No.1
- 回答日時:
たとえば、原曲(原譜)がCやCmの場合、D/Dmに移調して演奏する場合はオープンDでチューニングすると、原譜(CやCm)のまま、その指使いでD/Dmに移調した演奏が出来ます。
単音楽器では、C調楽器のほかに、B♭/D/E/F…調楽器、と言うものがあります。
たとえば、D調楽器は、オープンDでチューニングされた楽器、と同等で、譜面は下一線が「その楽器のド」ですが実音はDです。
ちなみに、吹奏管楽器の主流はB♭管です。他にはE/F共用やC管も。それぞれ専用譜面なので、譜面を取り替えたときは移調した指使いが必要です。
リコーダーはC/F管などがありますが、こちらはいづれも譜面はC調で、(同じドの)指使いが違います。
オープン弦の調子を変えられるギターは、これらに柔軟に対応できる優れもの、と言う証なのでしょう。
「初心者でもわかりやすい」答えになりましたか?
No.3
- 回答日時:
オープンチューニングは、そもそもは「レギュラーチューニング」を知らなかった人たち(アメリカの黒人の奴隷とか、白人文化の外の人たち)が適当に弾きやすくチューニングしたのがきっかけです。
なので古い黒人ブルースにはオープンチューニングが多かったりします。現代では、いわゆるフィンガーピッキングのソロギターで多用されますが、これはベース(伴奏)を弾きながらメロディーラインを弾く場合に都合がいいからです。
また、レギュラーチューニングの最低音より低い音が出せるとか、複数の弦を同じ音にチューニングすることにより独特の響きを狙ったり、あるいは弦を緩く張ることによる響きを狙ったりもします。
タッピングやハーモニクスを使う場合にも適していると言えます。
オープンチューニングというと押尾コータローやマイケルヘッジス、中川イサト等が有名ですが、古くは先に書いた黒人ブルースやハワイのスラックキーギター(スラッキーギター)で使われてきたものなのです。
(6弦だけDに落とすドロップDチューニングは厳密にはオープンチューニングとは言えません)
というわけで、移調が目的ということではありません。
(逆に、オープンチューニングで移調する曲なんてほとんど無いでしょう)
No.4
- 回答日時:
No.3さんの回答は的を得ていてわかりやすいですね。
carrot-pakoさんはレギュラーチューニングでアルペジオを弾いていると、
音の並びに飽き飽きすること…ありませんか?私はあるので、いつも変
形コードを多用するのですが、オープンチューニングは音の並び方が
違うので、聴いた感じも変わっていいかも知れませんね。
No.5
- 回答日時:
スタンダードチューニング(普通のチューニング)では弾けないような曲を弾くためです。
弦を抑える指は4本しかなく(第6弦を親指で押さえても5本)、セーハを使うにしても同じフレットだけですし、一度に届くフレットの範囲も限られます。高いフレットで、フレット間隔が狭いことを使っても、やはり限界があります。そこで、チューニングを意図的に変えれば、高いフレットを押さえているときい解放弦を弾いたりできます。また、セーハやボトルネックで通常は不可能な和音を出すこともできます(極端には6弦を全部使った協和音などもできる)。聴いているだけでは一人で弾いているとは思えないような演奏を、一人で行えたりするわけです。
もし作曲、原曲をアレンジする力があり、普通では弾けないような曲を演奏したいとき、あるいは、ギター用でない譜面を弾きたいときに、スタンダードチューニングでは演奏が無理でも、チューニングを変えればできることもあります。もちろん、どれかのオープンチューニングを前提として作られた曲なら、そのチューニングを使うべきなのは言うまでもありません。
No.6
- 回答日時:
まず、皆様誤解がある様なのでオープンチューンの発祥から。
※オープンチューニングは、元々民族音楽用に開発されました。
身近なところではオキナワ音楽。フツーの音楽で使われるスケールである、オクターブを7分割した平均律のうち、DとAを抜いたスケールがオキナワ音楽の正体です。
オキナワ音楽に限らず、世界各地の民族音楽では斯様に平均律の中で『使わない音』が存在することが多く、オープンチューニングは『使うスケールが押さえ易い様にフレット上に並べる』『使わない音は押さえ難いところに行ってもかまわない』っという発想から開発されたチューニング方法です。(これは、まず『平均律で設計された欧州製の弦楽器ありき』の話で、最初から平均律で設計されていない弦楽器を使っていたら、これほどオープンチューニングは一般的にならなかったでしょう。)
単純にいってしまうと、オープンチューニングとは『その音楽に合ったスケールが弾き易い様に、単純化したチューニング』であり、決して『ギターの演奏をより複雑にする為に考案されたモノではない』ということです。
※特殊チューニングが学術的に大系立てられた最初の音楽は、恐らくハワイアンということでよいでしょう。オープンチューニングというと、100年ぐらい前のクラシック・ブルース(いわゆるデルタ・ブルース)でのスライド奏法が有名ですが、元々ブルースのスライド奏法は、19世紀のハワイアンから影響を受けたとされています。(この辺りの話は、オープンチューニング・ギター界のトップに君臨する2大巨匠、ライ・クーダーとボブ・ブロウズマンによる数々の民族音楽研究でも述べられています。)
>一般的なチューニング以外のオープンGやDは、なんのためにあるのですか?
変則チューニング全般でなく、GやDの話だけでよいですね?
