
No.1ベストアンサー
- 回答日時:
関心のある分野によると思いますが、
あくまで私個人が尊敬するジャーナリストを紹介します。
ご存知かもしれませんが、
元サンケイ新聞(いまは「産経新聞」)サイゴン特派員で、
もうかなり前に亡くなった、近藤紘一さんという方がいます。
ベトナム戦争報道を、最後まで現地から、
それも、サイゴンの下町から配信し続けた方です。
特派員は、特に戦地取材では安全なホテルに寝泊りしがちです。
近藤さんは、ベトナム人女性と再婚し、ファングラオ通りという
下町に住んで、庶民の目線から報道を続けました。
さらに、サイゴン陥落前に身を守るため多数の記者が国外退避するなか、
サイゴンに残り、「サイゴンはいま、音をたてて崩壊しつつある。つい二カ月、いや一カ月前まではっきりと存在し、機能していた一つの国が、いま地図から姿を消そうとしている……」という有名な書き出しの記事を配信しました。
近藤さんが最もすばらしいと思うのは、こうした記者魂だけでなく、
彼の本の主テーマである、「家族」を題材にし、
(ベトナム人の)「妻と娘」の視点から、ベトナムという国を、
戦争を、そして家族の大切さを、みずみずしい文章で表現したことです。
「サイゴンから来た妻と娘」
「パリへ行った妻と娘」
「バンコクの妻と娘」
という3部作は、ページを繰るのがもったいないほどの名作です。
若くして亡くなった最初の妻への想い、
多くのことを背負いながらの新しい「妻と娘」との生き様、
これは、不朽の名作だと、私は思っています。
百聞は一見にしかず、一度読んでみてください。
ちなみに、文春文庫になってますが、大き目の本屋にいかないと見つからないかもしれません。
そのほか、船橋洋一(朝日新聞)、古森義久(元毎日新聞、後に産経新聞に移る)、黒田勝弘(産経新聞)、本田勝一(朝日新聞)など、偉大な人は多数います。もし、返答いただけるのなら、なぜこの質問をなさっているのか、お教えください。そのほうが、効果的な回答が出来ます。
丁寧な回答ありがとうございます。
専門家の方からの回答で、とても嬉しいです。
紹介していただいた本を早速明日にでも買ってきて読んでみたいと思います。紹介していただいた中では、本田勝一さんの本を以前に読んだことがある程度でした。
私自身は29歳の男で、単なる普通の会社員なのですが、最近ジャーナリズムというものを考えます。(もしかしたら、私がジャーナリスト志望の学生で、それに対するアドバイスのようなものを想像してしまったかもしれませんが、そうであったら申し訳ないです)
実は、この質問以前の疑問として、「ジャーナリズムと野次馬根性は、結局の所どうちがうのか」ということを考えていました。
この疑問自体を質問してもよかったのですが、正直言って、私はこういう質問がネットで解決されるとは思っていなかったので、それよりは、本物のジャーナリストと呼べるような人たちの言葉に直接当たった方がよいかと思いました。でも回答者様のような、丁寧な回答を下さる専門家の方には聞いてみたい気もします。
本物のジャーナリストが持っている信念のようなものに触れたい、という感じです。
ジャーナリストやノンフィクション作家はどうあるべきなのか、ということに疑問を持っています。
ジャーナリストの方は、真実を伝える以外に他意はないのでしょうか。自分自身の中に、野次馬根性的なものが無いと言い切れるのでしょうか。言い切れなくてもよいのでしょうか。
また、受け手側の大多数は野次馬根性を満たしているだけだとしても、真摯に受け止める少数の為に伝えるべきなのか、その辺りが疑問です。
何か事件や事故が起こった時に、現地に赴く時の気持ちを知りたい、という感じです。もしも時間があるようでしたら、簡単でもよいので、回答戴けたら嬉しく思います。
昨日「バス174」というブラジルで起きたバス立て篭もり事件を扱ったノンフィクション映画を見ました。見る価値のある映画だと思いましたが、それを傍観者的に眺めている自分に嫌気がさしたりもします。
No.6
- 回答日時:
回答が遅くなって申し訳ありません。
一番最初にお答えした者です。
「ジャーナリズムと野次馬根性は、結局の所どうちがうのか」
この問いについてですが、
乱暴な言い方をすれば、やじ馬根性がないとネタは取れないと思います。
自分の目で見てみたい、人よりも早く、そしてその裏に潜んでいるものは、それを伝えたい・・・など、普通の人(読者)よりもその思いが強くなければ、おそらく読み手(テレビなら視聴者)は満足してくれないと思います。
私は、記者に必要な資質は「粘着質」(「執着心」と、もう少し綺麗な言葉でいう人もいますが)だと思っています。
その意味で、椅子に座って、足腰が軽くない人は、本来は記者には向いていないともいえます。
実際は、あまり動かず、数字や書物を見たり、電話ですませる人もいますが。
