
No.8ベストアンサー
- 回答日時:
>コメントした人が、光速が一定だと信じている?ということに、驚きました。
ある意味、驚いて当然だと思います。
>いろんな条件下で光速が一定というのは、ある種の仮定ではないのでしょうか?
物理の基本原理に数学的な証明はありませんから、もちろん仮定ではあるんですが、そうすると、どれくらいの検証を受けたか?、という事になりますよね?。
光速度不変の原理を謳った特殊相対性理論をアインシュタインが提出したのは、1905年です。まるごと一世紀以上前です(意外な事に?)。そして光速度が不変かも知れないという事実は、それに関する実験結果の他に、理論的にも一部では予想されていました。アインシュタイン以前に(19世紀に既に)です。
歴史的には光速度不変には、2つの意味があります。不変にしか観測できないのか?、それとも本当に不変なのか?の2つです。
アインシュタイン以前の光速度不変は、「不変にしか観測できない」ほうでした。当時すでに、原子や分子の結合力は電磁的なものであろうと予想されていたので、例えば物体がある方向に走れば、その方向に電磁場が圧縮され、その影響で物質はいっせいに縮まり、光速の観測装置の長さ基準も変化するので、結果として光速の変化を測れないといったものです。
この方向はローレンツ-ミンコフスキーらが理論として完成させ、有名なローレンツ収縮仮説になります。特殊相対論には、全く同じ式が出てきますが、光速度を不変にするローレンツ変換などは、アインシュタイン以前にすでに知られていました。ただしこれらは、電磁現象という一つの物理効果を考慮した、いわば物性論による解決で、既往の基本仮定をひっくり返すようなものではありません。
いっぽうアインシュタインも最初は、光速は変化すると思っていたようです。じっさい高校時代にコンデンサーを利用して、光速の変化を測定する実験を考えたが、気が小さすぎてやらなかったと、自伝に書いてあります。その後、光速が不変になるように、時間と空間そのものが遅れたり縮んだりするのでないか?、つまり本当に光速不変でないのか?、と考えるようになりますが、その根っこには「物理法則の不変性」という考えがあります。
19世紀末には、光速度不変の実験結果とともに、誰かが「物理法則の不変性」から「光速度不変の原理」を、試論として言い出しても良かった状況ではありましたが、名を残したのはアインシュタインだけです。そしてアインシュタイン自身も1905年にいたる前には、光速度不変に関する余り物理の論文らしくない、発見的試論をいくつも提出しています。
1905年の時点で、時空間が変化するという考えは、やはり相当にショッキングなものでした。アインシュタインのノーベル賞は、本当か嘘かわからんという事で、相対論に関するものではありませんし、シッフはローレンツ-ミンコフスキーの理論で同じ結果を出せるという事で、アインシュタインの相対論の業績を認めていません。時空間が変化するなんて考えなくて良い、という訳です。
物理の本職ですら、当初はこんな具合だったのですから、今のような状況になるのには一世紀以上かかりました。ローレンツ-ミンコフスキーの理論の延長でも、原爆や原発や重力レンズやGPSに関して、たぶん似たような結果を出せるはずです。数学的には特殊相対論と、全く同等ですから。ただしローレンツ-ミンコフスキーの物理モデルでは、それは数学的な見せかけになるので、本当にそういう事が起こる気は、余りしません。ところが、それらは現実になりました。ここで同等な数学的結果に対する、物理的解釈が変わったんですよ。時空間は本当に変化するんじゃないの?、と。
もう一つは「物理法則の不変性」という考えの、生産性です。この考えを相対論以外の基礎理論に適用すると、ここ一世紀の間、量子論から素粒子論,統一場理論,宇宙論までカバーして、本質的な進歩があったからです。「物理法則の不変性」の考えは、本当そうだ。だとすれば、それから出て来た時空間の変化も、光速度不変の原理も、本当に実在する現象だろうと。
要するに光速度不変の原理に関しては、まるごと一世紀以上かけて、アマチュアが考え付きそうな事は全部やり尽くした上に、肯定的結果もたくさん手に入って、誰も反証できなかった事になります。とりあえず、信じてみませんか?・・・(^^)。
※ローレンツ-ミンコフスキーにとって光速度不変は、一つの物理現象にしか過ぎませんでしたが、アインシュタインの光速度不変は原理なので、それだけで物理法則が(宇宙の構造の一部が)決まる事になります。ミーハー心まる出しで言うと、これだけで信じたくなります・・・(^^)。
※とは言え、仮定は仮定です。ブラックホールの中でなくても、原理的に光速度は可変とする理論を試している、まっとうな理論物理学者は現実にいます(有名ではないですが)。その動機付けも、トンデモではありません。
この回答へのお礼
お礼日時:2012/06/17 12:44
回答ありがとうございます。とても、わかりやすく答えていただいて、勉強になりました。おもしろいですね。とりあえず、信じてみましょうか。
No.7
- 回答日時:
媒質中での光の速度は、真空中のものより遅いことが知られています。
水中のチェレンコフ光などが有名でしょうか。空気中でも真空中よりは遅い速度になっているはずです。ということは、実際に宇宙空間(真空)で光の速度を測定した人は居ないのかも?
話は変わりますが、物理学では「物理定数は定数か?」という疑問があります。真空中の光の速度も、はたして定数なのか、時間(あるいは何かに)依存するような変数なのか、まだはっきり分かっているわけではありません。
最近は重力を疑問視するのが少し流行りのようですが、光速度が変わると重力の強さが変わるらしく、そのあたりを色々と研究している人もいるようです。
いろいろと疑問を持つことは良いことだと思います♪
No.6
- 回答日時:
こういう風に考えるのはどうでしょう。
電磁気の現象はすべてマックスウェルの方程式で記述されています。
その式の中には電気的な相互作用を表す式、磁気的な相互作用を表す式が含まれています。
マックスウェルの式を使うと電磁波を表す波動方程式を導くことができます。その式の中に出てくる波動の伝わる速さは電気的な相互作用を表す係数、磁気的な相互作用を表す係数の両方で表されています。この速さが測定されていた光速の値に一致したのです。
光は電磁波だということが分かりました。
電気的な相互作用を表している式の係数、磁気的な相互作用を表している式の係数は普遍定数です。間に物質があれば変わりますが真空であれば同じ値です。地球上での値と他の星の上での値が変わるということはありません。そうであれば2つの定数で決まる光の速さも定数であるということが出てくるだろうということになります。
光の速さは電気的、磁気的な相互作用の伝わる空間自体の性質から決まるのだということです。
No.5
- 回答日時:
ニュートリノが光速より速いというのは測定の誤りということで撤回されました。
いろいろな条件下で真空中の光速が一定というのは相対性理論の根源ですが、カーナビに使うGPSでさえ相対性理論に基づく補正を行わないと実用できないわけで、仮定とか仮説というレベルではないです。将来新しい理論が生じる可能性はありますが、光速度は一定でないとなる可能性はゼロです。
No.3
- 回答日時:
光速が一定というのは、光速度が一定のはずが無いという前提で多くの実験が行なわれましたがどのような方法で、条件で測定しても一定なので事実として認めて理論体系が完成されただけです。
ニュートリノが光よりも速い、という実験結果が事実であれば理論体系が壊れてしまうので重大な報告として大騒ぎになったのです・
この理論体系とは、私たちの宇宙空間は3次元時空で距離は時間の関数であると言うことです。
この理論からE=mc^2が導かれウランを使った爆弾や原子炉で莫大なエネルギーを取り出すことができる可能性が明らかにされ、実際に核爆弾や原発が作られるようになりました。
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