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1915年に日本が中国につきつけた、21ヶ条要求の評価を知りたいです。
21ヶ条の要求は以下の通りですが、第1号、第2号はアヘン戦争来の列強の侵略の延長線上にあり、ある程度の妥結の可能性があるのに対して、第4号と第5号は欧米の列強がとてもじゃないけど容認するとは思えません。日本は自身が置かれた国際環境を無視するような要求をどうして出してしまったのでしょうか?

第1号 山東省旧ドイツ権益の割譲。
第2号 旅順・大連の租借期限の延長。南満州鉄道の期限延長。南満州・東部内モンゴルの権益の拡張。
第3号 漢冶萍公司を日中合弁に(漢陽・大冶・萍郷の鉄・石炭の確保)。
第4号 中国の沿岸島嶼を他国に不割譲とする。
第5号 中国政府は日本人の政治・経済・軍事の顧問をおく。警察は日中共同とし,兵器はすべて日本より輸入。日本人の学校・病院・寺院に土地所有権をあたえる。日本人の布教権の容認。長江(揚子江)地域の日本の鉄道敷設権の容認。

A 回答 (1件)

こんばんは



 第一次世界大戦の勃発に際して、イギリスは日英同盟に基づき、東洋のドイツ勢力の一掃=参戦を要請します。しかし、日本はこれを日露戦後の不況から脱却する「大正新時代の天佑」と位置づけます。さらに、元老井上馨が「東洋にたいする日本の利権を確立せざるべからず」と唱えたように、東アジアでの勢力拡大に利用しようとします。

 こうした日本の「ホンネ」を知ったイギリスは、参戦要請を撤回しますが、日本はそのまま参戦します。表向き「日英同盟の情宜」、ホンネは(言葉は悪いですが)「火事場泥棒」ですね。

 そのような中で、中国での勢力拡大を狙ったのが二十一か条要求ですが、日本が獲得目標としたのは、第一号と第二号(特に関東州、満鉄の期限延長)です。

 ご指摘の第五号は「希望条項」であり、秘密条項でした。もっとも、この要求は、質問氏もご指摘の通り、中国を属国化するもので常識的にのめるものではありません。したがって、前4項をのませるために、あえて譲歩してもかまわない取引材料として五号をいれた、と指摘する研究者もいます。(こっちは引っ込めるからあとは認めろよ、それくらいいいだろう、って手ですね)

 アメリカなどは、当初日本の行動に特に反対はしていませんでしたが、中国政府が五号の存在を暴露すると、日本への警戒心を高め対日批判を強めます。このことは、中国を元気づけ交渉は難航し、そのうちイギリスも日本に対し五号の撤回を通告してきます。

 その結果、日本は中国に対し、五号については「留保」したうえで他の項目について最後通牒を発し、5月9日に受諾に追い込みます。

 ご参考までに、失礼します。

 
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます
要求は計算されたものではなく、その場の短慮だったんですね。
いくら秘密外交の時代だとしても、5号はちょっとやりすぎではないかと思います。希望条項という言い訳も苦しいですよね。4号要求も列強が容認できるとは思えないし。
短慮の結果、英米を敵のほうへ追いやり、日本の国際的孤立を招き、太平洋戦争の遠因になったかと思うと、やりきれない思いがします。

お礼日時:2006/03/17 20:48

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