No.3ベストアンサー
- 回答日時:
所得収斂仮説というのがあり、
機械の導入や技術的キャッチアップの「余地」が残っている
後発の国は高い成長率を実現できますが、
キャッチアップが進んでくると次第に経済成長率は落ちてきます。
日本の高度成長というのは、1955年の神武景気から、
1973年の第一次オイルショック辺りを指します。
この時期に欧米から多くの技術が吸収・消化され、
現代的な機械が設置されたことで生産効率が高まり、
日本経済は飛躍的な伸びを記録します。
高度成長の終わりは、石油ショックを契機にしていますが、
主因は石油ショックの資源価格上昇ではなく、
技術革新が鈍化してきたことにあります。
これに匹敵するような高成長の例は欧米にはありませんが、
日本のすぐ後を追った韓国・台湾・香港・シンガポールと、
1980年代以降の中国、可能性としてはインドはこれに近いです。
このおよそ20年間の経済成長率は7-10%前後の
非常に高い値をキープすることができました。
10%成長がどれくらいすごいかというと、
10年続くだけで実質の給料は2倍以上に急上昇します。
生活水準は目覚ましく向上して、平均寿命も就学水準も大きく向上し、
劣悪だった労働環境も改善され、後半には環境対策も進められています。
しかし、急上昇中とはいっても当時の給料は今よりずっと貧しかったわけです。
高度成長している国→「お金持ち」というよりは、
高度成長している国→「まだ貧乏」という方が現実に近いです。
高所得国の高成長は可能かどうかというと、非常に難しいです。
資源国以外で高所得・高成長を誇る国は、アイルランド、香港、
シンガポールがありますが、事例としては多くありません。
しかし、どの先進国も90年代以降は日本ほどの低成長に陥っておらず、
日本よりも所得水準は向上しています。
90年代以降は、日本がアメリカにキャッチアップするのではなく、
アメリカと日本との間の経済格差は広がり続けました。
この時期の日本経済の低成長は異常な事態です。
高度成長とまではいかなくても、長期停滞を繰り返さず、
例えば1人当たりのGDP成長率を3%に高め、
安定的な成長を維持するのが目標となります。
なお、日本の生産性はまだアメリカに追いついていません。
一部の強い分野だけではなく、弱い分野に
焦点を当てればまだまだ成長は可能です。
GDPの7割を占めながら日本が弱いと言われる第三次産業、
貿易保護が取られてきた内需型製造業などは効率が悪く、
まだまだ向上する余地が残っています。
女性の経済的進出が欧米よりも遅れていると考えられており、
女性人材の活用は成長率を高める可能性があります。
これまで得意としてきた輸出型製造業としては、国際分業を進めて、
高度な分野に特化する事が経済効率の向上に繋がります。
経済成長率は技術革新に大きく依存します。
資源枯渇で世界が終わるという話も半世紀前(あるいは200年前?)から
ずっと言われていますが、こういうのも技術革新に依存します。
日本は化学・素材産業が盛んであり、高度な技術を要する
新素材や太陽電池などの産業が潤う可能性もあります。
持続的な発展に向けて、世界の画期的技術革新を牽引していく工夫も重要です。
高度成長期は、1955年の神武景気から、1973年の第一次オイルショック辺りですか。18年間ですね。
欧米の技術による現代的な機械が設置されたことで生産効率が高まったことが要因で、そのストップは、技術革新の鈍化が要因ですね。キーワードは「技術革新」ですね。
日本を追って同じく経済成長を果たした国はとても多いんですね。
資源国以外で高所得・高成長を誇る国は、アイルランド、香港、シンガポールですか。どのようなヒントが隠れているのか、本を読んで調べてみたいです。
まだまだ日本が向上する余地はたくさん残っていそうですね。
高度な技術の新素材や太陽電池などの産業が狙い目だったり、「技術革新」を目指し続けることが、大きな出発になりそうですね。
大変詳しく書き込んで下さってありがとうございます。お詳しいですね。これだけのことが書けるってとてもすごいですね。
