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ソナタ形式、ロンド形式、等々。クラシックにはいくつか形式がありますよね。

自分も楽典をみたり、インターネットで調べたりしてその形式がどんな「形式」なのかはなんとなくわかりました。

しかし、実際曲の中で考えながら聴くと 主題? 再現部? 展開部っ!?
てな感じでまったくつかめません。特にソナタ形式。

どんな風に聴くとわかりやすいのでしょうか?
聴くコツを教えてください。

(ちなみに邦楽(尺八)はずっとやっていたのでスケールや和音の知識はあります。)

A 回答 (6件)

続き



ピアノソナタ5番ハ短調 第1楽章

提示部
第1主題(1-21小節)
第1主題確保(22-31小節)
推移1(32-48小節)
推移2(49-55小節)
第2主題(56-69小節)
推移1(70-86小節)
推移2(87-94小節)
コデッタ(95-105小節)

展開部
第1展開部(106-117小節)
第2展開部(118-135小節)
第3展開部(136-158小節)
第4展開部(159-167小節)

再現部
第1主題(168-190小節)
推移1 (191-207小節)
推移2 (208-214小節)
第2主題(215-232小節)
第2主題確保(233-246小節)
推移1(247-263小節)
推移2(264-271小節)

コーダ(272-284小節)

テンペストまで書こうと思ったのですが、ちょっと疲れてしまいました。
テンペストになると最初に序があって、第1主題が21小節目から始まったり、第2主題がなんと55小節目の2拍目からだったりして、第2主題なのに、全然、第2主題らしくなくなったりします。ちなみに、43小節目は第2主題ではなく第1主題の推移です。

このようにして、ベートーヴェンは中期のころから、第2主題を第2主題らくしくない、個性的ではない素材で書いたりする特徴があります。

すごく専門的に書いてしまいましたが、ソナタ形式の構造を感じながら聴くということは、それなりに、様々な分析をしてからでないと難しいということが分かって頂けたかと思います。

でも大まかな流れをなんとなくくらいのものなら、とても分かりやすいソナタ形式で書かれた曲の場合は聴いているだけでも分かります。

ロマン派の作品(シューマン、ショパン、リスト)
後期ロマン派(マーラー、ブルックナー、R.シュトラウス)になってくると、かなりの分析をしなければ形式を理解しながら聴くことは、不可能に近いです。
でも、なんとなく、あれここに同じ主題が戻ってきたな程度なら、聴いていても分かりますよ。

わたしは、今現在、ショパンのソナタ形式(ピアノソナタ1番、2番、3番、バラード、スケルツォ、ファンタジー、ピアノ協奏曲1,2番etc)などをこれから修士論文で研究するのですが、ソナタ形式が次第に自由なソナタ形式へと変わっていくので大変です。でもそこがおもしろいんです。ショパンのバラードやスケルツォがソナタ形式で書かれているなんて、聴いているだけでは絶対に分からないです。でも、特殊なオリジナリティをもったソナタ形式へのアプローチでバラード、スケルツォを書いたからこそ、ショパンは素晴らしい音楽家であり詩人だったわけです。

ご質問とそれてしまったかもしれないですが、なにかの参考にしてください☆

いろいろな作曲家の音楽形式のことを少しでも学びたいなら、門馬直美さんという人が書いた「音楽形式」という本が分かりやすくて、初心者むけでいい本ですよ。
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この回答へのお礼

こんなに細かく質問に答えていただいてありがとうございます!
楽譜と音源を確保して早速チェックしてみようと思います。本も探してみます。
さすがに専門の教育をうけてるわけではないので限界もあると思いますが、好きな音楽ですので地道に学んで行けたらと思います!

