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清水義範氏の『バールのようなもの』に収められていた「新聞小説」という作品を読みました。さまざまな新聞に連載されている小説をいろいろな文体で書いていくというもので漢語調あり、女子大生のエッチな告白調あり、海外の小説の翻訳調ありともの凄く面白かったです。「これだ! 読んでよかった!」と思いました。思ったのですが、この種のとても個性的な、きわだった、なんだかえらく偏っ(←なんでもありません)文体で書かれた文章はどういうところで見られるでしょうか? 意図的にいろんな文体をまねて書かれた小説でも結構ですし、意図的に書いたものではないだろうけどものずごく目を引いてしまっているものでも結構です。よろしくお願いします。

A 回答 (2件)

イラストレーター(映画監督?)の和田誠さんが『倫敦巴里』(1977年、絶版)という本の中で「文体模写」というのをやってましたね。


川端康成の『雪国』を当時の流行作家が書いたらどうなるかというもので、えーっと、調べたら、庄司薫・野坂昭如・植草甚一・星新一・淀川長治・伊丹十三・笹沢左保・永六輔・大薮春彦・五木寛之・井上ひさし・長新太・山口瞳・北杜夫・落合恵子・池波正太郎・大江健三郎・土屋耕一・つげ義春・筒井康隆・川上宗薫・田辺聖子・東海林さだお・殿山泰司・大橋歩・半村良・司馬遼太郎・村上龍・つかこうへい・横溝正史・浅井慎平・宇能鴻一郎・谷川俊太郎の32名でやってました。
この他にも童話の『ウサギと亀』を当代の名監督たちが撮ったらどんな映画になるか……なんてこともしていてとても面白い本でした。

参考URLは、それを真似してる人のHP。

参考URL:http://www.na.rim.or.jp/~achi-oya/hiroko/33333.h …
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パロディーという形式がありますが、それをもっとテキストに密着させて文体模写、場合によっては原作者の思想や思考癖まで真似てしまおうという形式がたぶんパスティーシュなのでしょう。


この第一人者が清水義範氏で、少なくとも日本において質量ともにこの方の右に出る人はいないと思います。
ですから、折角ですからこの作家の他の作品に目を通されてはいかがかと思いました。

たとえば「似ッ非イ(エッセイ)教室」(講談社文庫)は、28編一冊丸々が著名なコラム・批評のスタイルのパスティーシュ集になっていますし、
「秘湯中の秘湯」(新潮文庫)にはガイドブック、取扱説明書、アンケート、会議での会話などがパスティーシュされています。

(以下、どの短編集に入っていたのか、ばらばらに思い出すままに)
私にとって今でも印象深いのは、国際マラソン中継時の日本選手に肩入れしまくる偏向放送とか、
翻訳者があとがきで原作者紹介をする文章の恐るべきパターン化の暴露などですが、
最も感嘆したのは、ジェームズ・ジョイスの「フィネガンズ・ウェイク」を本歌取りした一編で、
当の翻訳者・柳瀬尚紀さんが解説で驚かれていたように、
この前衛極まりない小説のアクロバティックな翻訳を単にパスティーシュしただけでなく、歌がありリズムがある一つの独立したテキストとして完成してしまっていることでした。見事というほかはないと思ったものです。

以上、参考にしてください。
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