アプリ版:「スタンプのみでお礼する」機能のリリースについて

日本は経済規模が大きく、早めに先進国になっていた割に、グローバルなビジネスアプリケーションソフトウエアをあまり生み出せていません。ドイツやフランス、イスラエル、北欧などのほうが余程貢献できている印象です。


それは何故なのでしょうか?


いろいろな見方やご意見を是非ともお願いします。

A 回答 (14件中1~10件)

>「裾野が狭い」がボクが思っているのと別の意味だと思うので、それを教えて下さい。



簡単に言うと、商品完成までに係わる人間が少ないという意味です。
ソフトウェアは極端な言い方をすればパソコンと人間がいれば完成できますが、工業製品はそうはいかない。様々なプロセスを経て、つまり企業や人間の経て完成するのが工業製品なんです。

プロセスとは、つまるところ労働力ですから、係わるプロセスが多ければ多いほど需要が生み出される事になるので、日本社会の経済活性化に繋がります。
日本のGNPに鉱工業が占める割合は20%程度ですが、それに直接的、間接的に係わる人間の数の多さから、景気に影響を与える波及効果は他の分野に比べて非常に大きいです。

例えば自動車一台が組み上がるまでのプロセスを考えてみて下さい。それに携わる企業や人間が数が如何に膨大かが判って頂けると思います。
あくまで自動車は判りやすい例えですよ。自動車とソフトウェアじゃコストがぜんぜん違うじゃないか~というツッコミはなしですよw

>世界的なメジャープレイヤーは少なめなものの、日本で作家やミュージシャンが絶滅していないところにヒントがあるのかもしれません。

世界で勝負しなくても日本市場で成り立つという事です。
折角回答にドラクエを出して頂いたので、それを使って説明しますと、500万本を超えるシリーズ最高販売本数の『ドラクエIX』の4/5が日本国内での販売です。
世界で1400万本を売り上げた『TheElderScrolls V: Skyrim』の日本のコンシューマの販売本数は、僅か30万も満たない数字です。
何が言いたいかというと、日本発とは要するに日本らしさを捨てるという事となのです。
更に噛み砕けば、スクエニがドラクエをやめてTESを作るという事です。

オープンワールドなドラクエも見てみたいという誘惑に駆られますが、よくよく考えてみれば、自由度の高いRPGは洋ゲーに任せて、ドラクエはドラクエをやっててもらった方が日本人ユーザーにとっては得なんです。
逆に捉えれば、ドラクエを失う事で一番ダメージを食らうのは日本人ユーザーというわけです。

ドラクエの魅力にどっぷりハマまっている質問者さんなら、理解して頂けるのではないでしょうか。

これはメーカー側にも当て嵌まる事で、国内の400万の需要を捨てて、世界1400万本を取りに行くのはリスクが非常に高く、下手したら置いてきた日本の需要を洋ゲーにがっつり奪われているかもしれない、再出発もできない状況に追い込まれるかもしれません。
確かに消極的で後ろ向きな考えです。行け行けドンドンのグローバル信者は保守的と非難するかもしれませんが、しかし何百何千人の従業員とその家族の生活を顧みれば、保守的で何がいけないんだと個人的には思っちゃいます。

さて、少し前置きが長くなりましたが、ここからが本題です。

前回の回答で、「日本人は情報戦略やソフトウェア開発が苦手」と「IT関連やソフトウェア開発が儲からない」という意見を書きましたが、この二つに加えて、「タイミング」という要素も係わってきているかもしれません。
現在は通信速度や通信コストで世界トップを走っているので忘れ勝ちですが、嘗て日本の情報通信インフラは諸外国に遅れを取っていた、またNTT独占による通信コスト高がインターネットの普及を妨げいたという事実を思い出して欲しい。
ソフトウェア開発で世界と戦うには、国内需要が見込めないという状況は幾ら何でもハードルが高すぎました。言い換えれば、俺たちの戦いはまだ始まったばかりだという事です。

