民法536条について教えてください。よろしくお願いしますm( __ __ )m
「前二項に規定する場合を除き」 というところです
(債務者の危険負担等)
第536条
1項
前2条に規定する場合を除き、当事者双方の責めに帰することができない事由によって債務を履行することができなくなったときは、債務者は、反対給付を受ける権利を有しない。
2項
債権者の責めに帰すべき事由によって債務を履行することができなくなったときは、債務者は、反対給付を受ける権利を失わない。この場合において、自己の債務を免れたことによって利益を得たときは、これを債権者に償還しなければならない
となっていますが・・・・・
「前二項に規定する場合を除き」 というところがよく解りません;;
これは534条の
第534条
1項
特定物に関する物権の設定又は移転を双務契約の目的とした場合において、その物が債務者の責めに帰することができない事由によって滅失し、又は損傷したときは、その滅失又は損傷は、債権者の負担に帰する。
2項
不特定物に関する契約については、第401条第2項の規定によりその物が確定した時から、前項の規定を適用する。
での・・・・・ 「1項」の一番最初に書いてある、
「特定物に関する物権の設定又は移転を双務契約の目的とした場合において」
というところの「特定物」にあたるものなのでしょうか?
としたら、536条は、「不特定物」に関する物件の設定又は移転を双務契約の目的とした場合ということになるのでしょうか?
でも、534条2項で不特定物の場合はその物が特定されたときに、同条(534条)1項の規定を適用するとなっているので、「不特定物」に関しては、そもそも危険負担は無いのですよね?だとしたら、やっぱり536条の「前二項に規定する場合を除き」のところが、解りません;; いったい、なにを指しているのでしょうか??
あと、もうひとつ解らないことがあります;;
534条の「特定物」の場合で・・こんな事例があったとして・・・
落雷等(危険負担のパターン)で債権者(買主)の過失で売買物件(たとえば甲(売主) 家屋→すなわち「特定物」)を消失した時があったとしたら、同条(534条)の、↓
「その物が債務者(売主)の責めに帰することができない事由によって滅失し、又は損傷したときは」
によって債権者負担になるのでしょうか?
それとも536条2項の
前二条の規定する場合を除き・・・・・・「債権者」の責に帰す事由によって債務を履行することが出来なくなったときは・・・・によって債権者負担になるのでしょうか?
僕にとっては大変難しい条文です;;
どなたか ご解答願えませんでしょうか?
よろしくお願いいたしますm( __ __ )m
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
この条文(536条)から読み取れることは,民法の原則は,危険負担についての債務者主義であり,その例外として,534条,535条の場合が定められているということです。
>でも、534条2項で不特定物の場合はその物が特定されたときに、同条(534条)1項の規定を適用するとなっているので、「不特定物」に関しては、そもそも危険負担は無いのですよね?
「危険負担」について誤解があると思います。
危険負担は,不特定物か特定物か関係なく発生する問題であって,そのルールを定めているのが,534条から536条です。536条が,債務者の危険負担が原則であることを定め,534条,535条がその例外,そして,534条2項は,不特定物の危険負担が債務者から債権者に移る時点を定めています。
そもそも債務者には債務を履行する義務がありますから,何らかの理由により完全な履行ができない場合,債務者が反対給付を受けられない,つまり危険を負担するのが原則です(536条1項)。これは,債務の履行ができなくなれば,債権者が給付を受けることができなくなることとの公平性から考えても,妥当な考え方でしょう。
もっとも,債権者の責めに帰すべき事由がある場合には,債務者にその負担を負わせることは公平の観点からも適当ではありませんから,債務者は自らの請求権を失わないのは当然ですが,公平の観点から,過剰な利益が債務者に存しないようにバランスをとっています(536条2項)。
特定物については,契約後の値上がり等の利益を債権者が受けることから,危険についても債権者に負わせることが公平,との考え方などから,債権者主義とされています(534条)(ただし,534条を条文通りに適用すると,物の引渡しを受けていない債権者にとって酷なので,適用場面を限定する方向で考える人が多い)。
また,
>落雷等(危険負担のパターン)で債権者(買主)の過失で売買物件(たとえば甲(売主) 家屋→すなわち「特定物」)を消失した時
については,「債権者の過失」が明らかであれば,危険負担の問題にはなりません。
危険負担が問題になるのは,基本的に,どちらにも責めに帰すべき事由がないときです。
ありがとうございます!
