No.4ベストアンサー
- 回答日時:
他の方の回答にある等に、人は出生によって権利能力を取得し、権利義務の主体となります。
で、胎児に権利能力を認めるということは、例外であることになります。
この例外を認めるのは、公平の観点からです。
民法を含めて、法律上の価値観では、偶然の事情によって権利を取得したり、しなかったりすることを嫌う傾向があります。
不法行為を例にとって、考えてみます。
AB夫婦に胎児であるCがおり、Aが6月1日に交通事故で死亡した、という事例を考えます。(Bが母親です)
このとき、母親であるBが不法行為に基づく損害賠償請求権を709条、710条、711条により取得することなります。
ところが、胎児については、6月1日の交通事故の時点で出生していなければ権利能力を認めることができないのですから、不法行為に基づく損害賠償請求権を取得することはできません。
つまり、胎児B(後に生まれたAの子)は、いくら損害があっても保護されないことになります。(母親Bの損害賠償金から事実上保護を受けられる
点は省きます)
これに対して、6月1日の交通事故の1分でも前に出生していれば、間違いなくAの子という人として、不法行為に基づく損害賠償請求権を取得できます。
ところが、よく考えてみると、胎児がいつ母親の体からでてくるかということは、時間的にも確実に予測できません。出産予定日といっても数日ずれることがあるのです。
子の出生の時間と、交通事故の発生した時間は、全くの偶然により決まってしまいます。
にもかかわらず、この二つのケースでは、子(胎児)の保護の必要性について、何ら変わりがありません。
ということで、不法行為の発生時点の前に出生した胎児と、後に出生した子の間の公平を保つために、法律の規定によって、胎児にも不法行為に基づく損害賠償請求権を認めることができるようにしたのです。
もっとも、母親の胎内に胎児がいる間に、胎児自体に権利能力を認めることを意味するのではありません。
胎児が現に出生した後に、損害賠償請求権については、権利能力の取得時点を胎児の時点にさかのぼらせるということです。
これは、遺贈と相続についても、同じようなことがいえます。
相続については、被相続人(相続される側)が死亡する時点と、胎児が出生して相続権を取得する時点が、全くの偶然によって先後が決定されることにより、偶然の結論の違いを避けるため、法律の規定によって、胎児にも権利能力を認めたのです。
遺贈については、遺言により財産を譲渡することをいいますが、遺贈する人(遺贈者)が生存している間に遺言をする必要があります。
ここでも、遺言者の死亡と、胎児の出生による遺贈を受ける権利(受遺能力ともいいますが)の取得が偶然の事情によって先後を決せられます。
そこで、この偶然の結果を避けるために、胎児に権利能力を認めたのです。
No.3
- 回答日時:
胎児が生まれて来てから権利能力を与えると、不具合が生じるからです。
胎児は生まれてくる可能性が極めて高いので、そうしたのです。
具体的に言えば、胎児が生まれる前に父親が事故で亡くなったとします。
遺産相続する際に、胎児に権利能力が与えられなければ相続権が無く、既に生まれている子には相続権がある事になります。
本来、子供には相続権があってしかるべきで、後に生まれるであろう胎児に相続権を与えないのは合理性に欠けており、法倫理に於いても問題であります。
したがって、死産のときには権利を失うという逆の考え方です。
http://www9.ocn.ne.jp/~ishigami/Jouhouteikyou/So …
No.1
- 回答日時:
えーと…
原則を言えば、権利の享有主体となるのは出生からですから(民法3条)、
胎児は権利の享有主体とはなりません。
胎児が生まれた人と同じ権利能力をもち得るのは
・不法行為による損害賠償請求(721条)
・相続(886条)
・遺贈(965条)
だけですが、これがなぜなのか、という質問でしょうか?
この3つに関わる権利は将来に向けた権利なので、
未来に権利の主体となり得ることが確実なのに今の状態だけで主体としないのは
バランスに欠けると考えられているからでしょう。
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