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自宅が浸水被害…被害状況に応じた様々な支援や、落雷発生時の正しい行動とは

自宅が浸水被害…被害状況に応じた様々な支援や、落雷発生時の正しい行動とは今年も各地で豪雨による被害が発生している。毎年のように起こる大雨や雷に、不安を感じている人もいるだろう。「教えて!goo」にも、「ゲリラ豪雨の予測精度は?」と、その発生を予測したいというユーザーから質問が寄せられていた。落雷や洪水は命の危険を伴う場合もある。すぐにできる対処法があるのなら知っておきたいという人も多いはず。そこで、防災システム研究所所長の山村武彦さんに、雷や水害時の対処法に加え、もしも自宅が浸水被害に遭ったらどうすべきか話を聞いた。


■雷の対処法


そもそも雷とはどんな現象なのか。

「雷は、雷雲(らいうん)から発生する放電現象です。その放電が稲光で、光った後(または同時)に落雷が起き、雷鳴が聞こえます」(山村さん)

雷鳴が聞こえる範囲は周囲約10㎞といわれているそうだが……。

「雷鳴が遠くても雷雲が大きい場合は落雷に巻き込まれる恐れがあります。稲光と雷鳴との時間差がある場合でも同様です」(山村さん)

雷鳴が聞こえたら、雲がこっちにむかっていないか注意したい。避雷針がある建物は安全だろうか。

「避雷針は、落雷から建築物や工作物を守るものです。高さ20m以上の建築物及び煙突、広告塔などの工作物、指定数量の10倍以上の危険物を取り扱う製造所などに設置義務があります。しかし避雷針があっても落雷する恐れがある上、高さ20m以下の建築物に落雷の危険性がない訳ではありません」(山村さん)

落雷の中でも被害が多いものは、主に2種に分類されるそう。

「直撃放電を受ける『直撃雷(ちょくげきらい)』と、樹木や建物、人等へ当たった落雷放電が伝播する『側撃雷(そくげきらい)』です。日本では、落雷死傷の多くが樹木の下で雨宿り中の側撃雷によるものといわれ、適切な知識と安全行動は必須です」(山村さん)

雨宿り中も危険とは……具体的な安全行動を挙げてもらった。

「湖沼や川、海、土手、堤防、広場、樹木、電柱から離れ、ビルや家屋、車の中に入って下さい。屋外や野原等で逃げる場所がない場合は、しゃがんで目をつむって両手で耳をふさぎ、足を揃えて爪先立ちをする『雷しゃがみ』をして下さい」(山村さん)

落雷から身を守る「雷しゃがみ」は、地面からの電流を防ぐ効果があるそうなので覚えておきたい。

「傘やゴルフクラブなど先の尖った長いものは畳んで手放し、地面に寝かせて離れます。屋外イベントなどは直ちに中止し、ビルの中などに避難します」(山村さん)

山村さんの経験則では、最後に雷鳴が聞こえてから30分間、次の稲光や雷鳴がなければ平常行動に戻ってよいとのこと。目安にしよう。


■水害の対処法


浸水被害の場合は、どうすればよいのか。水害の恐れがある場所から教えてもらった。

「海抜の低い場所や、海抜が高くても河川の集まる盆地、周囲と比べて低い場所、河川の流域の低地です。国土交通省が作成した浸水想定区域に日本の人口の36.9%が住んでいます。そのうちの27.5%が、住宅の1階が水没する想定3m以上の浸水区域に居住しています」(山村さん)

浸水リスクの高い場所に住んでいる人が少なくない。被災を回避するには、ハザードマップでの事前確認が必須だそう。

「ハザードマップは、自然災害が発生した場合の被害内容やその範囲を予測し、避難場所などを地図上に表示したものです。大雨警報や線状降水帯情報などが発表された地域で、1m以上の浸水想定区域に住んでいる人は、避難指示が出ていなくても明るいうちに避難して下さい」(山村さん)

最近の大雨で亡くなった人の約9割が逃げ遅れによるものとか。他人事と思ってはいけない……。


■自宅が浸水被害に遭った際の対処法


実際に浸水被害に遭った際、片付けや応急修理を行う前に、被災状況を記録する必要があるようだ。

「浸水箇所にメジャーをあてスマートフォンやデジカメで撮影します。損傷した建物や設備は様々な角度から撮影して下さい。いずれも日付を入れておくとなおよいです。記録できたら市区町村の窓口で罹災(りさい)証明の申請を行いましょう。役所の担当者が現場を調査し被害認定が確定すると、『罹災証明書』が発行されます」(山村さん)

罹災証明書があれば、被害状況に応じ様々な支援を受けられるという。

「共済金や保険金の受取、仮設住宅などの入居や家賃補助の申請が可能です。また、国民健康保険料や税金、損壊家屋の解体廃材、災害ごみの処理費用、学費などの減免を受けたり、被災者生活再建支援金の申請や受領もできます」(山村さん)

いかがだっただろう。突然の雷や豪雨にも慌てず対処するには、日頃からの知識や準備が不可欠だ。被災した場合には、浸水被害だけでなく、状況を記録し必要な支援を受けられるよう落ち着いて行動しよう。


●専門家プロフィール:山村 武彦
1964年新潟地震を契機に「防災システム研究所」を設立。以来、世界中で発生する災害の現地調査を実施。企業や自治体の社外顧問やアドバイザーを歴任し、災害に強い企業、社会、街づくりに携わる。連載「南海トラフ巨大地震」(講談社)をはじめ著書も「台風防災の新常識」(戎光祥出版)など多数。

画像提供:AdobeStock
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