ただ、この分野の日本のバックアップはやはり見込めないと考えるのが妥当かと。先述の通り需要を考えれば、日本政府が物作りに注力する事は明らかです。

余談ですが、アニメや漫画などサブカルチャーに左の思想の人が多い理由は、日本政府のバックアップが殆ど無かった状況で、その分野で頑張ってきた人たちを支え応援してきたのが左翼だったからです。
で、サブカルチャーを非生産的だの幼稚だのと見下し叩いてきたのが保守勢力で、黎明期から活躍してる宮崎駿とか富野由悠季、手塚治虫は保守思想を相当恨んでいたでしょうね。
まあ、彼らの作品を見ると新左翼批判もけっこう遣ってますから、本音では朝日も毎日も大嫌いなんでしょうが。

少し横道に逸れますが、世界のハイテク産業の中心を担っているのは日本だという事はご存じですか?
経済効果以外で、日本政府が物作りに注力する大きな理由です。

ついこの間まで日本は途轍もない円高でした。このおかげで外国に製品は売れない、外国からは安い製品が入ってくるという、日本は不況のどん底にいましたが、ウォン安でウハウハだった反日韓国の企業は、日韓貿易赤字でも、バカ高い日本の部品を仕入れていました。何故でしょう?
理由は二つ。一つは、韓国は自前で部品を賄える技術、つまり自前で部品を造れる企業を持っていなかった。これは中小企業を切り捨て育ててこなかった韓国の事情。
二つ目は、日本以外に高品質な部品を造れる企業がなかった。これが重要です。
何故なら、世界中の国々が韓国と同じ状況なんですから。中国もアメリカもそうなんです。
このおかげで中国は本格的な尖閣侵攻は躊躇するだろし、アメリカはそう簡単に日米安保や日米同盟を破棄する事ができません。

日本という国の重要性、価値を高めているのが工業製品を造る技術力で、それを担っているのが日本の大企業ではなく中小企業です。

現在、マスコミや政治家に持て囃されてるクールジャパンですが、輸出による経済効果はかなり低いです。あのハリウッド映画でさえ市場は全世界で8000億程度ですから、海外に於ける日本のアニメや漫画の市場なんて微々たるものです。
ただし、日本のイメージ戦略としては効果はあるでしょう。そういう意味でソフトウェアに価値観を見出せば、日本の支援も期待できるかもしれません。
アニメや漫画と違い、将来的にはソフトウェア開発が諸外国の首根っこを押さえる分野へと進化している可能性もあります。経済以外でも様々な面で旨味を見出せるようになっていれば、いつの間にやらソフトウェアで日本が世界を席巻していたという状況になっているかもです。勿論、根拠は日本人の優秀さですw

纏まり無い文章になって申し訳ないです。受け売りの意見ばかりで色々ツッコミどころがあるかもしれません。おかしいというところはドンドン指摘して下さい。

この回答への補足

連投ありがとうございます。また、多角的に興味深い論点を展開下さいましてありがとうございます。重ねてお礼申し上げます。


1)「工業製品」と「パッケージソフトウエア」の雇用や景気効果の比較

日本資本、日本以外資本の会社&日本国内外の雇用/経済効果のマトリックスの4分類で、時系列の変化を見てみると何かの本質が見えてくるような気が致しました。それに雇用の付加価値の松竹梅を重ねて分析してみるヒントを頂戴しました。

日本資本の会社×日本国内雇用の組み合わせだけをアンフェアに優先する戦略は、経済や労働市場のグローバル一体化の進展に伴い、ますます通用しにくくなると考えています。


2)ローカル市場(日本市場のみ)に特化する「選択と集中」につきまして

世界を日本に置き換えると分かりやすいので、例え話で。。。

ある初期参入企業が、広島県に集中と選択を行いそこでのみ、圧倒的な勝ち組になったとします。同じ業界の静岡県の覇者が後発ながら台頭してきて、(日本で)全国展開を進めたとします。広島の会社は戦略の変更を行わないとします。

A 全国の消費選好が概ね同じ場合 - 数年後には広島の会社は事実上消滅する公算が高そうです。

B 広島の消費選好だけがガラパゴスな場合 - 生き残れる可能性がありそうですが、業界首位の売上の50分の1、利益は200分の1、価格は3割高く、平均給料は半額くらいになるかもしれません。

C 全国の消費選好が概ね5パターンくらいに集約できる場合。
群馬県の覇者が出身エリアで稼いだ金に余裕が有るうちに、進出する市場エリア毎に合わせた企業買収、人材採用、チーム編成と商品開発を行い、地域特性に合わせたラインナップを逐次投入し、上記の静岡県出身の企業をも倒してしまうかもしれません。

