■男女の結婚願望の芽生えの差とは?
男女で「結婚願望が芽生えるタイミング」は異なるものだろうか。
「男女差はあるでしょう。女性の場合は、時期的なこと、加えて外的な要因によることが多いです。時期的なことと言えば、『30代にさしかかったから』や『出産への意識』により意識が芽生えます。また、『交際して3年経ったから』とか『友達が結婚した』などの『同調』により芽生えることも多いです」(青柳さん)
「同調」とは「無意識のうちに人の意見や行動と合わせる」心理学的現象のこと。特に女性の場合は、「みんなと一緒が安心」という集団心理が働きがちで、同調が起きやすい。では、男性はどうだろうか。
「男性の結婚願望が芽生えるタイミングは、時期的なものではなく、外的な要因によることが大半です。主に、『交際相手から結婚をほのめかされて』とか『交際相手を失いたくないと感じて』などを理由に、結婚を意識し始めることが多いでしょう」(青柳さん)
「相手を失いたくない」と感じるのは、「狩りの本能」からだという。太古の時代から「狩りに行って食糧を調達すること」を役割とされてきた男性ならではの習性なのだ。独占欲や支配欲も働き、「失いたくない=自分のものにしたい」という思いから結婚願望が芽生えるようだ。
■結婚願望について相手に確認するのはアリ?
結婚を考えている女性から交際中の男性に「結婚願望の有無」を聞くと、「重い」などと思われないだろうか。失敗しないタイミングや確認手段はあるだろうか。
「大切なことですから、メールやSNSなどではなく、直接話して確認すべきでしょう。失敗しないタイミングを挙げるのは難しいですが、お互いのことだけでなく、お互いの家族のことなどについても理解し合えるとよいですね。直接確認しづらかったら、相手も会ったことがあるようなお友達から、さりげなく『お二人の結婚はいつ頃?』といった感じで聞いてもらうのもよいかもしれません」(青柳さん)
友達にその役割を担ってもらえば、交際相手を驚かせたり戸惑わせたりすることなく確認できそうだ。
■結婚願望がない相手との付き合い方
結婚したい女性は、「相手に結婚願望がないと分かっても、いつか気持ちは変わると思って交際を続けるべき?」とか、「結婚願望がないなら、時間の無駄なので別れるべき?」などと悩むだろう。そんな女性へ青柳さんからアドバイスをいただいた。
「人生は『選択』の連続であり、その『選択』を相手や誰かに委ねて『責任転嫁』せず、自分自身で行うことが大切です。人の意見や占いなどを頼ったり、曖昧なまま流されたり、波風立てない楽さに甘んじることは責任転嫁であり、結果的に不満や後悔の原因になります。常に、『今』はあなたのものですから、どんな結果にも『ありがとう』と感謝や納得ができるよう、自分で選択をして欲しいですね」(青柳さん)
一度きりの人生、誰にとっても結婚は一大イベントだ。結婚願望が芽生えるタイミングは人それぞれ違って当たり前と考え、悔いのない「人生の選択」をしてほしい。
●専門家プロフィール:青柳 雅也
「カウンセリングルーム アンフィニ」代表。個人カウンセリングや企業のメンタルヘルスケア、心理学セミナー、企業研修、教育機関で心理学の非常勤講師など活動は多岐に渡る。保有資格は産業カウンセラー(社団法人 日本産業カウンセラー協会認定)