「この条文(536条)から読み取れることは,民法の原則は,危険負担についての債務者主義であり,その例外として,534条,535条の場合が定められているということです」(un_chan様のお答え)
大変参考になりました!^^
536条では、「前二条に規定する場合を除き」となっているので・・
きっと、「前二条に規定する場合を除くすべての双務契約」のことだから、こちら(536)が原則と見るということなんですね^^
それと
「特定物については,契約後の値上がり等の利益を債権者が受けることから,危険についても債権者に負わせることが公平,との考え方などから,債権者主義とされています(534条)」
こちらをお教えいただいて、すごく、危険負担の債権者負担についてイメージがわきやすくなって助かりました!!
本当にありがとうございます^^
No.1
- 回答日時:
>「前二項に規定する場合を除き」 というところがよく解りません
「前二項」ではなく、「前二条」ですよね。第536条の前二条ですから、第534条と第535条を指しています。(第536条の前条ならば、第535条を指しますし、第536条の前三条ならば、第533条、第534条、第535条を指します。)
「前二条に規定する場合を除き」というのは、第534条及び第535条の適用がされない場合、第536条第1項の規定が適用されるという意味であり、第536条第1項は、危険負担に関する原則を規定した条文です。
>としたら、536条は、「不特定物」に関する物件の設定又は移転を双務契約の目的とした場合ということになるのでしょうか?
危険負担は、物の引渡し債務についてのみ問題になるわけではありません。例えば、雇用契約における労務を提供する債務でも問題になります。
>「不特定物」に関しては、そもそも危険負担は無いのですよね
確かに不特定物の場合、特定されるまでは、滅失したとしても、その不特定物の引渡し債務は履行不能になりませんので(市場に物が存在する限り、債務者は、その不特定物を調達する義務がある。)、危険負担は問題になりません。しかし、制限種類物の引渡し義務ように危険負担が問題になることもあります。
>落雷等(危険負担のパターン)で債権者(買主)の過失で売買物件(たとえば甲(売主) 家屋→すなわち「特定物」)を消失した時があったとしたら、同条(534条)の、「その物が債務者(売主)の責めに帰することができない事由によって滅失し、又は損傷したときは」によって債権者負担になるのでしょうか?
債権者の過失で落雷により建物が滅失するというのは想定しづらいですが、建物引渡の債務者(売主)には過失がないが、債権者(買主)の過失により滅失した場合は、民法第536条第2項の適用になります。(第2項では、前二条を除くとは規定さていません。)
ご回答いただき、ありがとうございます!
前2項×→前2条○ でした。書き間違えてしまいました^^;
(僕の疑問)
536条は、「不特定物」に関する物件の設定又は移転を双務契約の目的とした場合ということになるのでしょうか?
↓
(buttonhole様のお答え)
危険負担は、物の引渡し債務についてのみ問題になるわけではありません。例えば、雇用契約における労務を提供する債務でも問題になります。(第2項では、前二条を除くとは規定さていません。)
のおかげで、僕の疑問がひとつ解決できました^^ 上記(第2項では、前二条を除くとは規定さていません。)というところは、前2条は「特定物や不特定物の時の危険負担を定めている」ので、「536条2項の債権者負担」は特定物でも不特定物(ただし不特定物はそのものが特定されてからか、制限種類物の時だけ)でも両方入るのですね^^
そもそも「特定物か不特定物のどちらかという僕の疑問」は、勘違いだったのですね!
だから・・・
(僕の疑問)↓
落雷等(危険負担のパターン)で債権者(買主)の過失で売買物件(たとえば甲(売主) 家屋→すなわち「特定物」)を消失した時があったとしたら、同条(534条)の、「その物が債務者(売主)の責めに帰することができない事由によって滅失し、又は損傷したときは」によって債権者負担になるのでしょうか?
といったような、「債権者(買主)の責めに帰すべき自由があるときに危険負担があったような時・・・(債務者(売主)が家を引き取りに来てくれと言っているのに、債権者(買主)が、いつまでたっても甲家を引き取りにこない←(所有権は移転してるのだけど、お金がまだもらえてない時で、「受領遅滞」が債権者の過失)なんかの時に落雷で家が燃えてしまった」は536条2項により、債権者負担にしましょうということなんですね!^^
本当にありがとうございました!^^
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