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国際法における世界主義

刑法4条の2の世界主義が具体的にどのような場合に適用されるのかイメージがつきません。



犯罪地、被害者、犯人の国籍にかかわりなくってどういうことなんでしょうか?

ハイジャックが例と言われていますが・・・。どういうことでしょうか?
具体例をあげて解説お願いします。

A 回答 (1件)

刑法4条の2の世界主義について、説明する前に、刑法の適用範囲について説明します。



 第1条において、刑法は基本的に国内犯(ようするに日本国内[およびそれに準ずる船舶・航空機内]で犯された犯罪)に対して適用しますと宣言しています。

 ただし、第2~4上に規定された件に関しては、第1条の例外(犯行が行われたのが外国でも)とします。

  第2条で規定された犯罪[内乱罪など]は、適用(犯人が外国人でも)します。
  第3条で規定された犯罪[殺人など]は、犯人が日本人であれば適用します。
  第3条の2で規定された犯罪[殺人など]の被害者が日本人の場合、適用(犯人が外国人でも)します。
  第4条で規定された犯罪[公務員職権濫用など]は、犯人が外国人でも日本の公務員として雇われた者の場合、適用します。(外国の大使館の現地採用員など)
  第4条の2は、条約の規定が別途有る場合に適用します。(後述)

 第4条の2が適用される例をハイジャックで表すと

  犯人:アフガニスタン国籍を所有した無職の男性
  ハイジャック機:イギリス籍の民間機
  犯行現場:アメリカ国内
  被害者:欧米人[日本人は含まれない]
  犯行後の犯人の潜伏場所:日本

 この様な場合、刑法の第1~第4条には該当しませんから、日本の官警は犯人を逮捕できないのですが、日本は「航空機の不法な奪取の防止に関する条約」を批准している為、第4条の2に該当し、犯人を当該国に引き渡すか、日本の法律に従い犯人を処罰する義務を背負っている事に成り、その義務を果す事が出切る様に設けられた項目が第4条の2に成る訳です。

航空機の不法な奪取の防止に関する条約 第七条

 犯罪行為の容疑者が領域内で発見された締約国は、その容疑者を引き渡さない場合には、その犯罪行為が自国の領域内で行なわれたものであるかどうかを問わず、いかなる例外もなしに、訴追のため自国の権限のある当局に事件を付託する義務を負う。その当局は、自国の法令に規定する通常の重大な犯罪の場合と同様の方法で決定を行なう。
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