A 回答 (9件)
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No.2
- 回答日時:
銀河鉄道の夜など有名どころも含めていろいろ読みましたが、私が一番好きで印象に残っているのはよく利く薬とえらい薬です。
よくある「努力は報われる」「ズルをすると後で痛い目を見る」という道徳的な童話のようでいて、描写の端々に宮沢賢治らしさを感じられるところがすごく好きです。
きれいにすきとおった野ばらの実という繊細なビジュアルが思い浮かぶところも良いですね。
No.5
- 回答日時:
銀河鉄道が好きですが、お好きならあの作品は未完成で、賢治自身が投げ出してしまったことはご存知ですね。
つまり主人公がカムパネルラと旅をする部分と、カムパネルラが水死する部分を賢治は編集できなかった。だから現在も全集版には両者が並列して載せてある。
グスコーブドリの伝記の第一稿の表題は「ペンネネネンネネムの出現」というとてつもない話しで、私は農学部で全集を見付けて狂喜し読み始めたら、これなので愕然、確か五稿まであり、三稿ぐらいまでは意味が取れない、それでも無理遣り読みましたが、ゲッソリして最終版らしきもので我慢しました。
全然関係ありませんが、SF・ファンタジー作家の夢枕獏さんの「上弦の月を食べる獅子」は読む方が良いでしょう、主人公が賢治と時に一体化し時に別人になり不条理か論理的か分からない世界の頂上を目指す話しで、ファンタジー大賞を得、大きな評価を得た作品です。
No.8
- 回答日時:
以前、宮沢賢治に関する取材旅行をしたことがあります。
花巻の記念館や彼が教鞭を取っていた農業高校、羅須地人協会跡・・・など巡りました。
諸氏の方も言っています「銀河鉄道の夜」は、研究テーマとしては一筋縄ではいかない難解なものだったので、代わりにこれも有名な「雨ニモマケズ」を深く掘り下げたことがあります。
これは彼の死後、遺族が遺品整理中に偶然鞄の中から出てきた手帳に書かれていたものなので、作品という位置付けとはなりませんが、これには彼の宗教観や理想とする生き方が読み取れます。
この最後の方に、“サウイフモノニワタシハナリタイ”というくだりがありますが、その「サウイフモノ」はモデルがいて、花巻にキリスト教の布教にやってきた宣教師です。
彼は町民から迫害され、娘もそれがきっかけで亡くなりました。
それでも彼は新聞配達をしながら、児童のために冬には雪かきをして夏には家に寄せて涼ませました。
やがて彼が町を去る日、駅には迫害していた町民が大挙やってきて、町長までが来て去るのを惜しんだそうです。
賢治の実家は質屋をしていて、宣教師もお金がなかった時分に工面してもらったきっかけで2人は親交がありました。その駅にもやってきて光景を目にしました。
賢治は、そういう彼の町にいた間の自己犠牲的な献身的活動に感銘を受けて、サウイフモノニワタシハナリタイと記したのかも知れませんね。
したがって私は、作品ではないですが「雨ニモマケズ」にします。
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