※どちらもデルタ・ブルースを発祥とする、スライド・ブルースの典型的なオープンチューニングです。
オープンチューニングの発想自体はハワイアンから来た、という様な事を上述しましたが、同時にハワイアンのラップ・ギターから、棒や瓶、ジャックナイフの背中などで弦を押さえるスライド奏法が生まれます。
直線的な押弦しか出来ない(複雑な押弦ポジションが取れない)スライド奏法では、オープンチューニングを工夫しなければ演奏出来ません。
※ここでちょっと余談ですが。
オープンチューニングでは同じフレット上にスケールが並ぶので、棒やジャックナイフで押さえ易かったということはありますが、ブルースでは別の理由もあってオープンチューン+スライド奏法が一般的となります。
20世紀初頭、奴隷階層の黒人の間では『金持ちはジャズを、貧乏人はブルースを演奏する』と言われましたが、これはどんなギターが買えるか?を指す言葉です。
金持ちは正確なフレットとオクターブチューニングを持つ高級品が買え、平均律での演奏が出来ましたが、貧乏人が手に出来る当時の低級品ギターは『フレット音痴』なモノが多く、スライド奏法でないと正確な音程が出せませんでした。
またブルースには黒人の民俗音楽から来る特殊なスケールが使われており(現在ではブルーノートスケールという事になっていますが、実際には平均律=フツーのフレット位置では出せない特殊な音程が入っていた、と言われています。この音を譜面上に表現する為の特殊な記号もあったそうですが、当時のブルースプレイヤーの殆どが楽譜など書けず、現在では当時の『ブルース・スケール』は失われてしまっています)、この『中途半端な音程』を出すにはスライド奏法以外考えられない、というワケです。
※さてオープンGとD。
より具体的に説明しますと・・・・オープンGは『デルタ・ブルースの父』サンハウスまでの時代に、オープンDはそのすぐ後の『ブルース・ロックの発祥』ロバート・ジョンソンから多様されたスタイルで、若干流行った時代が違います。
G系のチューニングはその後レドベリーなどのフォーク・ブルースに受け継がれ、一方D系はまさしくロックへと育って行きます。
元々オープンチューンは演奏する音楽の必要性から生まれたワケですが、それが更に新たな音楽ジャンルを生み出していった、という話です。
※ブルースで使われるオープンチューン(GとかDとか、それらを全音上げたAとかEとか)は、演奏を易しくする為に開発された、ということは間違いありません。現代にクラシックブルース奏法を伝承するジョージ・ソログッドは、『スライド奏法の魅力は、とにかくギターが簡単に弾けることだ。ライ・クーダーには悪いがな』と不敵に言い放っています。
GとAは6弦にルートが来ないので使い方にちょっとコツが必要ですが(使い難い6弦を取り外してオープンGを演奏する、ローリング・ストーンズのキース・リチャーズなんてヤツもいますね)、試しにオープンEとかDとかで演奏してみてください。
(1)解放、5フレ、7フレで、3コードが形成されます。スライドバーを各フレット上に持って行き、6弦全部をジャラーンと鳴らすだけで3コードのロックが演奏出来ます。
(2)10~12フレット(解放の1オクターブ上)間で、ブルースらしいスケールが形成されています。
スライドバーをこのフレット間で適当に滑らせるだけで、3コードのブルースっぽいソロが弾き放題です。(即興性の強いソロを弾くということに関していうと、オープンDやEは天国です。今までレギュラーチューンで思う様なソロが弾けなかったヒトは、是非試してみてください。)
(3)オープンのG、A、E、Dの6本の弦の音をよく見て下さい。
各弦で被った音が入っており、実は、メジャーとマイナーが決められない状態になっています。(メジャーかマイナーかを決める為には、もう一つ音が必要です。)
故に明るい感じの長調の曲にも暗い感じの短調の曲にも、1つのチューニングで両方に対応出来ます。
・・・っというワケで、オープンGとE、及び全音上のAとEは、ギターの演奏を極限までカンタンにする魔法のチューニングと言えるでしょう。(ちなみに。GかAか、DかEかを決めるのは、弦のテンションが変ってトーンやピッキングのし易さが変化したりしますが、そんなことより専らボーカルの音域に合わせて変えればOKです。)
No.7ベストアンサー
- 回答日時:
○前提
・一般的なチューニング⇒全弦開放だと、変な響き
・オープンチューニング⇒全弦開放で、なんかの和音
○オープンチューニングの利点
(1)抑えなくても和音(GコードやDコード)になっているので、左手が、チョー楽。オープンGチューニングにして、全弦開放でじゃかじゃかやってれば、とりあえず、楽しい。⇒デロデロのブルーズに代表される、プリミティブな音楽、特に、原初的な民族音楽でフィット。複雑なチューニングが沢山ある。
(2)左手に、「スライド・バー」を着ければ、あっというまに、「3コード・ブルース」を弾ける。しかも激渋。⇒ブルーズのど真ん中。
(3)さらに、左手の押弦を組み合わせると、フレッティング(おさえて音をだす)と開放弦の響きの組み合わせで、独自の世界を作り上げることもできる。⇒アコギ独奏を初め、オリジナル性の高いギター音楽を作っていける。近年、非常に隆盛。
○オープンチューニングの不利点
設定したチューニング(和音、コード)に縛られる。
色々意見が出ていますが、私は、これくらいの理解で、十分だと思います。
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