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※ネタバレになるので未読の方は絶対にご覧になさらないでください。
登場人物の行動に対する疑問です。東太郎と冬絵はどちらがウソを付いていますか?

(上)p80で東は、イタリア系秘書のシンディと出来上がっちゃっているような描写がなされています。
一方でよう子に対して、
(下)p244-255

-でも恋人はいたでしょう?
-いいや。
-いなかってっていうの?
-いなかった。
-一人も?
一度細めた目を段々と見開いていっています。
-一人も。

という受け答えをしています。
よう子に対する受け答えが本当ならば、シンディなどの恋人を持たなかったということを意味することをだけでなく、富美子(後述)とも恋仲になっていなかった事を意味します。

ところが、冬絵は冬絵で、
(下)p380

「あなたね、フミ子さんが太郎ちゃんと関係をもっていたというのはお聞きになってらっしゃらないでしょう」
」(以下、具体的説明に入る)
と傍観者である加藤祐介に吹き込んでいます。
(下)p381

冬絵の口から出てきた言葉には驚かされたが、一度それを耳にしてしまえば、冬絵のその言葉が真実であるのを疑うことはできなかった。

などと少なくとも加藤祐介に疑念を抱かせることに成功しています。


そこで質問です。東太郎と冬絵はどちらがウソを付いていますか?
私は両方嘘つきで、東太郎は行き当たりばったり、冬絵は毒を吹き込むのが好きで加藤祐介にウソを吹き込んだのだと思っていますが、誤読でしょうか?

A 回答 (1件)

こんばんは



シンディとの関係は、恋人というより、
単なる、現地での遊び相手、という気がします。
ダンスパーティでも、半ば、自暴自棄で踊ってますよね。
終わった後は、秘書達の固まっているところにシンディを
置いて、自分は背を向けて戻ってきています。

フミ子との関係は、私は本当だったように思います。
狭いアパートで、19歳と29歳の男女が同棲すれば、
それはあり得ることでしょう。でも、最後までフミ子は太郎に
表だった恋愛感情を示すことはなく、あくまで、よう子と太郎の
後見人のような立場を貫きますよね。
太郎も、フミ子には、姉のような、母のような愛情を示しています。
そして最後には、自分の不動産までフミ子に贈与していますね。
そこには、恋愛感情ではない、もっと深い、他人には分からない
何かお互いの根底に流れる信頼感のようなものを感じます。
ただ、フミ子の中には、大人になった逞しい太郎に惹かれる
女としての側面もあったのでは、とは思います。
祐介が泊まった時に、唐突に流した涙は、
恋愛に発展させてはならない自分の心情があふれてしまったのかなぁ、とも思いました。

冬絵が、第三者で部外者の祐介に、フミ子との関係を話したのは、
幸せな家庭に生まれながら、純粋な恋愛には縁が薄かった自分の、
フミ子に対するある種、羨ましい心情を、つい吐露したのだと思いたいですね。
これが、フミ子のたくらみのようには感じたくないのが本当のところです。

昭和の香りがぷんぷん匂う本格小説でしたね。

参考までに書いてみました。

この回答への補足

回答を寄せていただいて、ありがとうございます。
もう少し確認してみます。

補足日時:2009/02/02 00:00
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この回答へのお礼

toko0503さんの意見をうかがって一年になりますが、
やっぱり、19歳と29歳の男女が同居するだけでデキて
しまうとは思いたくないですねー。
(私の感想を押し付けるような書き方になってすみません)


ただ、冬絵さんに対してはお邪魔虫キャラとしか感じなかったの
ですが、toko0503さんの回答を見て考え方が少し変わりました。

>フミ子に対するある種、羨ましい心情を、つい吐露したのだと

以前は他人を落としいれるような冬絵さんの言動に許せないと
感じることがありましたが、うらめしい心情をこういう形で
吐露してしまうことがあっても仕方がないと思うようになりました。


>昭和の香りがぷんぷん匂う本格小説でしたね。

そうですねぇ。一方で、泊まりに来た従兄弟夫妻が、平成っ子の
親を代表しているような描き方もお見事だと思いました。

ともかく、水村美苗さんの著作と出会えてよかったです。

お礼日時:2010/04/27 21:57

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