dポイントプレゼントキャンペーン実施中!

 いつも大変お世話になっております。
 熱力学において、理想気体の状態方程式が絡む問題なのですが、「コックを介して
(はじめコックは閉まっています)一方の容器にはある気体が入っており、他方の容
器は真空状態にあるとき、そのコックを開くと、開いた時点では定常状態ではない
ため・・・」とあります。
 私が確認させていただきたいのは、このような問題設定において、定常状態とは
どういう状態であればそのように呼んでいいのか、開いた時点では、何がどうだから
定常状態とは呼べず状態方程式が使えないのか、というところです。
 お忙しいところ、大変申し訳ございませんが、よろしくお願い致します。

A 回答 (3件)

高校の物理の熱力学で「定常状態」は出てこないはずです。


出てくるのは「平衡状態」です。大学の熱力学でもまずやるのは「平衡状態の熱力学」です。
エントロピーもエンタルピーも自由エネルギーも平衡状態で定義されるものです。状態が決まれば決まるという時の「状態」は「平衡状態」です。状態方程式という時の「状態」も「平衡状態」のことです。
「定常状態」は「平衡状態」ではありません。定常状態では物質、またはエネルギーの流れ(移動)があります。「平衡状態」では物質やエネルギーの流れ(移動)はありません。流れのある状態は非平衡状態です。「非平衡を扱う熱力学」は大学院レベルになると思います。(定常状態とは「流れの状態が定常である」=「流れを表す量が時間的に変動しない」ということです。)
非平衡状態の中でまず問題にするのが定常状態です。この状態をどう記述すればいいのかが平衡状態の熱力学から非平衡状態の熱力学への拡張のとっかかりになります。

この問題では「定常状態」は実現しません。
気体の入った容器Aを空の容器Bにつないでコックを開きます。
AからBに気体が移動します。この気体の流れの速さは一定ではありません。定常的な流れは実現しませんから「定常状態」は実現しないのです。装置に特別な工夫がされていない限り流れの速さは変化します。2つの容器に入った気体の圧力が等しくなったところで気体の流れは止まります。各部分の温度、圧力が決まります。これは「平衡状態」です。温度、圧力は測定すれば分かります。

この平衡状態が実現した時の圧力がいくらになるかを問う問題はよく出てきます。
その時は温度に対する何らかの条件が付けられているはずです。
(「理想気体の自由膨張では温度変化は生じない」というのは高校では前提とはしていないはずです。)

問題文に「定常状態」という言葉が書かれているとすると誤りです。状態方程式を使うことができるのは「平衡状態」が実現している場合です。
    • good
    • 0
この回答へのお礼

htms42様

 ご回答いただきありがとうございました。
 いただいた回答をもう少し考えてみたいと思います。

お礼日時:2012/06/23 22:48

#2です。


質問者様からも#1様からも反応がありません。
「定常状態と平衡状態とは異なる」と書いたのですが納得してもらえなかったのではないかと思います。
この違いがよく分からないという大学生も多いです。
でもこれは熱力学の中では基本的な概念です。
流れのある状態を前提として言っていますので流体力学でもよく出てくる概念です。当然、電流を扱う場合にも出てきます。「定常電流」という言葉は見ることがあるのではないでしょうか。

wikiで「定常状態」を開いてみます。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%9A%E5%B8%B8% …

この最初に
>一般に「定常(ていじょう)」とは、「一定して変わらない」ということを意味する。
と書かれています。
この文章だけからであれば平衡状態との区別が見えてきません。
#1様の回答の最初の文章
>時間が経過しても、同じ状態が続いていることです。
というのも上のwikiの文章と同じものです。

wikiでこれに続く文章を見てもらうと違いが分かります。
>自然界にも定常と言えるものがある。例えば小川を考えよう。小川は、上流などで雨が降らない限り、時間とともに川の流れの速度や流量が変わることはない一定な状態である。

「速度や流量が変わらない」という意味で「定常状態」を使っていることが分かります。「流れ」があることは前提になっています。その中で変化しないものがあるような状態に対して「定常状態」という言葉を使っています。

wikiのその後に続く段落では
>熱力学や統計力学では特に、巨視的な量に時間変化が全くない「平衡状態」と区別して、時間変化(流れ)はあるがその速度が変化しないような状態を「非平衡定常状態」あるいは単に「定常状態」という。
と書かれています。

検索するとwikiの最初の文章だけを引用しているサイトがいくつかありました。
誤解して伝わるでしょうね。

熱力学の教科書の中には平衡状態での記述を定常状態に当てはめているものがあります。誤解によるものか、分かっていて敢えて滑り込ませたものかは分かりません。でもこういう本で勉強していると平衡状態と定常状態の区別が分からなくなる学生が出てくるのも仕方がないことだということになるでしょう。問題集を書いた人も学生の時にそういう風な教科書を使っていたのかもしれません。
    • good
    • 0
この回答へのお礼

htms42様

 再度ご回答いただきありがとうございました。
 ご返事が遅れたこと、お詫び致します。
 いただいた回答をもう少し考えてみたいと思います。

お礼日時:2012/06/23 22:48

定常状態:時間が経過しても、同じ状態が続いていることです。



今の問題なら、コックを開いてから十分な時間が経った後では、気体は2つの容器内に一様に分布して、容器内ののどこもかしこも、温度、圧力、密度など、すべての物理量が同じ一定の状態になります。
これが、典型的な 定常状態 です。

これに対して、コックを開いた直後は、気体が、もと有った容器(Aとします)から、真空だった方の容器(Bとします)に流れ込み始め、移動している間、AやBの圧力や気体の密度は時々刻々変化していきます。このように、時間経過に従って、状態が変化していく場合は、 定常状態ではない=非定常状態 ということになります。

なお、定常状態でなくても、系の物理量の何かが一定ということはあり得ます。たとえば、本問題では、気体が移動中の非定常状態にあっても、気体分子の運動エネルギーの総量は、ずーっと一定です。でも、他の物理量のいくつかは変化しつつありますから、定常状態とは言えません。

非定常状態の気体では、部分部分で、圧力,密度(ひいては、モル数)などが異なるので、
P・V=nRT
と書き表すことができません。Pとはどの部分の圧力なのでしょう?場所によって異なるのです。 nとはどの部分をとってきたときのモル数なのでしょう? 場所によって異なるのです。
このような気体系に対して P・V=nRT という式を作れと言われても、困る=状態方程式は使えない わけです。
    • good
    • 0
この回答へのお礼

Quarks様

 ご回答いただきありがとうございました。
 いただいた回答をもう少し考えてみたいと思います。

お礼日時:2012/06/23 22:48

お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!