No.4ベストアンサー
- 回答日時:
回答番号:No.3 の続きです。
下記を追加してください。
(6)「波動関数が、例えば電磁波のように場の振動が波として伝播する現象なのではないこと」を称して「実在ではない」と言っている。
(波束の収縮は光のスピードを超えること、また光速を超える波束の収縮で光速を超える通信ができるか?というとできないので、
「相互作用を伝える場ではないこと。(もし相互作用を伝える場なら光速を超えないはず。)」
さらに
「情報伝達に使えないということは物理的に何か(例えば場の振動)が伝播する現象ではないこと。」
ということを標語的に「(物理的な)実在ではない。」と言っている。)
No.3
- 回答日時:
「啓蒙書に、波動関数は、実在の波じゃないと書いてあります。
」とのことなのですが、どの本にどのような文脈で出てきた文言なのか具体的に挙げて頂かないと何とも言えません。著作権法違反を恐れてわざとボカしているのでしょうか?著作権法違反となる「盗用」と著作権法違反とはならない「引用」は異なります。
「引用」とみなされるための条件は↓
http://blog.goo.ne.jp/oshietegoo/c/2fd47a0436464 …
※「引用」について
著作権法に定める要件を満たした上で「引用」として例外的に著作者の許諾無しでの転載が認められる可能性を否定するものではございません。一般には以下の条件を満たしていれば「引用」と判断されております。当サポートで検討の結果、明らかにこれらの条件に不足があると判断された場合には、削除・編集の対象とさせていただく場合がございます。
・原著作物が公表されているものであること。
・出所が明示されていること。
・改変がされていないこと。
・引用することに必然性があること。
・本文と引用文の区別が明確であること。
・本文が主、引用文が従の関係にあり、引用の量が正当な範囲内(本文よりも短いもの)であること。
さて本題ですが、正確な文脈が判らないのでキーワードとして
「波動関数」AND (「実在しない」OR 「存在しない」)
で想定される内容を挙げてみます。
(1)例えば電子の場合、位置固有状態δ(x)以外の状態に準備された状態(例えば運動量固有状態Exp(i・p・x/h~) )の電子に別の電子をぶつけても、「単位電荷-eが点状に集中した粒子によってラザフォード散乱される」という結果しか得られない。
「-eの電荷が波動関数の(絶対値の二乗の)空間分布を持って広がっているのではない。(散乱実験はそれを支持しないという意味で。)」ということを標語的に「実在しない」と言っている。
(2)2粒子以上の(一般にはN個の粒子の)波動関数の独立変数は、t,x1,y1,z1,x2,y2,z3,...,xN,yN,zN、つまり波動関数はψ(t,x1,y1,z1,x2,y2,z3,...,xN,yN,zN)であり、3次元空間の波動ではない。
そういう意味では「波動関数は3次元空間に実在しない。(我々が住んでいる3次元空間の存在ではない。)」
(1粒子の波動関数だけは特別に3次元空間の波動として解釈ができるが、2粒子以上の一般の波動関数は3次元空間の波動として解釈することができない。)
(3)波動関数はψ(x)=<x|ψ>は必ずしも独立変数がxである必要はない。例えば運動量表示すればψ(p)=<p|ψ>。
というか抽象ヒルベルト空間の状態ベクトル|ψ>が本質であり、当然のことながら|ψ>は3次元空間に存在しているものではない。(抽象ヒルベルト空間に存在している。)
(4)一般の混合状態を記述する波動関数は存在しない。波動関数で記述できるのは純粋状態のみであり、(純粋状態を含む)混合状態を記述できるのは密度行列。
(5)自由粒子の位置固有状態や運動量固有状態の波動関数はヒルベルト空間のベクトルとして存在できない。(δ(x)やExp(i・p・x/h~)は絶対値の二乗を全空間で積分したときに無限大になるため。)
たぶん(1)か(2)だとは思いますが...
