天使と悪魔選手権

ここの分野での質問でいいのかちょっと迷いましたが・・・

『人間のからだを作っている細胞はすべて同じ遺伝情報をもっているということで、ではなぜ組織によって形態や機能が異なっているのでしょうか・・・』

生物学的に、生化学的に(?)わかりやすい答え方ってありましたら教えてください。

A 回答 (4件)

おっしゃるとおりで、人間のからだを作っている細胞は、ひとつの受精卵の細胞が分裂してふえたものです。


したがって細胞の核のなかにある遺伝子は同じです。遺伝子(DNA)にはヒトの場合、約3万種類あると言われていますが、それが機能するためには、それぞれの遺伝子から(1)それぞれのRNAが合成され、さらに(2)それぞれのRNAから蛋白質が合成されねばなりません。そして実際にはたらいているのは、この蛋白質なのです。(1)を転写、(2)を翻訳といいますが、その転写、翻訳がそれぞれの遺伝子ごとに、細胞によって異なる制御を受けているのです。つまり内臓の細胞では、内臓の働きに関係の有る遺伝子(X)からRNA,蛋白質が合成されているのに対して、皮膚の細胞では、Xの遺伝子そのものはあるけれども、そこからRNAや蛋白質はほとんど合成されていません。このような違いが細胞ごと、遺伝子ごとにあり、その結果、全くおなじ遺伝子をもっていても、細胞の働きや形態などがまったく異なったものになるのです。ひとつの受精卵の細胞から、このようにいろいろな性質をもつ細胞に変わっていくことを「細胞の分化」といいます。
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No2です。

補足をしておきたいと思います。

オペロン説とは、大腸菌を使った実験から考察されたものなので、厳密に言えば、原核生物・真核生物の全ての遺伝子発現が同じしくみというわけではありません。

ただ、遺伝子発現の制御機構に関する研究の基礎となる説です。乱暴な言い方かもしれませんが、大雑把な捉え方をすると「調節タンパク質が遺伝子発現のスイッチになる」という点で多細胞生物にも通用する考え方です。

調節タンパク質にもいろいろありますが、一つの例で言うとホルモンによる遺伝子発現の調節です。
ある種(ステロイド系)のホルモンは腺細胞から分泌され、血液の流れに乗って別の細胞にたどり着きます。その細胞の中に進入したホルモンは細胞内のあるタンパク質と結合します。すると、タンパク質は調節タンパク質へと変形し、遺伝子発現のスイッチがONになります。

このように、他の細胞から与えられた物質によって遺伝子発現が制御されることは多細胞生物でも確かめられていることです。
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それぞれの遺伝子が異なった発現調節をうけ、どこでいつ発現するかが異なっているからです。

これを遺伝子の差次的発現といいます。
以前書いたものがありますので、
http://oshiete1.goo.ne.jp/qa2594806.html

一般教養としてはそれだけ知っていれば十分だと思います。それ以上は、大学レベルの講義や、専門課程の内容ですが、是非お知りになりたいというのなら、さらに質問してください(適当な書籍を見繕って紹介します)。

なお、オペロン説は原核生物(細菌)の遺伝子発現調節に関することなので、多細胞生物の発現調節の理解には、ほとんど通用しないと思っていいです。
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細胞は、所有している遺伝子をいつでも全て使っているわけではありません。

特定の細胞が、特定の遺伝子を、特定の時期だけ使っていると考えてください。

では、どのようにして使う遺伝子と使わない遺伝子を操作しているかというと、オペロン説で説明することができます。
説明し始めると長くなるので、下のHPを見てください。

http://www.aichi-c.ed.jp/contents/rika/koutou/se …

要約すると、ある物質がスイッチになって遺伝子の発現を調節しているわけです。ここがポイントです。

ヒトの体は一個の受精卵が細胞分裂をくり返して形成されます。この受精卵の内部(細胞質中)に含まれる物質は均一ではないと考えられます。そのため、最初の細胞分裂で作られた二つの細胞は、同じ遺伝子を持つものの、細胞質中には異なる物質を持っているのです。おそらくそれが引き金になると考えられます。同様に細胞分裂をくり返す中で、受精卵のときにあったある物質(物質A)を多く持っていた細胞は、それが原因で遺伝子Aを発現させタンパク質Aを作ります。別の細胞は、別の物質(物質B)が原因となり遺伝子Bを発現させタンパク質Bを作ります。このように、細胞によって異なる遺伝子が働き始めるのです。
さらに、タンパク質Aは物質Cの合成に関与し、その物質Cが隣の細胞に向けて分泌され、物質Cによって隣の細胞が遺伝子Cが働き、タンパク質Cが合成された結果、細胞が分化するという現象(誘導)も考えられます。
このように、それぞれの細胞が持つ物質(又はその濃度)が異なるため、使われる遺伝子が異なり、その結果、異なった形態や機能になるのです。

参考URL:http://www.aichi-c.ed.jp/contents/rika/koutou/se …
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