そこで今回は、女性が旅先で出会った男性に魅力を感じる理由や、恋愛トラブルにならないために気をつけることについて、心理カウンセラーの青柳雅也さんに話を聞いてみた。
■海外旅行でよくある「出会い」と「トラブル」
「旅の恥はかき捨て」ということわざがあるが、海外旅行先では、自然と普段より大胆な行動をとってしまうようだ。
「旅先での解放的状況では、日常では出来ないことが出来たりするものです。旅先では、自分を知る人は殆どいませんし、その土地に住んでいるわけではないので、開放的な気持ちになってもおかしくありませんね」(青柳さん)
旅先のどのようなシチュエーションで、男性に魅力を感じてしまうのだろうか。
「もともとの知り合いに優しくされるよりも、旅先の宿泊施設やレストラン、観光地などで出会った見知らぬ人から話しかけられたり、優しくされたりするほうが『意外性』を感じます。人は意外性に感動し、魅力を感じるものなのです」(青柳さん)
青柳さんは、海外旅行でのよくある恋愛トラブルとして「国際ロマンス詐欺」と呼ばれる詐欺が横行していることを教えてくれた。
「日本人同士の現実的な恋愛よりも、素性のわからない外国人男性の甘い言葉と、非日常的なシチュエーションから、金銭の要求に応えてしまうわけです。最悪の場合海外では、命の危険が生じたり強姦事件なども発生したりするので、注意が必要です」(青柳さん)
金銭を奪われるだけならまだしも、身の危険にさらされたら後悔先に立たず。自分の身を自分で守る判断力は、どのような場面でも持ち続けていたいものだ
■トラブルにならないために気をつけること
恋愛トラブルに陥らないためには、具体的にどのようなことに気を付けたらよいだろうか。
「現地の人の素性などは、旅行期間だけでは分からないものです。しかし、外国人男性に純粋な憧れを持つ日本人女性が少なくないことも事実です。映画やドラマから抱いた外国への憧れと現実は『別物』ということをしっかり認識しましょう」(青柳さん)
しかし、青柳さんは「海外で恋愛に発展しやすい相手は、外国人より日本人である場合が多い」と教えてくれた。
「人間は自分の気分がよいときは相手への評価も上がりますし、海外で同じ日本語を話せるということで、相手への安心感や特別感も大きくなります。“たまたま同じ外国を旅行中の日本人”という共通点だけで身近な存在に感じ、心を許してしまいがちです。しかしいざ帰国してみると、同じ日本人同士とはいえ、“住んでいる場所も環境も価値観も異なる人だった”ということはよくあることです。そのような“距離感のズレ”も見誤らずにいたいものですね」(青柳さん)
ただし「総じて疑って、遮断してしまうのは、何のための旅なのかわからなくなってしまう」と、青柳さんは最後に言い添えてくれた。
「海外で、見知らぬ人と会話をしたり、その土地の文化を体験したりすることは貴重なことです。『楽しむことは、ハメをはずすことや盲目になることとは異なる』ということを頭に置いて、旅を楽しんではいかがでしょうか」(青柳さん)
そもそもの「旅の目的」を忘れてはいけないという。日本を離れ、異文化に触れることができる海外旅行で、恋愛とは異なる“さまざまな出会い”を楽しむ。そんな判断力を養うとよいのだろう。
●専門家プロフィール:青柳雅也
「カウンセリングルーム アンフィニ」代表。個人カウンセリングや企業のメンタルヘルスケア、心理学セミナー、企業研修、心理学の非常勤講師など活動は多岐に渡る。保有資格は産業カウンセラー(社団法人 日本産業カウンセラー協会認定)