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気体の圧力について

気体の圧力は気体分子の引力が影響するのに、気体と壁の分子の引力が影響しないのはなぜですか?

単純に壁の分子は動き回らない(固体)だからとかそんな理由でしょうか?

A 回答 (6件)

補足です。



気体の圧力は容器の壁に分子が衝突することで説明されています。
その考え方は気体分子運動論という名前で呼ばれているものです。
高等学校の物理の教科書には出てくると思いますが化学では出てきません。
化学の教科書ではその結果を踏まえた
「圧力は衝突の衝撃力の平均を単位面積当たりで表したものである」
というような表現だけが載っているだけのように思います。
分子運動論で得られた圧力の表現の中には運動エネルギーの項が含まれています。
(・・・)×(mv^2/2)という表現になっています。

でもこれは結果です。エネルギーを使ってこの式をだしたのではありません。
vは容器内を飛び回っている気体分子の平均の速さです。vとmvは別々の所で使われて出てきています。
衝突回数を計算するときにvが使われています。1つの分子の衝突によって壁に働く力の累積値(力積)を求めるのにmvが使われています。これらの積をある短い時間Δtについて考えて平均しているのです。
熱平衡状態が実現していれば衝突によってエネルギーが変化することは考えなくていいでしょうから弾性衝突であるとしています。衝突によって分子の運動の平均の速さは変化しないということになります。
圧力は容器内を飛び回っている分子の平均の速さで決まっています。
壁との衝突で速度が変わりますが壁からある短い距離の範囲でどういうことが起こっているかを考える必要はありません。影響が小さいから無視しているというのでもありません。
衝突の後、壁からの影響がなくなる距離(多分、μm程度以下でしょう)以上離れたところで衝突の前と同じ速さになっているとすれば自動的に出てくることなのです。

分子間力は飛びまわっている分子と分子の間に働いている引力です。
常に引っ張り合っているのですから自由に飛び回ることが少し制限されています。
温度が同じでも平均の速さvが少し小さくなるのです。圧力が少し小さくなります。

もしあなたが言うように衝突後、壁からの引力で分子の速さが衝突前の速さにまで回復しないとします。分子は衝突を繰り返すたびにエネルギーを失っていくことになりますからだんだんと温度が下がって行きます。その分だけ壁にエネルギーが渡されているのですから壁の温度が上がります。初めに平衡状態が成り立っているとするとこういうことは起こらないはずです。壁を作っている粒子(分子の場合もイオンの場合もあります)も熱振動を動していますから同じ温度であれば平均的にはエネルギーのやり取りは生じないとしているのです。
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この回答へのお礼

たくさんの回答ありがとうございました。
理解するのが遅く、色々と質問してしまいすみませんでした。

壁分子と気体分子の引力が常に働いていて、それも分子の平均の早さに影響するのだとずっと思い込んでいました。また、気体分子運動論も理解していませんでしたので、圧力がどういう風に定義づけられているのかわかっておりませんでした。

壁分子と気体分子の引力は衝突の速さの変化に影響を及ぼすが、
熱平衡状態が成り立っているのなら弾性衝突して、反発の力によって
衝突後と衝突前の速さは同じになるはず
→だから分子の平均の速さには影響を及ぼさない
よって、気体の圧力には影響しない

このように理解しました(不充分であればすみません。)
まだ圧力の関係式の導出のあたり、自分でも勉強が不充分だと思いますので、テキストなど参考に勉強してみたいと思います。

とてもわかりやすい回答ありがとうございました。
お付き合いいただいてありがとうございます。

お礼日時:2010/08/16 14:22

>しかし、壁と分子の引力が非常に大きいものであれば、


壁への衝突速度はもっと遅くなりますよね?