この場合、群馬が発祥の地だからといって、群馬県出身の社員だけをアンフェアに優遇したり登用したり、東京採用の東京人には役員に上がる仕組みがないと言うことはないと思います。


余談ですが、米風のいわゆるグローバルスタンダードからみると、中国、韓国、日本が何かと消費選好が独特の「ガラパゴス三兄弟」に見えているとシンガポール在勤のオーストラリアの人が言ってました。


3)ブロードバンド通信の価格 -孫さんに価格破壊を仕掛けてもらって、お蔭で日本はだいぶ救われたと思います。ただ、輸出入手続き日数やコストや空港使用料とか正社員の人数増減の柔軟性の低さなど、メスを入れるべき高コストな盲腸はかなり多めに残っているのが日本だと思います。


4)政府の産業政策やマスコミの風潮

雇用と資本のボーダレス化対応について、意図的に後進的なポジション取りを好む場合が多いようです。
あたかも、日本市場にいる会社は、100%日本企業で、日本人は100%日本企業に勤め、日本資本の会社の社員は100%日本人。これが、理想状態。と言うような前提が常に感じられます。

例:松下の社員がサムソンに転職すると「進展する日本人材のグローバル進出」でなく「危機!日本人材海外流出」とあたかも絶対悪であるかのように一面的な見方をする場合が多いようです。


5)部品産業

部品産業同様に、ビジネスアプリケーションの分野でも世界の屋台骨になってもらいたいですね。


6)クールジャパンとサブカルチャー

会社でも商品でも国でも「ブランド価値」に投資するのは得策だと共感します。他の労力が同じでも、その分、高く売れますので、うまくやれば算盤勘定にもあうし、自国民も、より誇りがもてるし、なにかと気分が良くて、良いことだとおもいます。

サブカルへの偏見は、年月の問題で、大衆発祥のいろんな伝統芸能だって、古今東西、多くは初めは異端だったと思います。ちなみに、アメリカ映画の主題歌を結婚式で使うと「ふさわしい」と思い、新郎新婦入場に「ドラクエ」を流すと笑うのは、「脱亜入欧」の名残もあるのかなあ、と思います。



正直、ボクは「行け行けドンドンのグローバル信者」と見られてしまう側面も持ちあわせていますが、自分の中ではそうでもなく、ただ、IBMのガースナー氏がダーウィンの『種の起源』の一節として引用した下記の言葉が好きなだけなのです。(なお、ダーウィンの著作にはその一節は見当たらないそうですが)


「最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。唯一生き残るのは、変化できる者である」

補足日時:2013/08/24 12:02
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ボクがよく訊く話では、日本人は情報戦略やソフトウェア開発が苦手というのと、IT関連やソフトウェア開発が儲からないからという二つの意見があります。


観念的な批評は前者で、論理的な批評は後者です。実際は両方なんでしょうが、個人的には「儲からない」の割合が一番多く占めると思います。
勿論、トップ企業は儲かるんだろけど、シェアトップしか儲からないイメージがありますね。
また、良い物は売れるという保証もなければ、良いの定義もすごく曖昧ですからね。マーケティングが難しそう。その辺のリサーチが日本人は苦手なのかも。
コンピューターゲームが好きな人は共感してくれるんじゃなかろうかと思うのですがw

IT関連やソフトウェア開発は産業の裾野が狭いので、社会の活性化にも繋がりにくいという事で、クールジャパン輸出と同じく日本経済にあまり旨味がないように思えます。インドや韓国を見ればそんな感じかと。
なので、国を挙げてソフトウェア開発を応援という雰囲気にはなり難いですね。日本のイメージ戦略の面からでもアニメや漫画に負けてます。

質問者さんは日本はこの分野に力を注ぐべきだと思いますか?

