昨日スイミング・プールというフランス映画を見ましたが、難しくて頭の中がまとまりません(涙)夕べはあまり眠れませんでした。
正解はない映画のようなのですが、みなさんの解釈を教えて下さい!

A 回答 (2件)

>未来世紀ブラジルって御覧になった事がありますか?これも全くわかりませんでした。

もし解っていらしたら、教えて頂けないでしょうか?

私は未見です。
たしかTerry Gilliamのずいぶん前の作品ですよね。
他には何本か観ているのですが、はずすことが多くて。上記の作品は面白いとは聞いているのですが、なぜか食指が動かなくて・・・

Ozonは日本公開前にある所で初期の短編を観てからずっとファンなので、馴染みがあるのですが。短編の「サマードレス」が強烈な印象でした。あのころから考えると、フランスの監督で日本でこんなメジャーになるとは思わなかったですね。他のオゾン作品もご覧になってください。とりあえずはスイミングプールの二人、シャーロット・ランプリングの「まぼろし」とかセニエもでている「8人の女」とか。
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私の解釈では・・・



一言で言うと、この映画は「創作する過程」を描いた映画だと思います。最後の数分でどんでん返しがあるわけですが、私たち観客は最後の出版社のシーンに至って、ようやくオゾンの仕掛けに気付くのです。つまり南仏リュベロンの別荘でサラが窓から眺めた光景や物語の展開はすべて彼女の想像の産物であるのかもしれないと。

オゾンはインタヴューにこう答えています。創作するという行為では現実とフィクションの境界がなくなり、どこまでが現実でどこまでがフィクションの世界なのか分からなくなる、よくインスピレーションの源はと聞かれるが、僕は映画作家だし、その答えを映画の中でしたつもりだ、と。

彼も言っているように、私はこれは殺人事件ミステリーでも、女性の葛藤でもなく、「創作とは、フィクションはどこから生まれるか」ということを描いていると思います。その創作の過程で作家自身が物語の中に没入し、自分自身も物語の展開につれて変わっていくわけです。いかにも典型的イギリス人ミステリー作家のサラが、徐々にフェミニンになっていく様は、流石オゾンだと思いました。自分の想像の産物が自分の肉体に作用していくプロセスの描き方は秀逸で、その空気を捉えるのが本当に巧者です。

スイミングプール自体も象徴的です。オゾンの言葉を借りれば、それは映画を映すスクリーン同様、作家のイメージ(映像)を写すスクリーンなのです。最初、プールにはカバーがかかっていて、サラはなかなかプールに入ろうとしません。サラはスランプ気味のミステリー作家で、インスピレーションを得るために南仏の別荘に来たわけですが、ジュリー(実はジュリア)が彼女の生活に闖入してきて、静かであるはずの生活が乱されるようになります。実はそれがきっかけとなりサラは創作のインスピレーションを得ます。やがて、サラはプールに入るようになるのですが、それは彼女の創作が始まったということをあらわしているのではないでしょうか。

最後の最後に別荘の持ち主である出版社のシーンで、出版業者の娘ジュリアが現実として現れ、その後にプール際で微笑むジュリー(セニエ)のショットがジュリアのショットに変わりますね。これで、ジュリーというのは本の登場人物であり、プールサイドのことも殺人事件に至る過程もすべて、彼女が書いていたストーリーだったということをほのめかしていると解釈しました。

そして、その本のタイトルがスイミングプール。劇中劇のように、いれこのように、仕掛けは何層にもなっているのです。サラが生み出したジュリーの存在、それは時には親子のように、時には女性としてのライバルのように、時にはサラの過去と現在の葛藤のようにも思えます。ジュリーの存在を生み出すことや、彼女の傷やマルセルの扱いなどいろいろ心理学的な解釈もできるでしょうが、ここでは触れません。とにかく現実的には、サラはイギリスの家では年老いた父親を抱え、バーのカウンターでウイスキーのストレートショットを飲むような、女性というよりは男性的にミステリーを書いている作家です。その彼女が創作したジュリーという存在によって、彼女と生き、彼女自身も影響を受けていくのです。

サラが書いたものをプリントアウトして読むシーンの挿入が何度かありますね。あれは現実の部分なのです。彼女が書きながら窓から眺めるスイミングプール、それはフィクションの世界のことなのです。四角いフレームの中で、揺れ動く水に反射する光。

作家というのは(映画作家も含めて)インスピレーションの源は些細なディテールにあり、そこから全く別の世界へと境界を超えていくということを、オゾンは言いたかったのではないでしょうか。

シャーロット・ランプリングとの前作「まぼろし」も現実と想像の世界をテーマにしていましたが、これも同じテーマだといえると思います。映画のプロットとしては特に目新しくはありません。デビット・リンチの「マルホランド・ドライブ」アメナバールの「Open your eyes」(バニラ・スカイのオリジナル)「アザーズ」などの方が現実とフィクションの扱いがよりショッキングでした。それに比べ、この作品を見終わった後、オゾンは随所にオゾンらしいショットや色彩感覚を見せるものの、物語の仕掛けとしてはいつもの毒が少なくインパクトも弱かったという印象を抱きました。ディテールがいかにもステレオタイプで楽しく、その遊び方にオゾンらしさを感じましたね。

リュベロンというのは、イギリスの作家のベストセラー「プロバンスの12ヶ月」の舞台だし、一番笑えたのは、サラの服装です。いかにもわざとらしいスコットランド風チェックとかトレンチとか、モビレットで村を訪ね歩く時とか、彼女の書くミステリー小説のタイトルとか、いわゆるクリシェが多用されていて、遊び心がありました。観客はついセニエやランプリングの裸に惑わされて、官能的とか言ってしまいがちですが、私はそれよりも細かいディテールにオゾンのエスプリを感じましたね。

これはあくまで私なりの解釈ですが、きっと百人百様の解釈があると思います。

これで少しは眠れるでしょうか?
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この回答へのお礼

どうもありがとうございます!なるほどですね。
オゾンのインタビューからしてもcoupdemainさんの解釈があっているように思います。
殺人事件やジュリーのお腹の傷やジュリーの母親のことなどは、すべて彼女の書いていた物語だったんですね~(納得・・・・。)
なんともおしゃれで面白い映画ですね。他のオゾンの作品は見た事がないので、見てみたくなりました。

また、ここまで細かく解釈できるcoupdemainに尊敬してしまいます。
そしてまた質問なのですが、未来世紀ブラジルって御覧になった事がありますか?これも全くわかりませんでした。もし解っていらしたら、教えて頂けないでしょうか?

お礼日時:2004/06/30 07:13

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