またなにかあったら是非お願いします♪

お礼日時:2005/05/01 11:21

形式を理解しながら、感じながら聴くには、事前に、楽譜を見てどれが第1主題でどこが第2主題なのかをチェックしてからでないと、難しいですね。



形式を理解しながら聴くのも、それはそれで、そこでしか味わえない良さがありますよ。

わたしは交響曲よりも初心者にはピアノソナタをお勧めします。交響曲はスコアに慣れた人でないと、なかなか楽譜に馴染めないように感じます。。

無難なところではハイドンやモーツァルトのピアノソナタやベートーヴェンの初期・中期のピアノソナタが分かりやすいです。

わたしはハイドン、モーツァルトのいくつかのピアノソナタと、ベートーヴェンのピアノソナタの形式の全曲分析を行なって研究したことがあるので、とりあえず、ハイドンの42番ト長調のソナタと、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ(1番、5番、17番テンペスト)がどのように作られているのかを、少しだけここにお教えしておきますね☆

通常、ソナタ形式は
提示部(第1主題―第1主題確保―推移―第2主題―推移―コデッタ)―展開部―再現部―コーダ

という構造で書かれています。

ハイドンのピアノソナタ42番 ト長調 Hob.XVI/27の第1楽章を見てみましょう。

構造は以下の通りです。

提示部
第1主題(1-12小節)
第1主題確保(13-16小節)
推移(17-24)
第2主題(25-35小節)
推移(36-47小節)
コデッタ(43-47小節)
コデッタ確保(48-57小節)

展開部
第1展開部(58-71小節)
第2展開部(72-87小節)

再現部
第1主題(88-97小節)
推移(98-106小節)
第2主題(107-121小節)
推移(122-128小節)

コーダ
第1コーダ(129-133小節)
第1コーダ確保(134-138小節)
第2コーダ(139-143小節)

です。

次にベートーヴェンを見てみましょう。
ソナタ形式といっても、ソナタ形式の構造の規則どおりに書いた作品はほとんどなく、第1主題の確保がなかったり、第2主題に第2主題の確保を作ったり、様々です。

ピアノソナタ第1番ヘ短調
提示部
第1主題(1-8小節)
確保的推移1(9-14小節)
推移2(15-20小節)
第2主題(21-28小節 esの音まで)
推移1(29-32小節)[正確には28小節目の2拍目裏からですが、楽曲分析では通常、このようなときは29小節目からと表記するのが一般的です]
推移2(33-41小節)
コデッタ(42-48小節)[これも正確には41小節目のドの♭の音cesからです]

展開部
第1展開部(49-54小節)
第2展開部(55-63小節)
第3展開部(64-73小節)
第4展開部(74-81小節)[正確には73のソの音から]
第5展開部(82-93小節)
第6展開部(94-100小節)

再現部
第1主題(101-108小節)
確保的推移(109-119小節)
第2主題(120-127小節)
推移1(121-131小節)
推移2(132-140小節)

コーダ(141-152小節)

です。

続きとして次の投稿にベートーヴェンのピアノソナタの5番と17番を書いておきますね☆
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 ソナタ形式は、作曲家が曲を構成しやすいので、多いのでしょうね。


 
基本的なソナタ形式としては、

第一主題
 作曲家がその曲で、一番伝えたいフレーズです。メインテーマとでも言いましょうか。

第二主題
 第一主題とは対照的なものを持ってくることが多いようです。曲にめりはりが出ます。

展開部
 提示してきた主題を素材として、曲を広げていきます。主題の一部分を取り出して変化をさせたり、色々と工夫をこらします。作曲家の腕の見せ所ですね!

再現部
 最初に提示した主題に帰ってきます。展開部で装飾したり変化させたので、メインの主題を再確認してもらう所です。

基本的にはこんな感じです。骨組みがわかっていると、曲を聴かれるときに、更に楽しんでいただけると思います!
 
 
 
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この回答へのお礼

ありがとうございます。
これに注意してじっくり聴いてみようと思います!