この回答への補足

なるほど、世界的に受け入れられるビジネスソフトウエアを創造することに日本人が長けていないのと、リスクが大きくなかなか儲かりにくい産業なので参入や投資が集まらないうのが原因なのですね。

サイボウズとかは日本では大いに受けていますが、不思議な事にグローバル的にはさっぱりなので、確かに世界のみなさんにとってはそれほどクールではないのかもしれませんね。

資本は日本の会社でも、ダイバシティを効かせて、多国籍チームで、はじめから世界市場向けに創造すればイケルのかもしれませんが、そうすると、はじめに巨額の投資が居る割に、仰るとおりヒットしないと悲惨な採算になってしまいます。なので、リスクの取れる投資選好が少なめなのが日本の弱みと言うことになるかと思います。SaaSなんて、新興勢力で勝ち組になっても、ビジネスモデル故に初めの5年以上は確実に赤字続きのようですからねー。

コンピューターゲームは大好きで、今でもドラクエ5や8で繰り返し毎日遊んでいますので、その点においても大いに共感できました!ビジネスパッケージソフトはご指摘の通り、ゲームソフトや映画さらには作家やミュージシャンと同じ要素があり、一部のトップグループだけがごっそり儲かる構造のようです。3番手グループ以下は、バイトで食いつなぐ感じでしょうか?かと言って、世界的なメジャープレイヤーは少なめなものの、日本で作家やミュージシャンが絶滅していないところにヒントがあるのかもしれません。

「IT関連やソフトウェア開発は産業の裾野が狭いので、」は異論があり、他業界の人がどんどん転職してきている雇用吸収力に富んだ産業と理解しています。また、企業活動や企業の投資におけるIT、ソフトウエアの重みも年々増す一方と思います。

「裾野が狭い」がボクが思っているのと別の意味だと思うので、それを教えて下さい。


「質問者さんは日本はこの分野に力を注ぐべきだと思いますか?」 はい。思います。というか、信じています。

夢は、日本資本の会社が、この世界的なビジネスソフトウエアと言う拡大する高付加価値分野でも、自動車やコピー機のように世界を席巻するようになってもらいたいと思っています。

補足日時:2013/08/23 08:12
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1980年台後半からのアメリカの日本潰しの成果ですね。



それまで世に存在しなかった”パソコン”をNECなどが販売し始めたり、これからの時代OS部分は無料で共用されるべきとトロンOSが公開されたり、教育機関向けに本格的にそれらの導入が始まったりと車や家電だけでなくコンピュータ分野でも日本は発展を遂げていました。
しかしそこに米国は大きな危機感を持ちました。他分野でも日米貿易摩擦として多くの米国の不条理な要求が続けられ、輸出自主規制(自由貿易を世界へ唱え続けて来た米国のメンツを保つため、輸出側の政府または団体が「自主的」に輸出数量、価格などを制限する体裁を取る)、米国への生産義務化など様々な米国優位の規制が行われるようになりました。またトロン潰しなどによってトロンOSだけでなくトロンプロジェクトに関わる多くの企業へも米国からの圧力がかかり、日本関連企業によるパーソナルコンピュータ事業は事実上解体に追い込まれました。
更にはソ連崩壊後の東西冷戦終結によりアメリカではCIAをはじめとする多くの工作関連人員が余剰状態となり、そこで出てきたのが経済”戦争”と仮定しての米国工作員の産業スパイ化でした。特にこの時期日本は格好の標的とされたそうです。
その後も日米年次改革要望書などを始め様々な米国優位のルール作り法整備が行われると同時に、日本経済のバブル崩壊によるデフレ社会が長期に渡って続いたことなどから、日本企業の投資は縮小を続けIT分野でも例外なく最小限の投資しか行われませんでした。
その結果、日本のIT企業はまるで駄目なのです。大きなIT事業はアメリカのもの、その横で小銭を稼ぐ日本のIT企業 という改革が徹底され、米国はITという新産業の旨みを存分に味わうことが出来た訳です。

この回答への補足

なるほど。当時の流れなら、2番手グループどころか、もしかしたら1番手、つまり世界を席巻する覇者になれていたのかもしれないのですね。この巻き返しには、余程の大きなパラダイムシフトと、かなりの長い年月を要しそうです。ひょっとしたら、RCEPがその胎動を生む母体になりえるのかもしれない!と言う期待感が個人的にはございます。

今、グローバルなビジネスアプリケーション分野で、ドイツ、フランスなどに伍しての2番手グループにすらなれていないのは、きっとまたその後の別の理由があるのでしょうね。


