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先程、松浦英理子さんの「犬身」を読み終わりました。
私は今回初めて松浦さんの作品を拝読させて頂いたんですが、こんなに面白い小説家を今まで知らなかったなんて!と後悔しています。
そこで、「犬身」を読んで気になった事があったので質問させて頂きます。
本作に登場するバーテンダーで狼(?)の朱尾さんは松浦さんの他の著作にも出てくるのでしょうか。
彼のインパクトがあまりにも強く、気になってしまいました。
それから、結局彼が一体何者なのか明確に書いてある場面はありましたでしょうか。
曖昧にしか書いてなかった様な気がするんですが、読み飛ばしてしまったかもしれないので…。

以上の事をご存知の方いらっしゃいましたら教えて下さい。
どうぞ宜しくお願いしますm(._.)m

A 回答 (1件)

松浦ファンの一人でございます。


松浦氏は極端に作品数が少なく、知る人ぞ知るという感じで、マニアックな隠れたファンの多い作家です。

さて、ご質問の回答ですが、これまでの松浦作品に、朱尾が登場することはありません。『犬身』独自のキャラクターです。似たような人物も出てきたことはありません。他の登場人物も、以前の作品に出てくることはありませんが、以前の登場人物が形を変えて出てきているなと思わせることはありました。

また、朱尾の素姓については謎のままです。作者としても、一歩引いて描いているところがあるようです。
このあたりのことは、『小説トリッパー』2007年WINTER号(朝日新聞社刊)に、松浦氏と星野智幸氏の対談が載っていて、そこで語られていましたので、読んでみられてはいかがでしょう。これを読むと、朱尾氏の再登場を願う読者も結構いるようですよ。

松浦氏の作品は、どれも秀逸です。常に「人間関係」「人と人との関係のありかた」がテーマとなっていて、代表作は『ナチュラル・ウーマン』。私は松浦作品のすべては、『ナチュラル・ウーマン』にあると思っています。
一番売れた『親指Pの修業時代』も、その内容の奇抜さから興味本位で読まれた人の方が多いと思いますが、基本的には『ナチュラル・ウーマン』の延長線上のもので、知らずに読んだ方には衝撃だったと思います。この『犬身』も、ある意味ではそのように言えるのではないかと思います。

『親指P』も『ナチュラル・ウーマン』も、ここ2年ほどの間に文庫が新装刊されています(河出文庫)。比較的安価にお求めになれますので、よろしかったら読んでみてください。

その時に疑問などが生じた場合、またここで質問されれば、きっと私が登場すると思います(^-^)v
松浦氏の話は滅多に登場しないので、つい嬉しくて長々と書いてしまいました。失礼しました。
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この回答へのお礼

御礼が遅くなってしまいまして、大変申し訳ありません。
丁寧なご回答を頂き、真に有難うございました。
とても参考になりました。
文庫や対談のお話など詳しいご紹介までして頂いて、とっても有り難いです!
未読の作品をこれから読むのが楽しみになりました。
本当に有難うございました。

お礼日時:2008/02/17 03:35

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