
No.5ベストアンサー
- 回答日時:
「死」につながるものが「ケガレ」、なので「血」も「ケガレ」と捉え、出産も出血を伴うので「ケガレ」と捉えるようです。
月経も「月のケガレ」ですね。同様に妊婦は「出産のケガレ」を引き起こすもの、新生児は生まれたときに血で汚れているのでやはり「ケガレ」とみなされるのであって、人権侵害とは少し違うかと思いますが。いわゆる「差別」なんかはそうですが。
皮革等は生き物の死体から取るわけですから、「死」を扱う者として「ケガレ」た者とされますね。いわゆる被差別が川のそばに多く、「」などと呼ばれるのは、「ケガレ」に触れるからこそ、それを浄化(=禊)するために水場にいる必要があるからなのだそうな。まあ、水のそばというのが、湿気があったり氾濫したりであまり住みやすい土地でないことも理由ではあるのでしょうが。
ちなみに「」は、「ケガレ」に近く、「ケガレ」に触れても死んだり病んだりすることもなく、その上「ケガレ」を浄化することまでできる特殊能力者(=聖なるもの)として、神に近い存在でもあったようで、そこをさらに常人にはない能力を持つものとして、それを畏怖され、さらには「自分たちより下賤の者であるくせに自分たちより神に近い」ことから、嫉妬に近い感情で忌み嫌われるようなこともあったようです。能の発祥のもととされる猿楽がであったことは有名ですが、あれももとは神に捧げる舞ですし、は「ケガレに触れる者」であるとともに聖なる「巫」でもあったわけです。
日本人は複雑ですね。・・・日本以外にもこういった思想があるのかどうかは知りませんが。
と皮革製作者とがつながっているようなことは、おぼろげに知っていました。とても教養になるお話です。必需品を作る人たちなのに、宗教上の理由で差別を受けるとは、なんとも腑に落ちないと改めて思います。
No.7
- 回答日時:
日本古来の習俗が仏教によって体系的説明がなされたのが
「穢れの思想」ですが、今の我々は「穢れの思想」について、現代科学の見地による体系的な説明を付け加えることでなんとか理解しようとしている。つまり、まず対象となるものや行為があり、次にそれらは言語によって意味付けがなされてきたということです。
人間は死を恐れる。
これは昔も今も不変で全てはここから始まっています。
もちろん宗教もです。
出産は母子ともに死の危険を伴うことから、隔離の風習は保護的意味合いが濃いのではないかと思っています。
魚の料理法は包丁を使う料理人が死に携わるということでケガレの対象だったのでしょうね。
死に直面するもの、死に携わるもの、死を持ち込むもの、
天災、伝染病、殺しあうもの、などなど・・・
こういったことを説明するのに仏教と言うのは非常に適していたってことはわかると思います。仏教は当時の最高科学ですからね。
宗教の起源が「死」の恐れから始まっている。というところに大体の鍵があると思いました。
出産は保護的という意味もそういわれればある気がします。ただ、神道的な考えと仏教感はだいぶ違う気がしました。
No.6
- 回答日時:
穢れ=境界上にあるもの(両義的な存在)、分類に悩む曖昧な存在
柳田国男は、聖と俗をハレとケという言葉で区別した。ケとは、人間の生命力である気(ケ)が維持されている日常性のことで、病気(気止み)などで気が枯れ、死に近づくと”ケガレ”となる。つまりケガレとは、生と死、ケとハレの境界上にあるか、またはそれを曖昧にする両義の存在。
ネバネバ、ヌルヌル、ベトベト、グニャグニャしたもの、つまり固体と液体の中間にあるアモルファスな粘体や軟体物を嫌悪したり忌避したりするのは人類共通。
人間はカオスを明確な意味秩序空間に変えなければ、世界を認識できず、自分の存在を確信できないが、その秩序化作業(分割・分類)の果てに分類不能物を得てしまう。そこに注目することで強い有徴項(タ・プー)となる。
ケガレ=タブーの例:
*ペット食=食用として飼育しなかったし、家族のような気がしてくると忌避感情が芽生える。
*黄昏(たそがれ>誰そ彼は)=空間の境界を時間に変換の例で夜と昼の狭間であり外出忌避が過去にあった
*敷居を踏むな=内と外の境界のモノに接触
*死体=白骨化する途中は完全な生と完全な死の中間状態
*花嫁=非血縁者だが身内となる存在
*病人=生と死の境界上の状態
*出産=生と非生の境界上の両義的出来事、人間、家畜の死体に接するのを「黒不浄」、出産時の出血は「赤不浄」と呼ばれ忌避された