余談ですが、1980年台前半から一時期、日本の独立系上場ソフトウエア会社の技術者だったころ、会社の地下の書店で「OH!PC」や「OH!MZ」などという雑誌を手にとったのを懐かしく思い出しました。「マイコン」なんて呼び方もありましたね。その後は、欧米外資系の営業系に移ってしまったため、いろいろな意味ですっかり疎くなってしまいました。

補足日時:2013/08/22 15:40
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えっと、余談ながら、No.9の方の懸念に一言。



>しかも、嫌なニュースではありますが、アプリケーションの提供がSaas的、
>クラウド的な提供になるにしたがい、ユーザー企業では、インフラの構築、
>キャパシティ計画、リダンダンシー計画、ディザスターリカバリ計画、
>BPC計画などの高度なIT業務も無くなります。Saas提供者のコンフィグ・
>パラメータに対して、YesとかNoとか答えるだけで明日からアプリケーション
>が使える時代がやってきます。

まあ、方向性としてそういう風に向かってはいますが、まだまだ現実は追いついていません。
日本人の優秀なIT技術者は、そういう隙間を埋めるためにまだまだ頑張っていますよ。
あと、お客さんとのコミュニケーションは日本語力必須なので、文系の人でもこの業界はまだまだOKです。

ただ、「安くて」「簡単で」「誰でもできる」仕事は、どんどん海外に発注されます。
今、私が担当しているプロジェクトも、製造は中国にオフショアする予定です。
ただ、彼らにまかせっきりには到底できないので、日本人の優秀なIT技術者はまだまだ必要ですし、実際数が足りていないのが実情です。

あと、10年は戦えます。
ただ、さすがにドッグイヤーのこの業界で10年以上先を読むのは、先読みが得意な私でもさすがにわかりません。

この回答への補足

コメントと議論の膨らみをもたらしてくださいましてありがとうございます。

下記は、便乗した偏見に満ちているかもしれない(笑)私的コメントです。


1)ITの価値の源泉の変遷につきまして

下記の流れで、高付加価値の源泉がゆったりとシフトしていると理解しています。

コンピュータ本体→スクラッチ開発→パッケージソフトウェア→SaaS提供→???

???が何であるか? 候補をあてずっぽうで列挙して10年後に振り返ると面白いかもしれません。

2)現在の付加価値の構造

松:SaaSの胴元とパッケージソフトウエアのオーナー
竹:上記の導入サービス作業、ブリッジの先進国側
梅:スクラッチ開発、オフショア下請け

補足日時:2013/08/21 12:50
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多くの方が回答に参加していますが、現役IT技術者からも一言。



現在、ビジネスアプリケーション市場で元気なのは、米国Oracle、帝国Microsoft、独SAPといったあたりでしょうか。

これらの会社の共通点は、OSとOffice市場を制覇したMS帝国を除くと、ビジネスの核になるアプリケーションをもっており、そこを財政・技術の両面の基盤として、発展していることです。

Oracleの場合は、RDBのOracleとSunから買い取ったJava。SAPの場合は、ERPのSAP R/3です。
そして両社とも、この業界では老舗ではあるけれども、IBMや日本の富士通などと異なり、ソフトウェアベンダ専門でどちらかというとベンチャーから発展しています。

ここまで書いて多くの方が察しているかと思いますが、要は「ベンチャー不在」という日本の経済界が抱える大きな問題点が露骨に出てしまったわけです、はい。


ちなみに、日本にも優秀なIT技術者がいなかったわけではありません。代表として、何人かの方が触れているOS「TRON」を提唱した、坂村 健教授がいます。
この業界に長くいた私の目で見ても、TRONは本当に素晴らしいOSです。詳しく説明すると、本一冊余裕で書けるので、ここでは割愛しますが。

ただ、坂村健さんはベンチャーを起こさず、日本の大手企業に声をかけて企業連合を組織し、そこでTRONを広めようとしたんですね。
1980年代のビデオのVHS普及に見られるように、ベンチャーよりも企業連合で戦うのが得意の日本企業にとっては悪くない着眼でしたが、1990年代前半のまだ日米貿易摩擦があり、アメリカのパッシングが盛んだったため、時期が悪すぎました。

