化石燃料を燃やすと空気中のCO2濃度が高まりオゾン層が破壊される。
バイオエタノールは原料の植物(サトウキビやダイズなど)が
大気中のCO2を吸収するので、化石燃料をバイオエタノールに
切り替えるとCO2の大気中の量はプラマイゼロになる。
だからバイオエタノールは環境に優しい
…といったような理屈をよく聞くのですが、わたしにはよく理解
出来ません。初歩的で幼稚な質問かもしれませんが、どなたか
次の点について教えてください。
●燃料電池は別として、バイオエタノールだろうとガソリンだろうと、
燃やす以上はCO2は発生する。
●バイオエタノールの原料であるサトウキビやダイズは、以前から
食料や飼料などの用途で生産され続けてきた。
●その植物の用途が食料から燃料に代わろうと、大気中のCO2を
植物が吸収する量には関係ない。
…とするならば、「バイオエタノールがCO2削減に役立つ」のでは
なく、「バイオエタノール増産の目的で、サトウキビやダイズの
生産量が増えた分だけ、そのCO2吸収分が増える」という話であって、
サトウキビやダイズの使用目的が食料から燃料に変わったという
だけでは、大気中のCO2の増加の歯止めにはなんの役にも立たない
のではないでしょうか?
いま、ダイズなどの価格がバイオエタノール需要で高騰しています。
もしも原料植物の大幅生産増をせず、単に用途だけが変わったと
すると、バイオエタノールの台頭というのは、
「貧乏人が飢え、先物投機家や生産者は儲かるけれど、エコロジー
には全く関係ない話」
ということになってしまうのではないか…?と思われて
ならないのです。バイオエタノールが環境によいのではなく、
CO2削減のためにはもっともっと植物を増やしましょうよ、
というのが本筋ではないか、と私は思うのですが…。
私の考えは何か間違っているのでしょうか?マスコミでは
誰もこの話に全く触れていないように思うのですけれど…。
面白半分の回答はできれば避けていただき、多少なりとも
専門知識のある方に真面目にお答えいただけると幸いです。
No.1ベストアンサー
- 回答日時:
●の3つのご指摘は、その通りだと思います。
ただし、バイオエタノールが環境に優しいといわれるのは、その分化石燃料を使わなくて済むのでCO2の排出が抑制される、という考えからきています。ご指摘の通り、バイオエタノールの燃焼により排出されるCO2は光合成によって固定された炭素に由来するので、プラスマイナスゼロと計算されます。化石燃料の場合は、使わなければ固定されたままの炭素が放出されることになるので、プラスのみがカウントされます。
しかしながら、穀物の需要が増え、→価格が高騰、→穀物メジャー・先物投機家が儲かる+途上国の人々が飢える、という側面があるのも事実です。アメリカについて言えば、環境というのは建前にすぎないかもしれません。またアマゾンなどでは、バイオエタノールのために森林を焼いて畑にする、と言う本末転倒のような話も聞きます。
他にもいろいろな反論があります。
http://www.gamenews.ne.jp/archives/2007/10/post_ …
いずれにしても途上国の人々の生活を犠牲にしてまで、今推し進めるべきことではないでしょう。ほかにやるべきことはいくらでもあります。
ただし、現在穀物以外(藻や海藻など)からつくる研究も進んでおり、将来的には有効な手段となるかもしれません。
最後に、
化石燃料を燃やすと空気中のCO2濃度が高まりオゾン層が破壊される>オゾン層の破壊はフロンガス等によるもので、CO2は関係ないと思います。→「化石燃料を燃やすと空気中のCO2濃度が高まり、温室効果によって地球が温暖化すると考えられている。」
この回答への補足
質問者です。すみません。勘違いをしていました。
おっしゃるとおり、CO2は温暖化問題で、
オゾン層破壊はフロンなどでした。
失礼しました。
ありがとうございます。
少しわからないところがありますので質問させてください。
>バイオエタノールの燃焼により排出されるCO2は光合成に
>よって固定された炭素に由来するので、プラスマイナスゼロと
>計算されます。化石燃料の場合は、使わなければ固定された
>ままの炭素が放出されることになるので、プラスのみが
>カウントされます。
このくだり、意味はよくわかるのですが、バイオエタノールだって
使わなければ穀物は食料として消費される=固定したCO2は
放出されない、となるのではないでしょうか?
