるので当たり前なんですけどね。

では、極端なインブリード効果の1例としてラムタラを紹介します。
ラムタラは1995年に欧州3冠を達成した馬。
しかもデビュー戦+3冠(英ダービー・キングジョージ・凱旋門)の
わずか4戦での達成。つまりステップレースを一切使わずに3冠を達成するという大偉業を成し遂げた馬です。
「奇跡の名馬」「神の馬」とも言われた名馬です。そんなラムタラの血統表がこちら。

下のクロス馬リストを見ていただければ分かるように、
「Northern Dancer 31.25% (2 × 4)」という血量を持っています。
31.25%は競馬界でもかなり濃い血量と言えます。
引退後、日本に種牡馬として輸入されましたが、配合する時には、種牡馬としての期待値は
それほど高くなかったはずです。(実際、日本では結果を残せませんでした。)
ちなみに、条例の日本で種牡馬として大活躍したノーザンテーストですが、
「Lady Angela(牝馬)の3×2(37.50%)」を持っています。
牡馬のインブリード程、重きは持たれていませんが、牝馬のインブリードも、もちろんあります。
 
しかし、ここまでの血量を持つと、どうしても体質が弱くなる事が多いので、ほどほどが大事。
その、「ほどほど」というのでベストの血量があります。
それが、「奇跡の血量」と言われるものです。
 
「4×3(18.75%)」
 
これが、インブリード効果のベスト血量と言われています。
そう、上のオルフェーヴルも「奇跡の血量」を持つ馬の1頭。
過去にもタニノギムレット、ヴィクトワールピサ、ブエナビスタ、エルコンドルパサー、メイショウサムソンなど、
日本だけでも数々の名馬が登場しています。
競馬をする際に、血統表をみたりして、この「4×3」または「3×4」の馬を探すのも面白いかもしれませんね。
 
●アウトブリード

上で説明してきたインブリードに対して、4世代前または5世代前(人により定義は違う)までに、
インブリードが入っていない配合の事。インブリードのデメリットである体質弱化はもちろん少ないし、
繁殖界がインブリードを持つ馬だらけになるのを避けるためにも、このアウトブリード配合は非常に大事なモノです。
アウトブリードの馬でもたくさん名馬が出ています。
3冠馬のナリタブライアンやディープインパクトも、アウトブリードで作られている馬です。
 
 インブリード、アウトブリードどちらが良いのかは断定できませんが、
強い馬が生まれやすいのはインブリードの方が確率は高いです。
ただし、突如として大物が登場するのはアウトブリードの馬の方が多いように個人的には思います。

https://keiba-beginner.com/%e8%a1%80%e7%b5%b1/%e …
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この回答へのお礼

う~ん、長文だけど、全部知っている知識。

申し訳ないんだけれど、初心者用ではなく、上級者用の回答を期待していました。

お礼日時:2020/05/06 19:41

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