一つ一つ丁寧に読みました。一見難しそうですが、実は分かりやすくまとめられていて、大変勉強になりました。参考にさせて下さい。読んだ皆様も参考にして、経済発展に繋げていきましょう。
御回答ありがとうございます。
No.4
- 回答日時:
これからは外資を日本に導入し、なんとなく景気のいい時期がつづくとかの時代です。
右肩あがりの気迫もなく、できるわけでもありません。まだ工業化している段階が一番いいのかもしれません。雑誌での表であまりおぼえてませんが、日本の賃金の体系もいまいち気力をあげるのになっていない点があります。改良すれば少しよくなるでしょう。
気力や気迫が足りない状態なんですね。
高度経済成長はなかなか難しそうですが、できるところからどんどん改良して成長に向けたいです。
御回答ありがとうございます。
No.2
- 回答日時:
経済に精通している分けではないですが。
以下、個人的な意見。
中国の食料問題等が最近話題と成ってますよね。
日本はこれまで国外に頼っていた。
その反省として、国内での生産を高めれば、経済成長は有り得る様です。
もうひとつは、日本得意の新商品の開発を以前の状態(1985年頃)にまで上げれば、経済成長は有り得る。
ただ、以前の高度経済成長は、(戦後の)無の状態からでしたから、可能であっただけだと思います。
今は、有の状態ですから、経済発展がしにくい環境です。
常に新たな商品を産み出す必要があるでしょうね。
今の日本はファッショナブル(新製品の開発よりも、既成商品のデザインに走っている)ので、工業面での経済発展は暫くは無理だと思います。
農業面では、かなりの可能性があります。
日本の大学では最近、農業にかなり力を入れているので。
そういう農業面からの経済発展も有り得ると思います。
>日本の成長期以前の歴史や世界の歴史を見て、高度経済成長期と思われる時代はいつの時代ですか?
朝鮮戦争があった頃の日本が、一番活発な時期だったと思います。
>高度成長期が来たら、みんなお金持ちになるということですか?
そういう事ですね。
全員が金(資金)を使う事が前提なら。
日本の農家に対する政策を良い方へ変えたらだいぶ変わるでしょうね。何年か前、平成コメ騒動のとき、日本のお米がスーパーから消えましたが(その代わりタイ米が入ってきて、政治家がカレーにしたらおいしく食べられると言って食べていた)、農家だけがお米を持っていましたね。あのとき、生き延びるには農家は大変大切だと思いました。政府にはその事もよく思い出していただきたいですね。
新開発をどんどん考えるのもいいですね。例えばドラえもんやSF映画やゲームをヒントに、実用化されないでしょと思われるモノも実用化を目指して、チームをたくさん作るとか。引き籠りの若者にネガティブな圧力をかけないで、大人達が見本を見せて率先して、若者にポジティブな希望をたくさん支援するとか。
朝鮮戦争でしたら、敗戦後の1950年ですね。負けた後のエネルギーはすごいエネルギーですね。人生においてもヒントになりそうですね。
成長期の再来でお金持ちになる可能性があるのでしたら、それはそれでいいですね。是非とも頑張りたいものですね。
御回答ありがとうございます。
No.1
- 回答日時:
無理だと思います。
経済成長には、社会の底辺にエネルギーが必要です。
エネルギーとは良い生活がしたいという飢えと、若い労働人口です。
今の日本は成熟し所得水準も高く、人口減少社会に移行しています。
これでは高度成長など期待できません。
今、先進国が注目しているのは
日本が人口減少の中、継続的に経済成長を達成できるかです。
確かに、高度経済は、良質生活を望む人々と社会の底辺にエネルギーがあったから成長できたように思います。
今は人口が減っているので、経済成長の持続性の方法を考えなければなりませんね。
1人1人がもっと自己向上して、もっと良質な生活を目指したらいいかしら。人類はそうやって進化や進歩をしてきたようにも思いますから。
大変参考になりました。御回答ありがとうございます。
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