
最近、作家の遠藤周作氏が、ご子息のお名前を龍之介と付けたことを知りました。
カトリック信者だった遠藤氏と、死の床でキリスト教を否定する文章を書き続けていた芥川龍之介では、こと宗教に関する限り正反対の立場だったと思います。
非常に違和感を感じました。
どなたか、遠藤氏がご子息に龍之介と名付けた理由をご存知の方はいらっしゃいませんか?
また、そのことについて記述のある文章を、ご存知ありませんか?
なお、ウィキの遠藤周作の項目には、下記のような記述があります。
長男 龍之介
芥川賞受賞にちなんで龍之介と命名。2007年6月よりフジテレビジョン取締役。父周作との子どものころの約束は3つあり「うそをつかない。ともだちを裏切らない。弱い人間を馬鹿にしない」だった。また会話は、敬語を用い、周作からは含みを残す言い回しや比喩を用いた表現を常としたとの回想がある。
また、遠藤周作文学館、遠藤周作学会のHPも見てみましたが、おそらく、回答できそうも無いと思いました。
よろしくお願いします。
No.1ベストアンサー
- 回答日時:
pinaisa-la さん、こんにちは。
遠藤周作がご子息の名を「龍之介」とした真意については知るよすがもありませんが、彼の芥川をどのように評価していたかについて、
>カトリック信者だった遠藤氏と、死の床でキリスト教を否定する文章を書き続けていた芥川龍之介では、こと宗教に関する限り正反対の立場だったと思います。
と捉えるのは、やや表層的すぎるかもしれませんね。
もちろん、遠藤周作は正真正銘のカトリックでしたが、狭義のバチカンの教義の信者というよりも、人間の愚かさや弱さを慈愛をもって凝視することこそが、むしろカトリックのより深い教義なり、神髄なりにかなうはずと信じて疑わなかったのではないでしょうか。
だから、晩年に近づくにつれ、浄土真宗やアジア思想に接近したり、その延長線上に『深い河』を執筆することになったのではないでしょうか。
ご存じのように、芥川の切支丹物の中には、「お吟」という、棄教をテーマにした好短篇がありますが、遠藤はこの小品を絶賛しておりますし、代表作『沈黙』にしても、芥川の「お吟」に通底するテーマが認めれると言っても決して過言ではないような気がします。
その意味では、芥川がキリスト教に抱いていた、一種二律背反的、憎悪愛的な思いは、実は遠藤のキリスト教観とも微妙にかなり重なり合うところがあったのではないでしょうか。
ということで、想像を逞しうするなら、遠藤周作は芥川の人間的脆弱さを、ほかでもなく自分自身の問題として引き受けて生きていたからこそ、「龍之介」の名をご子息のために譲り受けようとしたと考えられなくもないような気がします。
回答ありがとうございます。
質問が kadowakiさん向けではなかったのでしょうか。
あなたの解釈と言うか、あなたの土俵の上ではその通りですが、それぞれの作家の文学から、離れているような気がします。
たしかに、「深い河」も「おぎん」も、好編ですが、遠藤が「おぎん」を絶賛していたとすれば、彼の思索の浅さを示しているだけでしょう。
あなたの解釈に、反論(?、論ではありませんが)すると、僕の知っている限りにおいては、遠藤が自信の脆弱さを知っていたとしても、芥川龍之介に脆弱さを感じていたとは思えません。
芥川龍之介を脆弱とするなんて、敗北の文学の時代に戻ったのでしょうか、アナクロの感じがします。
しかし、唯一の回答、感謝申し上げます。
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