それと、もう一つ。
ジャーナリズムには、いち早く伝える機能(速報性)と、
自分が発掘しないと誰も伝えないことを報道する(調査報道)の2つがあると思います。
私は全国紙の10年記者ですが、どうしてもこの世界、前者に比重が置かれがちで、本当は後者の仕事をしないと存在意義が薄れると思うのですが、日々のニュースを取り上げなければならないし、担当がちょこちょこ変わるので、じっくりともいかないのが現状です。
ただ、その中でも自分の視点を持って取材する、ニュースをきる、ことは心がけています。
仕事の合間ですので、今日はこの辺で。
回答ありがとうございます。
ジャーナリストは野次馬根性があってもいい、ということですね。そうではないかという気も薄々していました。むしろ野次馬根性がなかったら、取材なんてできない、ということですね。
そんな中でも、例えば被害者がいるような事故や事件なら、取材させてもらっているという気持ちを忘れないようにしなければいけないのだと思います。素人の私が言うのもなんですが、そうであって欲しいと思います。
プロの方に回答を頂けて嬉しいです。お忙しい中ありがとうございました。
組織化、システム化された中で忙殺されていくうちに、本来の目的や理念を忘れて、本末転倒的なって行くのは、どの仕事にもある事なのだと思います。私も自分の仕事に置き換えた時、そうならないように戒めたいと思います。
No.5
- 回答日時:
今の時代に、立派なジャーナリストなるものが成立するのでしょうか。
私も雑誌に記事を書いたことがありますが、内容の修正をうけいれて妥協して掲載されたことがあります。取次ぎを通さず自費出版でもしないと、真実を伝えるのは難しいように感じています。回答ありがとうございます。
確かに、一般の私のような人間からはよく分からない難しいことがたくさんあるのだと思います。
特に私は受け手の方に問題があるような気がしています。内容の修正というのも、そういう修正をさせているのは、結局は一般の大多数の人間という事になると思います。
でも一般の大多数の人間なんて、いつの時代もそんなものだったし、この先もずっとそうなのかも知れません。
この↓DAYSという雑誌を作っている人達は、
http://www.daysjapan.net/
そんな中でも頑張っているように感じます。
No.4
- 回答日時:
別にジャーナリズム業界にいるわけではないので、そういう意味では質問趣旨に外れますが、現在でも「ニュージャーナリズム」とか「調査報道」とか言われる手法は、ジャーナリズムのお手本だろうと思います。
ご存知とは思いますが、「調査報道」といえば、外国ではウォーターゲート事件をあばいたウッドワードとバーンスタインの「大統領の陰謀」、日本では立花隆の「田中角栄研究」等が古典ともいえるものです。
「自動車絶望工場」などで知られる鎌田慧も現在では、多いとはいえない地道な調査に基づく反骨のジャーナリズムを貫く人として知られています。
ただ、いずれにしても権力に反抗することを第一信条にするようなところがあるジャーナリスト達は、自らが権威的になることも意図していないと思いますよ・・・。偉大だとか立派だとか言われているものでもまず疑ってみるというのが、ジャーナリズムに対する基本的な態度じゃないですか?
外国の人、というか世界的に有名な人も知りたかったので、ありがたいです。
どんな人だったのか、自分でもっと調べてみますね。回答ありがとうございました。

No.2
- 回答日時:
アルコール中毒を装って精神病院に入院し、内側からの実態告発ルポ「精神病等」を大熊一男さんが書いたのは、もうずいぶん昔のことになります。
この人はそのあと、老人病院の告発ルポも書きました。いずれも人権が踏みにじられ、過剰な投薬や検査がまかり通る理不尽さを迫力のある文章で世間に知らしめました。
こういうジャーナリストがたくさんいたら、世の中ずいぶん掃除の行き届いた社会になると思いますけどね。
今の大多数のジャーナリストはサラリーマン化し、記者会見や記者クラブ、ネットでの情報収集で事足りて、身体を張った報道はあまり見かけませんねえ。ハングリー精神の欠けたジャーナリストが大半なんじゃないでしょうか。
有名になったら迫力のなくなるジャーナリストも多いですね、仕方のないところでしょうが。
身体を張ったと言えば、若くしてガンを発症し、手術や転移を経て余命が尽きるまで実体験を書き続けた千葉敦子さん(「乳ガンなんかに負けられない」ほか多数)、ジャーナリストとして最高に評価しています。
回答ありがとうございます。
千葉敦子さんの「『死への準備』日記」という本は持っていました。まだ全部読んでいないのですが、とてもパワフルな方だったようですね。
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