シャネルとナチス

ココシャネルについて興味があり、各種文献やネットでいろいろ調べたのですが、いくつか疑問に思ったことがあるので質問させて頂きます。

シャネルは第二次大戦下にスイスでナチス将校と愛人関係にあったという歴史的事実があります。
ナチス占領下から解放されたパリは、ココシャネルをフランスから追放同然にし、ファッション界に復活した時には徹底的に無視し、墓地もフランスではなくかつての亡命先であるスイスにあります。

さて、その他自伝的な部分は知ってる人は知ってるので割愛しますが、

現在シャネルはフランス人にとってどのような位置にあるのでしょうか？

今でもナチスに協力した売国奴として嫌う人がいると聞きましたが、現在でもナチス協力者としてフランス人は嫌悪する人が大半なのでしょうか？
それともそんな事実は知らないとか？どうでもいいとか？
ナチス協力者であるココシャネルは嫌いだけど、彼女がしたファッションにおける革命的なこと（ハンドバッグ、リップスティック、ジャージ素材のスーツ等々）は認めるし、今はどうでもいいじゃないという感じですか？

ココシャネルとナチス将校の関係を知って、『シャネルのマーク』＝『ナチスの卍マーク』のように見えてしまい、なんだか複雑な気分です。

実際日本人で過去の話など知らずただシャネルのファッションが好きな人にはどうでもいいんでしょうが、フランス人にとってのシャネル、ヨーロッパの人達にとってのシャネルが現在どういう位置づけにあるのか、少し疑問に思ったので質問します。

ドイツ人であるカールラガーフェルドがなぜシャネルのデザイナーになったのかにも興味があります。
ただのビジネスとしてでしょうか？（深読みし過ぎでしょうか？？）
やっぱりフランス人はシャネルに抵抗があるから？後継デザイナーなどやりたくない？？

よろしくお願いします。

No.1 回答者： kiki2424 回答日時： 2008/12/25 19:25

フランスに滞在していたこともあるのですが、フランス国内でもてもシャネルはフランスを代表する位置づけです。

「嫌悪する人が大半」というよりは少数だと思います。

昔、何かのインタビューでＬＶＭＨの会長ベルナール・アルノーがグローバルなブランド運営において中心となれるブランドは5つほどしかないとコメントしていました。ちなみにそれは「ヴィトン」「ディオール」「シャネル」「グッチ」だったと思います。あと1つが思い出せません。でもシャネルはフランスはもちろん世界的な知名度があることの証明だと思います。

以前読んだ本にもありましたが、シャネルはデザインならず、その生き方がカリスマ的な人気な支持を得ていたようです。

個人的なイメージですが、シャネルの場合、政治思想とかはどうでもよかったのではないかと思います。ナチスに国を売ったというより、自由奔放な生き方をした、というイメージです。今でいうマドンナみたいな感じでしょうか。。

ただソースのサイトによると、大戦後しばらくメゾンを閉めてますからウラにはなにか理由があったのかもしれませんね。

参考URL：http://www.fashion-press.net/brands/24

この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。

＞あと1つが思い出せません。

そのあと一つはおそらくエルメスではないでしょうか。

＞その生き方がカリスマ的な人気な支持を得ていたようです。

それはアメリカで起こった現象です。戦後の熱狂的なウーマンリブの思想に重なった時期に、女性の解放という点で大きく支持されたのです。
そもそも戦前からシャネルはアメリカで大衆受けしていたブランドで、アメリカでもニセモノが大流行しており（シャネルはそれを認めていた面もある）、戦後にヨーロッパでなくアメリカで受け入れられたのは女性を解放した服飾、という側面からだと思います。
アメリカでのビジネス上の成功が、後にラガーフェルドを迎えるとともに、ヨーロッパでのビジネスの維持発展につながったのではないでしょうか。ここには無論シャネルの政治思想云々などありません。

＞大戦後しばらくメゾンを閉めてますからウラにはなにか理由があったのかもしれませんね。

それはブランドが大きくグローバルになる過程で、ココシャネルは抱えていた職人達を徹底的に酷使し、そのために起こった労働争議とストにココシャネルが嫌気をさしたのです。そして職人達のことなど全く気にもかけずにあっさりやめてしまったのです。

＞個人的なイメージですが、シャネルの場合、政治思想とかはどうでもよかったのではないかと思います。

どうでもよかった、という推測が私にも一番しっくりきそうです。
同じフランス人の同胞やユダヤ人達が大戦中に非人道的な激しい拷問に合い、次々と戦死していく中でも、ナチ高官軍人と愛人関係にあることなど別にどうでもよかったのかな、という風に考えると確かに有り得そうな気もします。ナチだってなんだって別にいいじゃないの、という感じだったのかもしれません。

個人的に一考したのですが、レジスタンスだったオードリー・ヘプバーンと比べると、シャネルは支持も共感もできないですね。
ただデザインが良ければいいとかブランドマークが入っていれば素敵という人には背景などどうでもいい話ですが。

お礼日時：2008/12/26 00:44