あえて戦犯を書きますが、アメリカの圧力に屈した当時の通産省、マイクロソフトのビル・ゲイツ、日本ではソフトバンクの孫(孫氏には個人的には評価する面もありますが、TRONに関しては戦犯の一人です)、アスキーの西です。
これらの面々がよってたかって、TRONプロジェクトを潰し、今のWindowsなんかよりよほど優れたTRON OSを潰してしまいました。


坂村 健さんは技術者としては今なお素晴らしい人物だと思いますが、海千山千の化け物揃いの中でベンチャー企業を起こして成功することは、現実が示すようにお一人では難しかったでしょう。
その面では、Oracleのラリー・エリソンなんかは既に会社を興して、着々と地盤を築いていましたからね。
SAPも同様で、地道に業績を伸ばして、今に至っています。

今後も坂村 健のような、世界に誇れる人材が日本から出て欲しいと願いますが、技術面だけでなく、ビジネスの荒海を切り開いていけるタフな起業家も必要です。
私も独力ながらこの業界で頑張ろうとは思いますが、後進の活躍にも期待しています。

この回答への補足

なるほど。

1)ベンチャーあがりの世界的企業の不足
2)その背景にある日本の産業界のカルチャー
3)優秀なIT技術者かつ海千山千のバケモノと渡り合える人の不足

これら3点が原因なのですね。

2は他国に比べてかなり不利な前提で、日本では依然として尾を引いたままだと思われます。
にも拘らず、優秀なIT技術者ではないかもしれないが、ベンチャーあがりの世界的企業を築きつつある、十分に海千山千のバケモノと渡り合えそうな孫さんは、今のところ先頭を走っている人だと言えるかもしれませんね。

2番手グループはどういった方々がいらっしゃるのでしょうか?とても興味があります。

ひとつ思い出したのは、今年日経ビジネスで見た、日本の地方の中小ソフトウエアハウスで、アフリカの複数国の王子様に直接アプローチして政府の一部の機能をカバーするパッケージソフトを次々と各国に納入している方です。素晴らしい!

補足日時:2013/08/21 13:07
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3度めのお邪魔をお許しください。



>余談ですが、SIビジネスやカスタム開発は付加価値は低いものの労働吸収力は高いので、雇用の裾野を広げるための産業としては有意義かと思います。

インドや中国、あるいはフィリピン、ベトナムの雇用を創造するのが関の山でしょう。
一人一月で25万円ぐらいのコストでインドの優秀な大学卒、マスター卒のIT技術者が確保できます。
彼らはUNIX系、MS系のスタンダード技術に精通しており、VMWareやCitrixの環境で育っています。
日本側は日本の固有の事情を英語で説明できる通訳的な技術者(ブリッジ・エンジニア)の雇用が残るだけでしょう。

しかも、嫌なニュースではありますが、アプリケーションの提供がSaas的、クラウド的な提供になるにしたがい、ユーザー企業では、インフラの構築、キャパシティ計画、リダンダンシー計画、ディザスターリカバリ計画、BPC計画などの高度なIT業務も無くなります。Saas提供者のコンフィグ・パラメータに対して、YesとかNoとか答えるだけで明日からアプリケーションが使える時代がやってきます。

その時に、日本からIT産業が消失し、IT技術者(もどき)はタクシーのハンドルを握ることになるのです。
ごく一部、本物のIT技術者は、インドやフィリピンなどに移住して召使付き、送り向かいのクルマ付きの人生をおくりますが、きわめて少数でしょうね。

日本の半導体産業がたどった道と同じ道をIT産業がたどることになります。

この回答への補足

コメントと議論の膨らみをもたらしてくださいましてありがとうございます。

下記は、便乗した偏見に満ちているかもしれない(笑)私的コメントです。


1)ITの価値の源泉の変遷につきまして

下記の流れで、高付加価値の源泉がゆったりとシフトしていると理解しています。

コンピュータ本体→スクラッチ開発→パッケージソフトウェア→SaaS提供→???

