No.5ベストアンサー
- 回答日時:
早々の折り返しありがとうございました。
昼の休憩を利用しての回答ですので、推敲の至らない部分がございましたら、御寛恕の程をお願い申し上げます。「修辞技法としてのメタファ」であるならば、典型的な言葉が幾つかあります。一つは芥川の『鼻』に使われている、例の「傍観者の利己主義」、そして菊池寛の作品『形』のタイトルそのものがメタファであるといえます。
更に言えば、同じ芥川の作品『侏儒の言葉・続侏儒の言葉』も同じ系列に分類される作品といえます。今の時点で思い浮かんだのはこれ位ですが、また思い出したときにでもご返事させていただきたいと存じます。
有難うございます。
貴重な昼休みに、わざわざ恐縮です・・・。
もしまた書き込みを頂けるようでしたら、あらためて夏目はどうかをご教示いただければ幸いです。
よろしくお願い致します。
No.4
- 回答日時:
コメントありがとうございました。
早速ですが本題に入らせていただきます。漱石も龍之介も共にメタファの名手として知られてもいます。漱石がなぜそうであるのかといえば、彼は日本国内で大きな転換点を目の辺りにしていますが、同時にロンドン留学に際して、一人西洋社会の中に放り出された日本人として内なるギャップにも苦しみます。
それが結実したのが帰国後の一連の作品であり、また同時にデビュー作の『猫』もあります。『猫』に関して言えば、あの作品はかなり退屈ですが、それでも猫目線で見た人間社会の滑稽さを突然に西洋化していく日本の姿と考えれば、これはメタファ以外の何物でもありません。
恐らくは質問者様と僕との間で「メタファ」に関する定義の仕方が異なるとも考えますが、坂口安吾も横光利一も共に上昇志向ではなく典型的な下降志向に属する作家達です。ではなぜ下降志向がメタファであるのかといえば、人間が生きて行くには常に次の日の予定やら将来といった不確かな事象のために、あれやこれやと算段するのが常であり、彼等はそうした枠組から少し外れた所から時代の中に生きた人間の生々しい姿をとらえようとしています。この点がまさに「合わせ鏡としてのメタファの性質」と言えるかと存じます。
「合わせ鏡」とは一枚の鏡に映った画像(逆像)を反対側にあるもう一つの鏡に映せば正像を結ぶとのあの話です。もしも坂口が正像のままで作品を綴っていたならばそうはならなかったはずで、一度捻ってから書く作業をメタファに求めたともいえます。
これが安部公房ならば更に解りやすい形で、実際にはあるはずのない出来事が日常の中に滑り込む形で綴られ、読み進める間にそれが何時の間にか不思議でなくなってしまうから、何とも言えない雰囲気を醸し出しもします。『壁』にせよ『赤い繭』にせよ、そして『方舟さくら丸』にせよ、そうした非日常性をテーマとするならばどうしてもメタファの力を借りねばなりません。非日常を通して日常の持つ残虐性が垣間見られるとの独特の人間観察手法ともいえます、それもユーモアを配しながら。
これが芭蕉ならば、送り側による「全ての無駄な言葉を排した形」で読み手に届けられもします。「蛸壺やはかなき夢を夏の月」。この句は芭蕉が須磨を訪れた時の作品です。
一見して、叙景詩のような印象を与えもしますが、この句が持つ本質的な部分は「須磨」で詠じたこと、にあります。須磨はその昔、平家一門が都落ちしていく最初の地ですが、同時にここは背後に急峻な崖が迫っていることでも知られる一ノ谷の地であることも確かです。
前には瀬戸内の海が広がり、急峻な崖と更には義経が選りすぐった軍勢が背後には迫ってもいます。文字どおり、入ったが最後の一方通行出口なしの状況とその後の平氏の行く末を詠じた作ともいえます。
こうした点は句でなければ、しかも芭蕉でなければできない仕掛けともいえるでしょう。無駄な言葉を全て削ぎ落とし、尚且つそこでなければならない場所でしかその句を詠ずることか芭蕉ならではともいえます。
回答ありがとうございます。
とてもわかりやすいです。
文中に「メタファに関する定義」とありましたが、おっしゃるとおり、「今回の質問での意図」がもっと単純な表現でのメタファです。
今回ご指導いて頂いた意味でのメタファはつきつめていけば世の中、人生全て「メタファ」とも言える解釈とも言えます。
嫌いではないのです。
好きです。
そういった部分を楽しみたいです。
ただ、ご説明の論理だと人が小説を書いた時点で全て作品はメタファと言えなくないように思います。
そうではなく、もっと技法的な隠喩活用としてのメタファについてご教示いただければ幸いでした。
No.1
- 回答日時:
第一に考えられるのは、夏目漱石でありそして芥川龍之介です。
それと対称的にメタファを駆使した作家達もいて、その代表格が坂口安吾や横光利一であり、戦後作家の代表格としては安部公房さんや星新一さんそして現代作家である平野啓一郎さんを僕は挙げます。古典を遡れば、そこに加わってくるのが芭蕉であり、彼が師と仰いだ西行がおります。そしてこの二人を鮮やかに読み解いたのが竹西寛子さんであり、辻邦生さんです。
あとは文章的にいいますと、政治学者である丸山眞男さんの文章が典型的なメタファの集積であることも知られています。
ついでに申しますと、詩人と呼ばれる方々の作品が殆どメタファに依存することで成り立っているともいえ、その代表格が中島みゆきさんです。
早速の回答有難うございます。
夏目はどの作品でも楽しめますか?
またその後の紹介して頂いた方々は「駆使」しているとの事でしたが、夏目は駆使はしていないのですか?
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