どうしてでしょうか。
エネルギーが保存している衝突であれば
衝突の前(壁との相互作用が働き始める前)の速さと衝突の後(壁との相互作用がなくなってから)の速さは同じです。運動の向きだけが変わっています。
この間で徐々に速度変化が起こります。
跳ね返るためには必ず大きな反発力が働いていなければいけません。
初め引力があったとするとそれを上回る反発力があるのです。
引力が働いているときは壁も引っ張られています。
引力、反発力、引力の3段階を通っています。
何回も書いていますが圧力は壁に働く力の累積値(力積)から決まります。
一回の衝突の時間の中で力がどう働くかではなくてトータルでどれだけの力が働いたかです。
この力積は衝突の前後(壁との相互作用によって起こる速度変化が完了するのに必要な時間よりも長い時間で考えた「前後」です)の運動量変化で与えられます。
速さが同じで向きが変わっただけという変化では運動量変化は衝突時間内の速度変化の詳細には関係しないのです。

>衝突速度の変化が補正項に関わっているのであれば、
壁分子の影響も考慮に入れるべきなのではないでしょうか?

分子の運動の平均の速さの変化と、壁との衝突による速度変化とをごっちゃにしています。
温度を変えれば平均の速度が変わります。分子と分子の間の引力というのは平均の速さを変えているのです。同じ温度であったとしても分子間の引力がある時の方が少し平均の速さが小さいのです。
壁との衝突で起こるような一時的な速度変化ではありません。

力学で衝突現象について勉強されているはずですね。
もう一度復習してください。

簡単な例で考えます。
2種類の速度変化があるということについてです。
ある高さから床にボールを落として跳ね返る場合です。
跳ね返るのですから速度変化が起こっています。
この変化はボールと床の接触によって起こります。
どういう力が働いているかの詳細は分かりません。
でも跳ね返ったあとのボールが上がった高さが同じであれば力の累積値(力積)は同じです。
ボールの受けた力の累積値(力積)と床の受けた力の累積値(力積)の大きさは同じです。向きは反対になります。これは作用・反作用の法則から出てきます。
もし落とした堅さと同じ高さの所まで跳ね返ってきたらエネルギーが保存しています。衝突の直前と直後の速さが等しい事になります。
落下させる高さを変えると衝突の直前の速さが変わります。
それが衝突によって変化します。

分子運動の平均の速さが変わったというのはこの例で言うと落とす高さを変えたというのに相当します。

別の例です。
平らな床があるとします。
ここでボールを転がします。
床の途中になめらかに作られた小さなくぼみがあるとします。
転がってきたボールは一度くぼみに入ってまた出てきて転がり続けます。
くぼみに入る前の速さと出てきてからの速さが等しければエネルギーは保存しています。
くぼみを通過する途中では速度変化が起こっているはずですが出てきてからの速度は同じであればくぼみがあることを気にしなくてもいいということになります。
くぼみが深ければくぼみの中での速度変化が大きいはずですが関係ありません。どんな形のくぼみであるかも関係がありません。
穴が小さければ床の上での運動を考える時間に対してくぼみを通過するのに必要な時間を無視してもいいだろうということも言えます。
くぼみの代わりに小さなこぶがあっても同じです。
ボールを転がすときの初速を変えることと、くぼみやこぶを通過するときに起こる速度の変化とは区別する必要があリます。

壁との衝突による速度変化はくぼみの中でおこっている速度変化に対応します。
ボールを転がす初速を変えるというのは分子の平均の速さを変えるという事に対応します。
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#2、#3です。


圧力についての補足です。

圧力には平均操作が入っています。
ある短い時間についての平均とある小さい面積についての平均です。
たくさんの分子が衝突するということによって起こる現象をを1つの圧力という量で表すのですから平均で考えているというのは当然です。
そういうことは承知していると大抵の人は考えるでしょう。
でももう一つ平均が含まれていることに気が付かないことが多いようです。
時間平均が二重に含まれているのです。
考えている時間スケールが異なります。
(1)1つの分子の衝突の起こっている時間、壁との相互作用で分子の運動の速度に変化が起こっている時間t1についての平均
(2)十分な数の分子が衝突してゆらぎのない圧力の値が決まると考えられる時間t2についての平均

教科書に載っている気体分子運動論の説明では(2)の場合の時間t2しか出てきません。
でも衝突の効果を力積で考えているというところにも平均がはいっています。働いている力を瞬間値とか最大値ではなくて累積値で考えています。教科書では1つの衝突についての力の累積値(=力積)をさらに足し合わせて時間t2で平均しています。
1つの衝突での力の累積値をt1で割ると1つの衝突の中で働いている平均の力の大きさが求められます。1つの衝突の中での力の累積値をたくさんの分子について足し合わせてt2で割るとある分子の衝突と次の分子の衝突の間の、力の働いていない部分まで考えた平均の力を求めていることになります。平均の力のさらに平均を考えていることに対応します。