???が何であるか? 候補をあてずっぽうで列挙して10年後に振り返ると面白いかもしれません。


2)現在の付加価値の構造

松:SaaSの胴元とパッケージソフトウエアのオーナー
竹:上記の導入サービス作業、ブリッジの先進国側
梅:スクラッチ開発、オフショア下請け

なので、個人的には、本物の技術者は現時点では、会社の所在地を気にせず、松に行くのが得策かと思います。

補足日時:2013/08/21 12:54
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AN-4 です



そうした見方からなら NECも戦犯だと追います。
PCの黎明期に 98なる 怪しげな ガラパゴス商品作って 囲い込みを図り、一時期成功しました。

しかし、長期的な視点が無く 一番大事な黎明期の処理を誤ったと思います。

この回答への補足

連投ありがとうございます。

長期的視点のあるなし以前に、当時の彼らはそもそも国内市場以外にはほぼ全く目が向いて居なかったような感じがします。

言い方を変えて、世界を日本に置き換えると、「鳥取県の市場では一時期成功しました。(が、全盛期ですら他県では全く知られず、売上もほとんどゼロ)」と言う感じだったのではないでしょうか?

補足日時:2013/08/20 23:33
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>1)アメリカ、ドイツ、イスラエルの類の国にはそのような制度があり、それが功を奏してきたのでしょうか?



ドイツの例だけ知っておりますが、ビジネスアプリケーションの開発、および開発計画を担当している人に会うと、二人に一人ぐらいに比率で名刺にPhDの記号が書いてあります。日本で言うところの工学博士でしょうね。専門分野がITかORか数学かなどの差はあれど、ドイツの最高峰の人材がビジネスアプリ開発に集中してたことは確かです。

翻って、日本ではF通さんとかN電気さん、H製作所さん系列のソフト専門大企業などのビジネスアプリケーション開発部門の方には工学博士号をもっている方は少なかったような気がします。
日本に工学博士が居ないなしかたないことですが、F通社のミリ波通信技術とか、N電気のパターンマッチング技術とか、もちろんH製作所のハードディスク記憶装置研究開発などには大勢の工学博士号をお持ちの秀才が勤務しているにもかからわず、ビジネスアプリケーションには工学博士が居ない。

なぜなら、日本企業はビジネスアプリケーションとは、顧客企業の我が儘を聞いて手作りして、1社だけに納めればよいという認識があって、そのような動労集約型のビジネスに工学博士をアサインしてはイケナイ。高専から駅弁大学文化系専攻あたりで人海戦術を組んでワンオフ開発を進めるしかない、という考えだったのかと思います。

一方のドイツ人のドクター軍団は、各企業の要件に耳を傾けるには傾けるが、それは業界のビジネスを理解するための情報収集活動であって、その要件に直接答えるアプリケーションを作らず、一旦、抽象化し、それをある程度汎用性があるデータモデルにおとし、標準のプロセスモデルを作り、そのうえで業界共通のビジネスアプリケーションとして、製品化し、大量販売を目指していたのです。そこにはサイエンスとエンジニアリングが存在しておりました。

これは、ドイツの企業でも特別に成功した企業の例ですから、ドイツ企業のすべてがそうではなくて、日本のF通やN電気、H製作所系ソフトハウスと同じアプローチをしていたドイツ企業もあったとでしょう。しかし、それらはみな日本企業と同様にビジネスアプリケーションの標準化争いから脱落し、消滅していったのです。

結局、日本企業は一つの設計図で数1000、数100000の製品をつくれる、所謂インダストリーには工学博士を大量に投入しながら、ビジネスアプリケーションの開発が、ひとつの設計図から数1000のコピーを作ることができる”インダストリー”であるということに気づかなかったのが敗因といえるかもしれません。

建築学を学び、未来の建築を考える事ができる工学博士を雇わずに、大工を大量に採用して、「お客様の言うがまま」の家を建てていたといったら分かりやすいでしょうか。お客のわがままを聞くだけの建築ではとても100年、200年の恒星の人に称賛されるような名建築物は決してでいきませんね。

ちなみに、そのドイツ企業が開発したビジネスアプリケーションの講習を受けて、”認定コンサルタント”になると、大工の工賃が高くとれるってんで、多くの日本企業が社員に其のドイツ製品を学習させました。4週間ほどの集中講習で、100万円もの受講料がかる高額セミナーが連日満員だった時代もあるのです。