あと老婆心ながら、
ψ(x)を実数関数U(x)、V(x)を用いて、
ψ(x)=U(x)+i・V(x)
と書き、シュレーディンガー方程式にψ(x)=U(x)+i・V(x)を代入して
実部と虚部を分離すれば、シュレーディンガー方程式は実数関数U(x)、V(x)の連立偏微分方程式で表現できます。
もし、質問者さんの読まれた啓蒙書の文脈が、回答番号1の
"複素関数(波動関数)に対して物理的意味を与えることが出来ない"
なのでしたら、U(x)、V(x)のセットで波動関数を表現すれば、実在することになります。
たくさんの例、ありがとうございます。
文脈ですが、たしか、都築卓司さんの本で読んだ記憶があるのですが、
詳細は、忘れてしまいました。すみません。
(1)は、なるほどですね。
|ψ>の|x>への射影は、f(x)|x>と表せ、これを全て寄せ集めたものΣf(x)|x> は、元の|ψ>であり、
この「寄せ集めたもの」に対して理想測定|xn><xn|すると
δ(x-xn) つまり X軸上のある点xn で、広がり0の分布
つまり点となって、点として相互作用する
ということでしょうか。
(5)は、連続固有値の問題ですね。
でも、これは、何とかしてヒルベルト空間に入れないといけない
と、僕は理解しています(具体的なやり方は理解できませんが)
僕も、あれこれ調べていたのですが、
清水明「新版 量子論の基礎」のp78に、
「(波動関数は)音波のような普通の波とは違う。
音波の振動数や位相は、、、、可観測量の大きさや時間変化の様子を表しているが、
波動関数の振動数や位相は、位置や運動量とかの可観測量の確率分布を通してしか、計ることしかできない。
そういう意味で、波動関数は、可観測量でない」
とあります。
No.2
- 回答日時:
時間に対して実際にデデキントの切断をやった人はいないわけですから、時間が本当に実数なのか証明されていませんね。
また、宇宙は有限だと思われているから、そこにある粒子数も有限。したがって、ペアノの公理の成立も疑わしいから、自然数の実在も怪しいですね。というのは、半分冗談、半分本気です。計測、計量という行為を行って、物理量というものを出すと、それが数としての性質をみたす。それが実数の場合もあれば、複素数の場合もある。私としては、実数や自然数が存在するというなら虚数や複素数も実在するし、虚数が実在しないなら、実数も自然数も実在しないという意見です。こういう見方からすれば、波動関数も実在と言っていいと思います。私はその意見です。ただ、如何に述べるように、量子力学的観点からは、波動関数は古典論における波と決定的な違いがあります。その観点から実在が疑わしい、というか証明できないということもできます。
ご存知のように、(位置)波動関数とは、位置固有状態の重ね合わせとして状態ベクトルを表現した時の、展開係数です。つまり、波動関数で表現できる状態は、位置の固有状態ではありません。したがって、位置の観測を行うと、非0のどこかで観測されます。確率解釈で言えば、同じ状態に対して無限回の観測を行った場合に、観測確率が波動関数の絶対値の二乗に比例することになります。しかし、位置固有状態にない状態に対して観測を行えば、必ず状態は壊れ、元の状態にすることは出来ません。したがって、原理的に同じ状態に対して無限回の観測を行う事は不可能なのです。例えば、エネルギー観測に対して同じ結果を与えるから、同じ波動関数であると見なし、それらの集団に対して観測を行った結果の集合は得ることができます。しかし、『原理的』には、その観測対象が同じ波動関数の集団であったことは証明できないのです。また、同じ波動関数と見なせる状態が常に手に入るとは限りません。つまり、観測による波動関数の収縮が避けられない以上、未知の状態に対する波動関数を特定することは不可能なのです。これは量子暗号の基本原理でもあります。
観測対象を破壊せずに物理量の空間分布および時間変化を観測により特定できるとする古典的波動と、この点で波動関数は大きく異なっています。
僕の言う「実在」とは、
「観測してみないと結果はわからないけど、結果は観測の前から決まっている」
という意味のつもりで、
Kochen-Specker (1967) 状況依存性定理 の帰結:
「測定に依存しない=観測する前から決まっている ことは不可能」
というのが「非実在」の意味のつもりです。
>未知の状態に対する波動関数を特定することは不可能なのです。
>これは量子暗号の基本原理でもあります。
知りませんでした。ありがとうございます。
No.1
- 回答日時:
一般的に,シュレディンガー方程式を解いて波動関数を求めると,解である波動関数は複素関数となります."複素関数(波動関数)に対して物理的意味を与えることが出来ない".という意味で実在の波ではないと言うことかと思います.これは数学的には証明出来ないと思います.実在するというのは数学ではなく物理の問題だからです.
じゃ波動関数は何なんだという話になりますが,2乗して確率分布を表すというコペンハーゲン解釈が一般的な考え方のようです.さらに何で波動関数が複素関数なのかについては,原子や電子,光の振る舞いは粒子性と波動性の2重性があるという話を量子力学の最初に習ったかと思います.この粒子性と波動性を持たせようと思うと,波動関数に大きさと位相という物を持つ必要が出てくるため複素関数になってしまうのだと思います.
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