No.7ベストアンサー
- 回答日時:
こういう構文を Locative Inversion といいます。
なぜこんな専門用語をわざわざ偉そうに言うかというと、偉そうに見えるからではなく、世界中の言語学者がああでもない、こうでもないと頭を悩ませている、なかなか一筋縄ではいかない、そういう有名な構文だと言いたいだけです。
一つうまくいきそうな仮説を出してもすぐに反例が出てくるという、やっかいな構文ですが、とりあえず大体うまくいくであろうという説明を書いておきます。
まず、大事なのは、語順が普通ではないということ。
つまり、聞き手や読み手に、オヤっと思わせるということです。
普通と違うよ、注目してね、と言いたいわけです。
では何に注目させたいかというと、まずは舞台設定です。
これから大事なことを提示します、その舞台はここです、と視線を集めさせるのです。
「はーい、皆さん、こっちちゅーもーく」という、アレです。
それが文頭の場所表現です。
だから、強調と言えば強調です。
しかし問題はその後です。
舞台はできました。次は主役の登場です。
<In the garden> sat _an old man_ unhappily.
上の文では、まず、庭に注目を集めます。
次に主役である老人を登場させます。
ドラマ風に言えば、まず庭全体を映して、それから庭にいる老人に焦点を合わせるような感じと言えばわかりやすいでしょうか。
ただ困ったことに、これで全ては説明できません。
主語が代名詞だったりすると、倒置がおきないのです。
○Here come the train!
○Here it comes!
×Here comes it! (ダメな文)
ではこれはどうするかというと、主役は主語ではなく、動きだとか、現象だとか、舞台でおきることそのものが主役だと考えます。
日本語で、「あっ、来たっ!」という感じです。
次の文も、主役はビンと言うよりも、ビンが穴に入っていくというできごとが主役です。
The earth was friable. He scooped a small and deep hole so that the bottle would not lie longwise with the danger of its precious contents seeping out from the glass-stoppered cork. <Down> went _the bottle into the hole_.
まとめると、Down came the rain. では
Down:注目すべき舞台(話し手とその上の空間)
the rain:主役
できごと:降る
ということで、どこが強調されているかというような単純な構文ではないんです。
最後に、舞台なしに主役だけが登場してしまう例文を挙げておきます。
これをどう説明すべきかは、別の問題です。
それだけ面倒な構文だと言うことが分かっていただければ本望です。
Enter John Smith, a 40-year-old lawyer from Brooklyn.
'Comes the revolution,' said Misha, 'we'll all eat strawberries and cream.'
回答、ありがとうございました。1つの文だけを取り出して質問したのがいけなかったのかもしれません。文の流れがあって、Down came the rain. となるのですから。
No.6
- 回答日時:
普通の順序を変えてdownを最初に持ってくるということはdownを強調したいからだと理解すべきです。
日本語でも文の順序を『降ってきた、雨が』と言えば『降ってきた』ほうに重点があるのは同じであると思います。comeとgoではこのような倒置がしばしば使われます。思いつくままに少し例を挙げれば、
Here comes a big wave.
Off went the gun.
Up went the balloon.
No.5
- 回答日時:
これは、書き言葉では決まりません。
倒置はその一文を強調したいということは、認めていいと思います。でも、何を強調したいかは、ケースバイケースなのです。ある場合は、強調したい語(句)を先頭に持って来ることがあります。大事なことを先に言う、というやり方です(最初の印象を大事に、といった感じ)。
別の場合では、強調したい語(句)を最後に持ってきたりします。聞いている相手に「何だろう? 何だろう?」と思わせておいて、最後に大事なこと言って印象付けるやり方です(気を持たせてから種明かし、といった展開)。
どちらもあるんです。たいていの人は、最初と最後が印象に残りやすいものです。普通とは違う言い方をしたら注意を向けます。そして、最初と最後が印象に残りやすくなります。それを使うやり方の一つが、倒置ということですね。
会話なら、強調したい語(句)に強勢を置きます。以下、強調したい語を大文字で書いてみます。
1.DOWN came the train.(来た列車が『下り』であることを強調している)
2.down came THE TRAIN,(下りで来たのが『(乗りたい)列車』であることを強調している)
どちらもあり得ます。書き言葉で示すなら、太文字などを使って強調したい語を明示する必要があるでしょう。
P.S.
その参考書の著者がどういうつもりだったから推測してみます。
状況としては駅のホームにいる人の台詞を思い浮かべたのでしょう。だから、列車であることは特に強調する必要はない。なので、『下り』を強調している例文と思ってもらえるはずだ。
こんな具合でしょうか。個人的には、「『つもり』はしょせん『つもり』、言わなきゃ分からん」と感じます。
No.4
- 回答日時:
Itsy Bitsy Spider の歌詞の一部としてよく知られています。
何を強調したいかというより、他の行と韻を踏ませるためだと思います。The rain came down の語順にすると5行目の rain と 6行目の again と韻を踏まなく成ります。The itsy bitsy spider climbed up the waterspout.
Down came the rain
and washed the spider out.
Out came the sun
and dried up all the rain
and the itsy bitsy spider climbed up the spout again.
回答、ありがとうございました。こんな詩があるのですね。
しかし、詩ではなく、散文の場合でこのような倒置がある場合、どっちを強調していることになるのでしょうか。
No.3
- 回答日時:
普通に書けば
The rain came down.
Down came the rain.
が倒置ですが、「倒置」とは SV の語順が VS あるいは
助動詞(do など)SV となること。
その倒置の原因を作る要素があるはずで、
ここでは down が前に出ること。
通常後ろの方にある語が前に出ることで倒置が行われる。
だから、普通、その前に出る語を強調するために前に出す、
という説明がなされます。
しかし、倒置には than の後の倒置のように、
than の位置はもともと決まっていて、
比較する主語を文末に置くことで、重きを置く、
というようなものもあります。
この回答への補足
回答、ありがとうございます。
down なのか the rain なのか、ご意見が分かれているように思います。Down came the rain の場合は、どっちが強調されていることになるのでしょうか?
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