No.7ベストアンサー
- 回答日時:
パソコンのソフトで会計処理をすれば税理士なんていらない。
という人が多いが、さて、そうだろうか。
1 法人税の申告書
現在職業会計人用の会計ソフトでも、別表や明細書、事業概況説明書までを含む、申告書をボタン一つで作ってくれるソフトは存在しません。
「それができたらノーベル賞」とソフト開発業者が言ってる。
税理士による税務調整が、つまり手作業による別表(特に四表や五表)の作成が必要。
この作成を税務署に行って「教えてくれ」と言っても教えてくれるのは「作成方法」だけ。
実数を教えてくれることはない。公務員は全体の奉仕者であって、特定個人への奉仕者ではないからです。
2 相続税の申告書
結構なレベルで会計ソフトで作成できるので税理士など要らない、と感じるのは早計。
相続発生前3年前の日以後の贈与の存在などは、家系図を見て怪しい人の口座を確認しないとならない。
不動産の評価でも現地測量して、奥行長大とか陰地割合とか、宅地として路線価評価される農地の調整あんど、結局は人間が「それなりの情報を入力」して始めて計数が出るもの。
相続した不動産の評価を税務署員に聞けば教えてくれるという、おめでたい回答がネットで見る事ができるが、大嘘。不動産の相続税評価額の算出方法は指導してくれるが、個別不動産の評価額の算出などは絶対にしてくれない。
税務署で聞けば教えてくれるのは「法令」「通達」であって、個別に「こうしたら良い」という方法論は指示してくれません(※)。
3 負担付き贈与の処理
時価と引き受けた債務との差額が贈与税対象になるが、この「時価」をどのように算出するのか。
ソフトが計算してくれるとしても、その「元となる数値」は誰が与えるのか。
贈与者には、債務消滅した額から贈与した物件の取得費等を引いた額に譲渡所得が発生するが、取得費をどうやって導くのか。元となる数値があればソフトが計算するとはいえ、その「元となる数値」は誰が与えるのか。
4 「1」から「4」は思いつくまま述べただけです。
AIがどれほど発達するかは期待しているところですが、人間がやらないとできない部分は必ず残るわけで、その部分が高度な専門知識がないと処理できない(例えば税理士、公認会計士)部分とすれば、税理士はなくなる職業ではないでしょう。
5 会計ソフトへの入力問題
領収書などを自動で読み込むソフトとハードが既に発表されてますが、詠み込むリーダーへセットするまでのお世話は人間がするのです。
ぐちゃぐちゃに丸まってる領収書とか、折りたたまれてる領収書などを「リーダー様が読めるように」事前準備しなくてはいけません。人間が「貴方様の言われるように資料を用意しましたので、よろしくお願いします」として「よし、わかった」と動き、そのくせ紙を巻き込んで詰まってしまうというレベル。
6 税理士は会計処理のみが仕事ではない
会計処理は「記帳代行」ともいわれる財務諸表を作成するための入力作業。
税理士資格などなくても、誰がやっても良い。
税務調査の立ち合いは税理士にしかできない。
弁護士でも立ち会い可能だろうが、非常に奥が深い税法と簿記会計学をも習得してる弁護士がどれほどいるかは疑問。弁護士と税理士では専門が違い過ぎるので、弁護士は税理士の代わりにはなりえない。
税務調査官から「仕訳が違います」と言われて「仕訳ってなんですか?」と逆質問するような弁護士では役に立たない。
※
申告納税制度を採ってるので、申告書は本人が本人の責任で作成して提出するもの。
本人が申告書の記載方法を尋ねたら指導はしてくれるが、選択肢のあるものは「自分で選んでくれ」としか言わない。
だからこそ税法に精通した税理士に本人は相談するわけです。
「税務署に聞くとなんでも教えてくれる」と捉えかねないおめでたい発言を良く見るが、そのような発言はお屠蘇が回ってるお正月だけにして欲しい。
「私の税金が安くなる方法を教えてくれ」と税務署に聞いても教えてなんてくれませんよ。せいぜい「所得控除を忘れないように」と言われるぐらいです。
No.8
- 回答日時:
笑える話として、おじいさん税理士が心配しているところを見たことがあります。
専門職が強い仕事であるほど、当然マニュアル化できる事務的な仕事も多いことでしょう。
そのようなところだけで食べている税理士であれば、10年後は厳しいでしょう。
ただ、会計処理が自動でできると言っても、すべての業界やどんな経営判断しても同じ会計処理になるとは言えません。
普通簿記会計だけを学びますと、ボールペンを買ったと言えば、事務用品費(事務用消耗品費)や消耗品費などで計上すると思われます。
しかし、そのボールペンに社名や商品の名称を書いて配布するためとなれば、広告宣伝費として計上すべきかもしれません。
文房具屋さんや仕入れたのであれば、仕入なのかもわかりません。
一つの商店で一つしか商品を扱えないわけではありません。文房具屋さんが隣の部屋で学習塾を経営するかもしれません。
すべての業種に網羅していても、人間が判断して入力しなければならないことが多々あります。
いわゆる会計の代行、記帳代行などと言いますが、その大部分の入力を自動化することは可能ですが、経費の名称などの判断は人間でしかできません。
また、文房具ではなかなか難しいかもしれませんが、会計処理の結果は税金の為だけでなく、経営判断の材料や信用調査などにも利用されます。当然、同じ経費計上でも内訳のバランス・割合なども重要になりますし、税務処理では会計処理における条件などもあり、税務を意識した税務会計といったことで会計処理が求められることがあります。
税務処理も一つの事案でも考え方や、適用する条文その他によって、処理の方法を考えていくものです。
これらは過去の事案だけで判断してよいものではなく、将来的な面も重要となります。
統計調査などで将来がすべて見えるわけでもありません。
そうなりますと経営者と税理士の双方の情報から一番良い処理方法などを見出す必要が出てくるものです。これを自動化できるとは当然思えません。
昔ながらのあまり判断を要しないマニュアル化されている会計処理や税務処理のみであればあるほど、自動化は考えられますので、能力が低く、不満を抱かれてしまっている税理士は生き残れないのかもしれません。
あと、税理士は税金の計算だけでなく、税務署との交渉や摂政も仕事で必要ですし、場合によっては弁護士とともに裁判に出て、税務当局と争うことのできる専門家です。
弁護士で税法を専門とする人は少なく、増えるとも思えません。
税理士制度がなくなるようなことはあると思いますが、税理士業務であった業務がなくなるようなことはないと思います。また、日本の制度的には既得権を守られますので、税理士制度がなくなっても税理士登録済みの人は税理士でい続けられることでしょう。
専門性の方向性は変わるかもしれませんが、10年程度でなくなるようなものではないと思います。
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