圧力が壁と分子の間に働いている力の内容には依存しない、トータルとしての速度変化だけに関係するというのも累積値(=力積)で考えているということからでてきました。

この回答への補足

少しわかったような気がします。
壁分子との気体分子の間に引力が働いていたとしても、
圧力の意味的には、既にPの中にその影響が含まれているということですよね。

壁分子との影響を全てひっくるめたある圧力Pがある

それに対して分子ー分子の引力が影響してくるため
ファンデルワールスの補正が必要となる

ということでよろしいでしょうか。

補足日時:2010/08/13 11:29
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この回答へのお礼

詳細な回答ありがとうございます。
圧力に関する理解が足りないのかもしれません。
もう少し勉強してみたいと思います。

もしよろしければもうひとつ教えていただけないでしょうか。
P+a/V^2のa/V^2が、分子間引力の補正項ですよね?
理想気体ではなく、実在気体の場合は、引力が働くため、壁への衝突速度が遅くなる、だから補正項が必要
ということはわかりました。


しかし、壁と分子の引力が非常に大きいものであれば、
壁への衝突速度はもっと遅くなりますよね?

衝突速度の変化が補正項に関わっているのであれば、
壁分子の影響も考慮に入れるべきなのではないでしょうか?

自由に動き回る分子に対して、
固定された壁というのがポイントなのでしょうか。

本当に頭が悪くもうしわけありません。
もしよろしければご回答頂けるととても助かります。

お礼日時:2010/08/09 21:30

#2です。



>圧力というのは、単位面積あたりに衝突する分子の力ですよね?
もし壁との引力が含まれているなら、気体同士の引力もPに含まれているのではないでしょうか?

Pはどの場合にも測定された圧力です。
T、Vも測定された値です。
測定された圧力の値がRT/Vに等しければ理想気体です。
たいていはこの値に近くなります。でも少しずれます。
ずれの程度を表すためにZ=PV/RTという量がよく使われます。
理想気体で考えた値よりも実測のPの値が小さければZ<1になります。メタンではT<510KであればZ<1、T>510KでZ>1です。
ある温度よりも低いところでは分子間の引力の影響が無視できなくなるのです。
#2に書いたようにT=300K、P=10気圧でZ≒0.98です。

分子と分子の間に引力が働けば壁にぶつかって行く時の分子の速さが小さくなるのです。後ろに引っ張られているのですから当然です。温度が同じでも引力のある時とない時では速さが変わってきます。

この速さをVとします。平均の速さです。
壁と熱平衡状態にあれば衝突によって変化しません。
衝突によって平均の速さが小さくなれば温度が下がったということです。これは壁の方の温度が気体の温度よりも低かったということになります。平衡状態が実現していれば壁も気体も同じ温度のはずですからこういうことは起こらないとしていいのです。
衝突の前(壁の影響で速さが変わり始める前)の速さと衝突の後(壁の影響で起こる速さの変化が終了した後)の速さが等しいと考えていいだろうということになります。
これを踏まえて弾性衝突という言葉を使っています。
向きが変わっただけで速さは変わっていないのですからエネルギーも変化していません。

この2つの状態の間では運動の速さも向きも変化しています。徐々に変わっているか急に変っているかは分かりません。でもトータルとしての変化は同じなのです。
圧力はこのトータルの変化に対応しています。
「力積」という言葉を使いますが働いている力の累積という意味です。
急激に大きな力が働いたかゆっくりと時間をかけて小さい力が働いたかに依らずトータルの速度変化が同じであれば力積は同じなのです。
「運動量の変化はその変化の間に働いた力の累積値(=力積)に等しい」と表現されています。
力積を力の働いていた時間で割ると平均の力が求まります。圧力はこの平均の力で決まります。

短い時間Δtの間に起こる衝突からその時間内での単位面積当たりの力積の総和を求めます。これをΔtで割るとΔtという時間内で働いている単位面積当たりの平均の力が決まります。それが圧力です。

>圧力というのは、単位面積あたりに衝突する分子の力ですよね?