確かに理屈上ではプラスマイナスゼロではありますが、
現実問題としては、バイオエタノールにしようとしまいと、
穀物は生産されているのであり、CO2は固定されていきます。
わざわざ固定したものを、燃料にさえしなければ、
CO2は再び放出されないのです。
CO2の由来としては、確かにプラマイゼロですが、現実問題としては
無意味な考えではないでしょうか?CO2を減らすには、
あくまでも植物を増やすことが前提で、
バイオエタノールだろうとガソリンだろうと燃料として
使用することでCO2が放出される
という点では変わりがないと思うのですが…。
No.7
- 回答日時:
最近話題になっているバイオエタノールと食物の競合については、米国のトウモロコシとブラジルのサトウキビについては全く実情が異なります。
ブラジルで計画されているサトウキビからのバイオエタノール製造は、アマゾン伐採とは関係の無い同国内3億8千万Haの未耕地の一部で、新たにサトウキビを栽培して原料を造り出すという計画です。
現在雑草以外の植物が育っていない土地に、短期間で成長(二酸化炭素を吸収)するサトウキビを育て、その一部(糖分)を燃焼に使用する訳ですから、繊維分はそのまま炭化水素として二酸化炭素化しないで残る事になります。
残った炭化水素の一部は将来的には化石化する事もあるでしょうし、本当の意味での二酸化排出抑制になると言えます(全体に対するマグニチュードはともかく)。
ブラジルのケースで食物との競合ということなら、それはマンパワーがシフトすると言う事であり、米作りをしていた方が花作りに転作したり、工場勤めをするという事と変わりません。
そう言った経済行為を否定し、「食物作りをしている人間は経済性を無視してもその仕事を変えるな」と言うのは、封建制度時代の身分差別であり人権無視であると言えます。
また、そもそもカロリーを15分の1にする肉牛の生産や、馬鹿げた値段の嗜好物を造る事は、食物の生産である限り是であるのかと言う問題もあると思います。
そもそも人間活動と相反する二酸化炭素排出抑制は、経済発展・維持とは両立しない事は自明であり、矛盾が発生する根源はそこにあります。
しかし現在の自由経済下では、経済的合理性の無い方向性は所詮ボランティアの範疇でしかないため飛躍的規模の拡大は望めません。
大量の植物を一気に育てるには、それによって収益が得られる仕組みが必要であり、無料や数十年後の収益を期待した活動には無理が在ります。
ありがとうございます。
こういう答えが欲しかった…(苦笑)
おっしゃる通り、エコロジーを考える上で、実体経済というものを
考えていかねば、「ああすればこうなる」といった単純な理論や
「みんなで●●しよう!」という情緒的な扇情では何も変わらない
と思います。ご指摘のあった畜産についても、おおいにうなづけます。
人は、儲かるほうに転ぶ。これは鉄則です。この鉄則を曲げることは
出来ません。確かにおっしゃる通りだと思います。
ただ、サトウキビの件についてですが、私が携わったフィリピンの
サトウキビの事例で言うと、糖を搾った後のカス(バガスと
呼びます)は、糖を煮詰めるための燃料としてほとんど消費されて
おり、結局はCO2を放出していたようです。ブラジルのサトウキビでは
どうされているのか知りませんが…。
>人間活動と相反する二酸化炭素排出抑制は、経済発展・維持とは両立しない事は自明
この点については、「現在のところまでの人間活動」という注釈が
必要だと私は考えています。
ひょっとして、将来なにかの発明によってCO2が非常に価値ある
資源となり、奪い合いとなる可能性だってなくもないという
楽観的な希望も捨てるべきではないと思うからです。
何にせよ、エコロジーの問題は幅広い視野から総合的に考えて
いかねばならないということですね。短絡的な悲観だけはすべきでは
ないと思います。
No.6
- 回答日時:
「バイオエタノールだって
使わなければ穀物は食料として消費される=固定したCO2は
放出されない、となるのではないでしょうか?」について
植物が食料や飼料として体内に取り込まれた場合は、
・呼吸によって分解され、CO2が放出される(光合成の逆、炭水化物が水とCO2に分解)。
・あるいは老廃物となって微生物に分解され、CO2が放出される。
・あるいは発酵によってメタンガス(CO2の21倍の温室効果)が放出される。
植物が枯死した場合は、やはり微生物に分解されてCO2が放出される。
植物はCO2(正確には炭素)そのものを減らすわけではなく、一時的に貯留しているだけです。植物はCO2を取り込んで炭水化物をつくり成長し、そして分解や燃焼によって再びCO2を放出するのです。
したがって、
・化石燃料の場合は、本来放出されることのない炭素が放出される。
・バイオエタノールや木質バイオマスの場合は、一年~数十年単位で炭素を循環させているだけなので、そのサイクル内に存在する炭素量は減りもしないし増えもしない、
ということになります。
なお、老齢木を切りまくって、それで木造建築、木製品をばんばんつくって(こうするとCO2を固定したまま保存できる)、切ったところに植林する、こうするとサイクル内の炭素量を減らすことができます。
(老齢木としたのは、50年生を越えるような木は、呼吸量と炭素固定量がほぼ同じか、あるいは呼吸量が炭素固定量を上回り、むしろCO2を放出するため。30年生くらいまでは炭素固定率が高い)。
ありがとうございます。言っておられることは理解できます。
穀物は食料として食べようが燃料にしようが、
ほぼ同じCO2を放出するということでしょうか?