*分類逸脱の食タブー=旧約聖書の創世記には「地のすべての獣、空のすべての鳥、地に這うすべてのもの、海の全ての魚は恐れおののいて、あなた方の支配に服し、”すべて生きて動くもの”はあなた方の食物となるであろう」と、ノアを祝福して神が言ったので一神教の民は食肉タブーを負わない筈なのだが、後の世のバカ(レビ)が不毛な目録化に着手してしまい後に続く「レビ記、申命記」には実に奇想天外な肉食タブーが事細かに記されている。(鱗の無い魚=イルカ、タコ、イカ等の忌避)
()
*インドではブラフミン、クシャトリア、ビアイシャ、スードラの各種姓の何れにも分類不能となった(逸脱)者は「不可触(アンタッチャブル)」
*、河原、門前、獄門=「無主の地」である「境界領域」
実は南北朝時代までは天皇所轄地なので「住民=」は本来神仏・天皇所属の人々
*=犯罪者(穢れた人間)の捕追、処刑等の従事者
*=動物の死体処理の従事者
日本中世期まで「・」の本来の所属は「官(天皇の奴隷)、神賤(寺社の奴隷)」と同じで「聖」なる存在だったが近世の実利優先社会では「卑しい職能」に転落。
保健衛生原理に基づく(と思っている)現代人の”汚れ”の観念は、古代人の宗教・呪術における”穢れ”に極めて近いものであり、同じく”清潔”は宗教的意味での”聖潔、神聖”に重なるものである。これらは未開人のみの事象ではなく経験から秩序を創出する人類一般にかかわることなので現代でも継続している事象。
”汚物”をさける我々の反応は曖昧・異例なものに対する未開人の反応とその根底において同じ。
(出典参考)
汚穢と禁忌 メアリ ダグラス(著)
タブーの謎を解く―食と性の文化学 山内 昶 (著)
中世のと遊女 網野善彦(著)
洋の東西を問わず、宗教的文化的背景が大きくかかわっている問題であるとわかりました。
そして、その宗教的起源がどういう形で起こったのかというのが、また疑問でもあります。
No.4
- 回答日時:
神道独特の「穢れ」という概念です。
パソコンで変換していると、(汚れ)と出ますが、これは違うんだそうで似た意味に取られそうですが。(穢)という漢字を当てているが、もとは〔気枯れ〕に由来するそうです。気=霊であり、それが枯渇すること。つまり穢れとは死につながる。穢れは〔死〕=死穢(しえ)・〔出血〕=血穢(けつえ)どちらも不浄とされ、死人が出た家は、そういうものを他人にまき散らさないと言うか、他人に及ぼさないように、昔は外を出歩くことも禁じられたそうです。今でも、私の在所では、1年間は神社や祭りの講、あるいは稲荷などへはお参りをしません。つまり拍手を打ってお参りをするところですね。No.3
- 回答日時:
死などあらゆる嫌悪する対象がケガレたモノです。
反対にそれを浄化使用して禊などで清めるわけです。
汚れと同じような実体として捉えて、
自分から切り離そうとしたんですね。
古事記では、イザナギは、死んだイザナミのケガレを禊によって、取り除いて国を構成する神を生み出しました。
「死」などを祓えるモノとして、言葉で綴られる前から、ずっと根付いたものであったからこそ、今も日本人の無意識に残っているのかもしれません。
裏を返せば禊という行為が、ケガレを取り払える事を考えれば…誰が言ったのか知りませんが…岩清水の文化といわれています。日本全国に、川があり、水があります。「日本人は水はただで手に入ると思っている」とある外国人に言われましたが…この国は水が豊富であったために、死などを汚れ(ケガレ)と考え、水や塩などを使った儀式によって清められるという、発想が生まれたのではないでしょうか。水の欠乏した国では、水で汚れ、ケガレを払えませんから。
参考URL:http://www.pandaemonium.net/menu/devil/Nagi_mi.h …
妊婦と新生児に対して、ケガレを当てはめたのには、人権侵害にも似た思想を感じましたが、なにか神道思想は徹底しすぎ潔癖症なところがあるように思います。日本の風土が塩まきなどの風習を生んだということもありそうな気がします。
No.2
- 回答日時:
天皇や神道と近いですね。
元々はウラルアルタイ地方の神聖思想が、ユーラシア大陸を超え、朝鮮半島を経由して日本に至りました。
ヨーロッパも逆ルートで伝わっています。ナチスも神聖思想がベースになっています。
南方系の文化には神聖思想はありませんね。
酒造り、相撲、能など稲作や神道に近いものにそうした思想がありますね。仏教では逆に俗を対象にしています。
韓国では一族の長は、日本で言う神主のような存在ですし、仏教(坊主)は最下級の役職です。
神道も仏教も韓国経由で日本に入っていますので、その影響でしょう。
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