ここが違うのです。圧力にはある時間、ある面積での平均操作が入っています。
十分な数の衝突が起こるような時間幅と面積とを考えています。
分子1つ、または数個しか衝突しないような短い時間、小さな面積では圧力が定義されません。

壁との間に働く引力は無視したのではありません。
どういう力がどのように働いたかに無関係なのです。
ただ跳ね返った後の速さがぶつかる前の速さと同じだとしていいだろうということだけを前提としています。
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>気体の圧力は気体分子の引力が影響する、



ヴァンデルワールスの状態方程式はこの引力を考慮に入れた式ですね。
#1様は理想気体の話をされています。
このずれは「高度に精密な測定」でなくてもかかってきます。
メタンでも300K,10気圧でZ=PV/RTは1から数%ずれてきます。
水や二酸化炭素ではもっと影響が大きいです。

>気体と壁の分子の引力が影響しないのはなぜですか?

壁と気体分子の間に引力が働けば引っ張り込まれるから衝突の時の衝撃に違いが生じるのではないかということですね。
でも圧力が分子の衝突による衝撃(力積)の総和で表されているいうことで言えば既に考慮済みになっています。

力学で出てくる2体衝突を考えてみてください。
A、B2つの物体が衝突して跳ね返るという現象では必ずAとBの間で力が働いています。
この力が作用・反作用の法則を満たしていれば運動量の和は変化しません。

力が働いている時間よりも長い時間で考えていればA,Bの運動は速度一定になります。
この場合、力の内容は問題になりません。はじめ引力でそのあと反発力に変わるという力の変化がどういう範囲で起こっているかは問題にならないのです。その力の働く範囲の外で物体の運動を考えています。運動量の変化は終了しています。運動量の変化が力積です。力積は一定になります。

単位面積当たりの力積の総和をある短い時間Δtに対して求めて圧力を出します。この時間Δtは衝突時間τよりも十分に大きいという条件で考えていますから上の条件は成り立っています。

ついでに
静止している均一でなめらかな壁と弾性衝突をするというのも1つの近似です。
壁と分子の衝突も壁を構成している粒子との衝突です。
壁を構成している物質の分子、またはイオンも熱運動をしています。
衝突した時のエネルギーのやり取り、衝突による運動方向の変化などは熱的なゆらぎの中での平均的なものでしか考えることができないはずです。この衝突によって気体の温度が壁の温度と同じになるということが実現しています。壁の方の温度が高ければ分子は衝突によってエネルギーをもらいます。
熱平衡が成り立っていれば、衝突によってエネルギーは変化しないだろうと考えています。

この回答への補足

たびたびすみません。

圧力というのは、単位面積あたりに衝突する分子の力ですよね?
もし壁との引力が含まれているなら、気体同士の引力もPに含まれているのではないでしょうか?

なぜ壁だけは別物として考えるのでしょうか。
頭が悪く、すみません。。

補足日時:2010/08/05 14:55
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この回答へのお礼

詳細な回答ありがとうございます。
すみません、頭が悪くていまいち整理できていないのですが、

・非理想気体のとき、圧力は気体分子の引力が影響が無視できない
・壁との引力は無視していいのか?→ぶつかる・跳ね返るという現象の中で結局引力と反発力が打ち消しあう

ということでよろしいでしょうか?

気体分子同士には打ち消しあう反発力は存在しないのでしょうか?

あまりわかっていなくてすみません。また回答していただけると嬉しいです。

お礼日時:2010/08/05 13:53

>気体の圧力は気体分子の引力が影響する


そりゃ、高度に精密な分析をすればファンデルワールス力の影響はあるでしょうが、通常の気体の圧力は[引力」とは全く無関係です。
気体の圧力はほぼ純粋に気体分子の直線運動の結果です。
特に壁は重要で、圧力は実際には「壁にぶつかる」分子の時間あたりの数×分子の運動量で決まります。
壁とは基本的に「完全弾性衝突」と考えられます。
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