お礼日時:2005/05/01 11:12

まああまり考えながら聞くのも興が醒めるような・・・


「現代音楽」のように知を刺激するものと違って古典の形式ってのはいわば約束事。主に聞く側ではなく演奏する側のルールだと思います。(序・破・急だってそう思いながら聞いたりするかな?)まあ聞くときにそろそろ来るぞ、っていう感じ(再現部なんかそうですね)はありますけど。
さてそういうわけで聞いてみるのに皆さん交響曲を挙げておられますのでここは「ピアノソナタ」をおすすしましょう。モーツァルトやベートーベンの初~中期あたりがわかりやすいです。ソナタ形式の楽章、ロンド形式の楽章、フーガ、メヌエットなど。
スコアですがダウンロードじゃなくて市販のものをお薦めします。音楽の友社とか全音とかが出版していますが解説があってわかりやすいものを購入してみてください。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/tg/browse/-/ …
特に交響曲や協奏曲などオーケストラ物はスコアを見ながら聴くのもたまにはいいものです。
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この回答へのお礼

ありがとうございます!
やはり買わなきゃだめですねw体感してわかるようになるまでいくつか買ってみようと思います。


形式についてはどんな音楽も知識があった方が面白く聴けるのでは?とわたしは思ってしまいます。その方が作曲者、指揮者、演奏者の意図が見えて思わずニヤリ・・・みたいな。

ジャンルは違えど演奏する側なので、表現という面でも色々考えられるのでないかと思い勉強してみました。

お礼日時:2005/04/30 11:12

こんにちは。



まず,すっきりした形式のもので慣れるのが一番だと思います。私はオーケストラ曲でしか例を挙げられないのですが,例えば,ソナタ形式の場合,#1さんがおっしゃるように,ハイドン,モーツァルトの交響曲の1楽章が分かりやすいと思います。それ以降になると,主題の前に異常に長い序奏があったり,主題が3つあったり,再現部なのにちゃんと再現していなかったり,とかいう例外が多くなりますし,曲が長くて展開部のうちに提示部を忘れてしまったり(^^,などということも起こります。

あとは,気に入った曲を何度も聴くことでしょうね。曲をそらで歌えるくらいになれば,自然に理解できてくると思います。

私は,形式というのは音楽の「ストーリー」かな,と思います。あるいは,お笑いや時代劇でいう「お約束」(落語の落ちや水戸黄門の印籠)みたいなもの。
自分の好きな俳優やタレントが出ていれば(きれいなメロディーやハーモニーがあれば)それだけでも楽しいけれども,やっぱりストーリー(形式)も大事と思います。

分かっていつつそうなるのがやっぱり楽しかったり,そのお約束をどのようなストーリーで果たしてくれるのかに期待したり,逆にどんでん返しにびっくりしたり,といった感じなのかなと思います。

頭で無理やり理解する必要はありませんが,分かってくると聴く楽しみが何倍にもひろがると思いますよ(^^。
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この回答へのお礼

ありがとうございます!
みなさんおっしゃるようにやはり「古典」がいいんですね~。早速聴いてみます。

ストーリーですか、成る程!なんかしっくりくるたとえでした。

よく本に「最も美しい形式」と書かれている形式ですから、その形式の良さを分かれば、と思い質問しました。

お礼日時:2005/04/30 11:20

ソナタ形式でしたら、交響曲をスコアを見ながら聴くという手があります。

(交響曲の約束ごととして、ソナタ形式の楽章が必ず入っています。通常は第一楽章がそれです)
国内版のスコアでしたら、どこまでが、第一主題、第二主題、提示部、展開部、再現部といったことが解説されています。
形式を理解するということでしたら、モーツアルトやハイドンあたりの交響曲が構造も基本的でよろしいかと思います。

ただ、個人的には、あまり「形式」を気にしながら聴くのはあまり好きではありません。あくまでも感覚的に「ああ、いい曲だな~」と聴く方なので....
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この回答へのお礼

早速の回答ありがとうございます!
スコアなんてもちろん見たことないので知りませんでした~。 
とりあえずダウンロードして見てみようと思います!

お礼日時:2005/04/30 00:41

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