この分野で、日本企業が自主開発を諦め、目先儲かればドイツ製品の普及でも良しとしていたのが明白です。

日本の自動車業界などが、何としても日本製のエンジン、日本製のボディー、日本製の制御装置にこだわって技術開発をし、その結果、世界のリーダーにとどまっているのと大きな違いがあるということがおわかりなると思います。

この回答への補足

>結局、日本企業は一つの設計図で数1000、数100000の製品をつくれる、所謂インダストリーには工学博士を大量に投入しながら、ビジネスアプリケーションの開発が、ひとつの設計図から数1000のコピーを作ることができる”インダストリー”であるということに気づかなかったのが敗因といえるかもしれません

ここが目から鱗でした。

つまり、資格や制度が原因なのでもなく、人材の素材が居なかったからでもなく、日本の大学の学部や学科の分布がソフトウエア以外の分野に偏ったままだったのと、世界的な役割を果たせそうな立ち位置に居た企業がこぞってメカやハードやエレメカもののみに注力したのが原因なのですね。

余談ですが、SIビジネスやカスタム開発は付加価値は低いものの労働吸収力は高いので、雇用の裾野を広げるための産業としては有意義かと思います。

補足日時:2013/08/20 23:21
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No.4さんの回答にもありますが、昔「トロン」というOSが開発されましたが、アメリカが「スーパー301条」を振りかざして、「もしこのOSを世界に売り出したらアメリカとの貿易は許さないぞ」とばかりに脅しをかけて来ました。

それ以来トロンは日の目を見なくなりました。
今ではどうか分かりませんが、自動車の燃料供給を行う自動制御プログラムのOSに使われていたということは聞いたことがあります。
日本人がアメリカの技術を越えるものを作ろうとすると、すかさずアメリカから横やりが入るのが実態です。
戦闘機もそうでした。
当時の通商代表部の代表の名前は今でも忘れません。

この回答への補足

なるほど、No.4さんのご回答にもありましたが、当時の日米外交の結果が原因なのですね。

2つ思いついたことがあります。

1)穿った見方をすれば、単にその時点の日本の政治力の弱さが原因なのではなく、背景に、世界史の文脈のなかでのそもそもの日本の政治的ポジショニングの弱さが根本原因としてあるとは言えないでしょうか?

政治的ポジショニングとは、経済的に早めに規模の大きな先進国になった中では、唯一の非キリスト教、非白人国家として、地理的にも文化的にも孤立していた。と言うようなことです。

2)OSで覇権を握ったわけでもない、ドイツやフランスにすら、ERPやCADや他のグローバルなビジネスアプリケーションの分野で、今でも完全に後塵を配しているのは何故でしょうか?もしかして、それもそう言った日本の政治的ポジショニングの不利が依然として残っているからだ。とは言えないでしょうか?

補足日時:2013/08/20 23:02
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日本人の中に絵を書ける人が少ないからではないでしょうか。



どういう思想でどういうユーザーに向けてどういう規模のどういうシステムを作るのか?
そういう大きな絵を書ける人が殆どいない。

いや、居ますが企業の中で埋もれてしまっています。
日本はベンチャーが育たないと言われますが個人より企業に重きを置くのでビルゲイツやジョブスのような飛び抜けた才能を仮に持っている人でも埋もれてしまうんですよ。

出来る奴ほどのし上れるのが欧米、出来る奴ほど潰されるのが日本社会です。

技術も個々の能力も高い日本人はより精度の高い部品の寄せ集めで素晴らしい機械を作る事が出来る。
製造機器などは日本が居ないと世界中でものが作れません。

ソフトウェアもある意味ソフトの寄せ集めなので可能です。
しかし、大きな絵を描ける人、その画に金を投資する人が極端に少ないです。

時々絵を書ける人が出てきてビジネスソフトなどを開発してある程度まで成功はしますが、それ以上行かないのはそこに莫大なお金を集めるような下地とか文化が無いのも世界的なソフトを生み出せない要因だと思います。

この回答への補足

なるほど、人、企業文化、そして投資選好が原因なのですね。

すると、ビジネスソフトで実績を出せている国の中では、比較的、人や企業文化が似ていると思われるドイツとの違いがなにか?に興味が向かいますねー。多分、何かの制度がもっとかっちりしてるのかもしれませんね。

補足日時:2013/08/20 21:08
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