それならば、確かにバイオエタノールは一定のサイクル内で見た
場合、化石燃料に比べてCO2の放出収支は合いますね。
しかし、です。
私の質問の本質は、その理屈が正しいかどうか、ではなく、
穀物の燃料化が果たして地球の環境を人間の好ましいほうに
導くかどうか、なのです。化石燃料の使用を削減した結果、
人間が飢えては意味がないのです。
ということは、やはり、穀物を燃料化することにエコ効果が
あるのではない(バイオエタノールを推奨すること自体には
エコ効果はない)、穀類を含む植物全般をもっと世界的に
増やし、燃料も穀類でなるべく賄うというところまで視野を
拡げて初めてエコ効果があるのだ、というべきではないか?
…と私は思うのですが、いかがでしょうか。
No.5
- 回答日時:
追記補足です
質問者様が
>おっしゃるとおり、CO2は温暖化問題で、
オゾン層破壊はフロンなどでした。
とありますが、下の私が補足の際に示したサイトに
温暖化原因の懐疑論もあります。「懐疑論もあるんだよ」
ということでコレも参考にしてください。
No.4
- 回答日時:
補足です
オゾンというものは、酸素が紫外線に当たること
により生成され
紫外線によって破壊されます。紫外線は破壊するだけでは
ありません。
さらに、温室効果ガス(二酸化炭素)についてですがどうもこの図
(サイト参照のこと、サイトを開いてから左側の「二酸化炭素による地球温暖化」の項目の「CO2温暖化脅威説は世紀の暴論」というところを参照してください。)を見るがぎり異常気象ではなく
海水面温度上昇が原因とも考えることもできます。
また、異常気象ついてですがどうも最近のことばかりにとらわれすぎているようで・・・長期的に見れば異常気象と断言するのはどうかと
思いますが・・・・
(質問者様の参考程度にしてください。)
参考URL:http://env01.cool.ne.jp/index02.htm
No.3
- 回答日時:
全くもってその通りです。
政治的に削減されたとする。というだけです。
特に日本のようにバイオエタノールを外国から輸入して使うようでは二酸化炭素の排出量が増えるだけです。
石油の使用量は減るので環境にいい、ということでしょう。
実際は作物を育てるのにも石油を使っているので無意味ではないでしょうか?
ただしブラジル等ごく一部の場所では、自国で効率の良い作物を生産し、バイオエタノールとすることで、一定の効果はあるようです。
また日本では雑草から効率よくバイオエタノールを作る技術も出来てきています。政府は輸入するよりこちらにお金をかけるべきでは?
しかしどんなに良い技術でも既存の会社が損をするようなものはなかなか受け入れられないでしょうね。
それと自動車にエタノールをいれてエンジンの耐久性は問題ないのでしょうか?
ありがとうございました。
今は空気中のCO2を直接固定化される技術の研究も
進められており、実用性もあるとのことなので、
おそらく地球温暖化に関するCO2の問題はエネルギー転換では
なく、CO2除去装置の普及のような形で解決されるのでは
ないか…という予感がしております。
エンジンとエタノールの関係ですが、エンジンにもよりますが
ガソリンとの混合比が15%ぐらいは大丈夫、いや20%までいける…
などといろいろ議論があるようですが、基本的には100%エタノール
にするためにはエンジンの改造が必要だというような
話だと思うのですが。
だったらスッキリ燃料電池にしてしまえ、という話だと
私は思います。もっとも全世界の内燃機関で化石燃料を
使用しないようにするには長い歳月がかかるでしょうから、
その過渡期の対策として、化石燃料の水増しという意味での
エタノール使用には意味があるのかな、と思っています。
No.2
- 回答日時:
ちょっとだけ補足させて下さい。
■温室効果を持つガス
CO2(二酸化炭素・炭酸ガス)、メタン、フロン、など
■オゾン層を破壊するガス
フロン、一酸化窒素、など
フロンはどちらにも含まれます。
なお、一般的にこれらの影響として、
温室効果ガスの増大は、異常気象の原因になる。
オゾン層の破壊により、紫外線の量が増加し、皮膚がんなどが増える。
といわれています。
ご質問への直接の回答ではありませんが、ご参考までに。
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