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うつ病は車に例えると、ガソリンが切れた状態だといいます。ガソリンに相当するものが、脳内伝脱物質のやる気汁・ドーパミンと集中汁・ノルアドレナリンなのでしょう。ならばドーパミンやノルアドレナリンの増量に対処すればいいと思うのですが、うつ病の薬・SSRIはセロトニンをシナプス間で増加を図っていると聞いています。セロトニンは日常生活の生活を安定させるための脳内物質だと思うのです。
セロトニンに注目するよりも、ドーパミンやノルアドレナリンの増量に対処してほうがいいのではと思うのです。
 例えば、ドーパミンが分泌するA10神経を活性化するとか。
 どなたか、ご教授ください。

A 回答 (3件)

こんにちは。


「うつ病」といいますのは何らかの心的外傷によって神経伝達物質の働きが悪くなることによって起こります。
「ガソリンが切れた状態」といいますのは、これはうつ病に多く見られる「やる気・活力」が失せた状態のことだと思います。ですが、「NA(ノルアドレナリン)」や「5-HT(セロトニン)」といった神経伝達物質といいますのは、車に例えますならばそれはガソリンではなく「ミッション(伝達機構)」です。簡単に述べますならば「NAはアクセル」、「5-HTはブレーキ」と考えて下さい。

NAは心身に緊張状態を作り出す伝達物質であり、「DA(ドーパミン)」はそこで能動的な行動を選択するために分泌されます。で、これらは「脳が何らかの環境の変化に対処するため」に一時的に分泌される伝達物質です。
これに対しまして、5-HTは「環境の変化とは関係なく常に一定量」が供給されています。NAやDAは与えられた状況に対処するための伝達機構ですが、問題が解決されたならば分泌は止まります。このとき、脳内には常に5-HTが分泌されていますので、これによって脳は自然と安静状態に戻ります。
うつ病の原因となる心的外傷には「慢性ストレス」というのが最も多いようです。仕事や人間関係など、逃げることのできないストレスが慢性化し、脳は何時もNAによる緊張状態に曝されます。このため、生まれ付き5-HTが少ない体質のひとはうつ病になりやすく、そうでないひとでもこのような心的ストレスによって神経伝達機能の不調といった症状が現れます。
逃げることのできない慢性ストレス、では、ここで5-HTの機能が低下しますと脳は安静状態を満足に維持することができなくなります。問題が解決されるならばNAの分泌は停止しますが、5-HTが不足しますとちょっとしたことに神経質になり、回避できなければそれが不安状態として継続することになります。そして、これがうつ病の無気力・慢性疲労となって現れます。

心的外傷によってNAやDAの機能が不調に陥ることもあるようです。ですが、一般にうつ病と呼ばれる上記の状態では、ここでNAの亢進剤を投与するのは焼け石に水です。
何故かといいますと、NAやDAは「問題を解決するため」の伝達物質であるからです。ですから、幾ら無気力を治したいからと言いましても、問題解決の手段がない、あるいは問題がはっきりしていない、このような場合では無理やりアクセルを踏み込んでもストレスを悪化させるだけなんです。
うつ病の症状がある場合、本人に何かをさせようとするのは逆効果と言われているのはこのためです。

SSRIは脳内の5-HTの濃度を確保し、副作用が少ないとして多くのひとが利用しています。これによって脳の安静が保たれればストレスからは開放されます。ですが、うつ病といいますのは、基本的には原因を排除しなければ治りません。
問題が解決できないならばNAでアクセルを掛けるのは可愛そうです。では、DAで報酬反応を発生させたらどうなるでしょうか。果たして、実際には何の報酬も与えられていないのに脳内に快感が発生するのでは、これでは薬物依存症と同じことになってしまいます。
NAやDAは与えられた状況に対して分泌されるものです。ですから、「現実的な解決手段」、あるいは「実際の報酬」、このようなものに対して分泌されなければなりません。問題の解決策をきちんと話し合う、あるいは生活に有意義な目標を見付ける、本人にとってもカウンセラーにとっても、ここから先はたいへん根気のいることだと思います。

うつ病と同様の原因から起こる「慢性疲労症候群」では報酬系回路A10の強制解除によるDAの分泌増加が確かめられています。うつ病の症状ではDAの増加は見られないのですが、疲労症候群になりますとβ―エンドルフィンの作用によってDAの分泌が強制解除されます。
ところが、DAが分泌されるならば無気力は解消されるのではないのではないかと思えるのですが、実は、実際にはこのような慢性疲労症候群の患者さんの場合には、それが意欲ではなく、何故か「執着性」や「凶暴性」などとして現れてしまうのだそうです。
NA、DA、5-HT、このようなものが状況に応じてバランス良く働けば心の不調は起こりません。では、不足を補うだけで治るならば良いのですが、中々そういうわけにもゆかないようです。お医者さんは現在でもうつ病の患者さんを診察し、何十種類に及ぶ物質の中から、何が過剰で何が不足しているのかを一生懸命に調べています。
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この回答へのお礼

ruehasさん、おはようございます。
今回も、私が知りたいなぁと思っていることに対して、痒いところに手が届くような、「ウン、ナルホド。そうなのか」というご回答をいただき、心よりお礼申し上げます。
NAやDAは、問題を解決するときに出動される脳内物質で、目標がない状態では、分泌されないということ。ガソリンではなく、アクセルであるということ。そして、問題が解決されて、平常に戻るときに5-HTの分泌があり、心に安心・安定がある状態になる。しかし、慢性ストレスで5-HT回線が疲労し、精神不安・無気力状態になり、問題解決もままならない状態、目標も見つけることもできない状態でNAやDAのアクセルをふかしても、どこへ行けばいいか分からず、なお、混乱してしまうと言うことですね。
ですから、先ずは、心の安定のためにSSRIを投薬するということ。
よく分かりました。
本当に、いつも、よく分かるご回答をくださり、心より感謝しております。

お礼日時:2009/07/23 10:04

「健康」「メンタルヘルス」の項目に沢山過去問がありますので、ご覧下さい。


なお、神経伝達物質は神経系によって多種多様なのでセロトニンも非常に重要な役割を担っていることを理解して頂きたいと思います。
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この回答へのお礼

doc_sundayさん、おはようございます。
早速のご回答ありがとうございました。
「健康」「メンタルヘルス」の過去問をみてみます。

お礼日時:2009/07/22 07:02

ウツの種類によるんじゃないですかね


たとえば風邪 鼻、のど、熱 それぞれ症状は異なります。
それぞれにあった薬を処方します。
同じようにそれぞれウツの症状にあった薬を処方しているじゃないですか?
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この回答へのお礼

mappy0213さん、早速のご回答、ありがとうございました。
うつの種類によるということ、それによって、薬も異なるということ、
良いヒントになりました。

お礼日時:2009/07/22 07:05

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