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こんにちわ、
日本刀素材についての質問ですが
電解鉄を使った日本刀は、試し切りなどに
耐えられないのでしょうか?
現代刀はみな電解鉄を使用して作刀されているのでしょうか?
玉がねを使ったものより品質は落ちるのでしょうか?
電解鉄とは、どのようなものなのでしょうか?

詳しい方おねがいします。

A 回答 (3件)

洋鋼を科学的に精練して造られるものが電解鉄、水素還元鉄です。


鉄鉱石や砂鉄から最初に鉄(広義)を造るのを「製練」と言い、それを元に更に別の鉄(広義)を造ることを「精練」と言います。「製」と「精」の文字の違いに注意して下さい。鉄(広義)は炭素の含有量に依って鉄(狭義=炭素量の少ない軟らかい鉄)、鋼(炭素量=中、焼入出来る)、銑鉄(炭素量=多い、硬くて脆い)の三種に分かれます。
電解鉄は炭素を少量しか含まない純鉄に近いもの(本当の純鉄は製造が難しい)です。
結論から言うと日本刀に使えます。過去も今も使われています。
そのままでは刀の材料には不適ですから、火窪で吸炭させて鋼にします。これを卸し鉄法(脱炭も含む)と言い古来から行われていた手法です。小倉陸軍造兵廠の作刀実験で水素還元鉄と電解鉄は卸して使うと和鋼との性質差は殆どありません。玉鋼も卸して使います。刀の強度試験では水素還元鉄刀が和鋼(主に玉鋼=たまはがね)の刀より総てに勝っていました。
只、鋼材だけで刀の優劣は決まりません。鋼の含有元素、炭素量、刀身構造、鋼材組織、焼入などの要素が総合して決まるものです。
問題なのは、日本刀に関する虚構が世間の隅々に浸透していることです。刀剣界の常識は殆ど嘘だと言うことです。洋鋼は不純で和鋼(玉鋼)が最も優れているとか、日本刀は玉鋼で造られる言うのが虚構の典型です。ここでは紙面の都合で詳しいことが書けませんが、下記のサイトをご紹介しますのでご覧下さい。
http://www.h4.dion.ne.jp/~t-ohmura/gunto_111.htm 日本刀関係
http://www.k3.dion.ne.jp/~j-gunto/gunto_096.htm 電解鉄関係
http://www.k3.dion.ne.jp/~j-gunto/gunto_028.htm 刀全般目次
かなりのページ数のサイトですが、鉄やたたらの知識を含めて殆どの情報が網羅されています。

参考URL:http://www.k3.dion.ne.jp/~j-gunto/gunto_028.htm
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 玉がね=玉鋼(現在では『たまはがね』と呼んだ方が通りがよいでしょう)は、砂鉄から作った和鋼の最上級のモノを示し、『たたら吹き』という直接製鋼法で製造される為、現代製鋼法(間接製鋼法)では除去し切れないケイ素、マンガン、リン、硫黄等が極限まで排除された非常に純度の高い特殊鋼です。

(鉄ではありません、鋼です。)

 一方電解鉄とは、鉄塩水溶液の電解によって得られる『純鉄』の事を指します。コイツはケイ素、マンガン、リン、硫黄ばかりでなく炭素も含まず、文字通り純粋な鉄に限りなく近い素材です。(故にコイツは鋼ではありません、単なる鉄です。)
 鉄というものは本来ヘナヘナの金属ですが(広く知られている『鉄の性質』は、実は炭素を初めとする微量の不純物によるモノであるということが判っています)、現在ではこんなモノで刀剣を作るんですねぇ。

>電解鉄を使った日本刀は、試し切りなどに
>耐えられないのでしょうか?

 刃はつけられるので何度か切る分には問題無いでしょうが、基本的に炭素が分散していないので、硬度や粘りが無く、兵器としての耐久性はかなり劣るでしょう。
 刃の部分に浸炭を施して硬度を上げるという手はありますが、日本刀の製造工程を考えるに、そんなことをワザワザするとも思えませんし。

>現代刀はみな電解鉄を使用して作刀されているのでしょうか?

 玉鋼は生産性が極めて劣悪で、現在では日立金属だけが製造していますが、日本美術刀剣保存協会経由で販売されているはずです。(但し、刀匠以外には販売されていないはずですが。)
 故に現代刀全てが電解鉄という事は無いと思いますが、しかし玉鋼そのものが非常に高価な鋼材となっている現在、刀剣として世に出る数は極めて少数でしょう。

>玉がねを使ったものより品質は落ちるのでしょうか?

 自分には刀剣趣味は無いので、刀剣の品質というモノが何を指すのか判りませんが、材質から考えますと・・・純鉄のヘナヘナ=腰が無いという性質では、合金鋼史上屈指の高級鋼である玉鋼の足元にも及ばないでしょう。

>電解鉄とは、どのようなものなのでしょうか?

 上述した通り。
 尚、純鉄は磁気抵抗(磁束が磁性体内を通る時の抵抗)が極端に小さく、永久磁石モータのバックヨーク(磁石が固定されている部分)に使うと永久磁石の磁力の経時劣化(減磁)を軽くする効果があるなど、純鉄独特の『使い方』があります。刀剣としては役立たずでも、純鉄自体が悪いワケではありません。

 純鉄は叩けばよく伸び、比較的柔らかく研磨もカンタンなので現代の刀匠が使うんでしょうが・・・刀剣としての性能を考えると、SUP材(ばね材)やSSAT(チタン合金)などを使った方がマシでしょう。勿論これらは玉鋼より更に高強度・高靭性なので、ヒトがハンマでドカドカ叩く程度では成形出来ないでしょうが。(β合金のチタンなどを使ったら、兜や歴代の名刀の全てをタタキ折れる様なすごい刀剣が作れそうですが、それは日本刀の美術性を無視したモノになってしまうでしょうから、ダメなんでしょうね、きっと。)
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電解鉄は純度が高い鉄です


純度が高いですから硬くない 刀は作るのは無理だ
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